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「水田稲作は温室効果ガス・メタンの発生源」という見出しに「え!?」と思ったのでまとめてみました

元のポストはこちらです

ダボス会議2024「気候と健康」のセッションでの発言とのこと。
「上の発言主は、モンサント社を傘下に持つバイエル社の最高経営責任者CEOのビル・アンダーソン氏」
 ※モンサント・・・かつて存在した、アメリカの多国籍のバイオ化学メー
  カー。 2018年6月、バイエルによる買収・吸収が完了し、モンサントの
  企業名は消滅した。

こんな記事も。
◉今も自然界と人体に「発がん物質」を残す、
 モンサント社とは何だったのか

一時、話題となった「モンサント」なだけに「いったいどういうことなの?」と思ったのであります。

「元のポスト」については、
『これは切り抜きなので誤解されやすい伝わり方になっていますが、節水型の直播技術を広める必要があると言っている動画ですね』というコメントもあります。

メタン?直播?

まずメタンについては、
「国立研究開発法人・農業環境技術研究所」のこちらの記事を。
水田から出る温室効果ガス
 ▼人間活動によって発生する温室効果ガスの70%以上が二酸化炭素です
  が、約14%はメタンです。そしてメタンのうちの約1割が水田から発
  生していると考えられています。
とのことです。

NHKの記事(2023年09月15日)によりますと、
「日本で排出されているメタンの量は、2020年度、二酸化炭素に換算して
 2840万トンでした。日本の温室効果ガス全体の2.5%」
「メタンの排出源は、廃棄物の埋め立てやエネルギー利用もあるのですが、
 80%近くが農業です。そのうち、27%は牛のげっぷ。これに対して稲作、
 つまり水田から出るメタンはもっと多くて42%に上ります」

「上ります」とは、煽りますな。

 ※日本における温室効果ガス別排出量(2021年度)
  
全国地球温暖化防止活動推進センター(JCCCA)より
 ※日本の温室効果ガスの排出量・吸収量は11億2200万トン
  環境省・2021より
 ※直播についてはこちら。何故必要か、そのメリットとデメリット

日本の温室効果ガス排出量は、ざくっと12億トンです。
メタンの量はその2.5%、ざっと3000万トン。
その80%、2400万トンが農業からで、牛のゲップは27%の648万トン、
そして水田からは42%、ざっと1000万トン。
12億トンの0.8%となります
・・・ふう^^;あ~しんど。

わずか0.8%の「水田からのメタン量」が
なぜにニュースに?

これは東京大学大学院教授・鈴木宣弘氏の
「地球の温暖化は工業化したからなのに」に同意。
「今の農業や畜産のやり方に問題があるから
 変えればいいというのに簡単に同調しちゃいけない」
「ドローン等を使い、無人農場にして投資家が儲けるんだと」
「そのための農業・畜産潰しではないか」
「政府は田んぼをなくせという議論をしているのもおかしい」
こういった問題提起に賛同するなぁ。
 ※鈴木教授のYouTube「稲作攻撃の真の意図は?はこちらです。

水田を守りながらの対応

「水田からメタンが出る仕組み」についてもNHKの記事で
解説してくれていますが、水田稲作には「中干し」というのがあります。
私も昨年、参加している都市農業でようやく知りました。
これまでも「水田やのに水がないのは何故?」と思ったりしてましたが、
「そういうことだったのね」と得心しました。

この「中干し」期間を延長するとメタンの量が減らせるそうです。
「農業で地球温暖化に立ち向かう
  ~水田からのメタン抑制と高温耐性のイネ育種」より

また昨年は高温障害で「1等米」が激減しましたが、
それについても上記記事では触れています。こんな内容も。

「深刻化する地球温暖化への適応は未熟粒の発生しにくいイネの品種開発にとどまらないという。気候変動によって台風の大型化も懸念されており、台風に強いイネの品種も求められている。また、より高い気温にさらされると、受精がうまくいかず収穫が大きく低下する「高温不稔」(こうおんふねん)という状態になることもある」
「高温不稔」はこわいなぁ・・・。

農家の高齢化に従事者の減少。
それには品種改良やドローン等のIT技術導入など、
あれこれ対応していくのは必須と思いますが、
なんのためにやるのかというと「食料安保」つまり、
「食べるもの」への心配や不安がないように。

それこそ「食べるものがない」という最悪の事態にならないように、
どう農業を維持・進化、発展までさせていけるのか、
そんな話だと思います。

鈴木教授はこういうこともおっしゃっています。
★都市部の皆さん、消費者の皆さんは、
 誰のおかげで自分たちの命が守られているのかということ。
 そして主産地への感謝だけじゃなくて、
 都市部の皆さんは、その都市近郊に
 たくさんの農家さんがいてくれてまだ頑張ってくれている、
 この身近なところの農家さんの踏ん張りが
 いかに大事であるかということ、
 都市農業、都市近郊農業、そういことも含めて
 生産者の皆さんと消費者の皆さんが一体となって
 私達は自分たちの命、子ども達の命を守り、
 生産者を守れるようにネットワークを強化していかないと。

都市農業、大都市でも農業。
ビルの屋上農園を利用する都市住民も増えてきているようです。
注目はされるようになっている。
東京農業クリエイターズ」という本もあります。

東京のカロリーベースの食料自給率は0%、大阪は1%。
生産額ベースのそれは東京2%、大阪は5%です。
 ※農水省・都道府県別食料自給率
特に大都市住民は危うい状況の上にあると思います。
 










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