「自分で考えろ」の乱用に注意!
「自分で考える」ことは大事なことだと思いますが、
その言葉が人を苦しめることがあります。
私がコピーライターになって間もない頃、
クライアントから「カタログにQRコードを入れた方がいいですか?」と相談され、
そのことについて上司に相談すると、「自分で考えろ」と言われたことがありました。
経験がない私は、正直なところ、答えが分かりませんでした。
個人的な意見は言えますが、クライアントが求めているのは、
カタログに記載されている商品を売るためにどうすべきかというビジネス的視点。
その後外部のデザイナーさんから、
「より多くのチャンスを多く作った方がいいので、QRコードは入れた方がいいと思いますよ」と助言をいただけたので、
(※QRコードを入れなくていい場合は、スペースがなくてQRコードを入れることで大幅にデザインが崩れてしまうときや、スマホを使わない世代が対象で明らかにQRコードからの誘導を見込めないときなど)
なんとかクライアントとうまくやり取りすることができました。
今は、知識をも基に、デザインや対象者を考慮して、QRコードを入れるかについての自分なりの意見を言うことができます。
自分の意見は、基礎があるからこそ考えられるのであって、
基礎がなくてどうしたら良いのか分からない人間に対して「自分で考えろ」と言うのは、その人を苦めることになると私は思います。
すぐにネットで調べられないような知識は、知識を持っている経験者が共有すべきじゃないでしょうか。
「知識を共有してほしいと頼むこと」と、「頭を使っていないこと」は、イコールにはならない。
頭を使って考える習慣は大切だけど、助けを求めたいのに助けを求めることができなくなってしまうと、
知識を得ようとする意欲さえ失ってしまう。
会社を辞めて声をあげられる今、ちょっとした声の叫びを綴りました。