新しい組織のあり方 ~その1 多種多様な専門家の共同体~

新しい組織のあり方について興味のある方が多いようなので、カテゴリ分けして書いてみますね。ご意見ご感想などあれば是非お願いします。

私が考える新しい組織というのは「多様な専門家の共同体」で、人々が集まることで新たなものを創造して世間に価値を提供し、その共同体の中でもお金を介さないで価値を提供し合える組織、ざっくり言うとそれが理想だと考えています。

考え方としては、会社組織というよりはコミュニティとか、プロジェクトに近いイメージです。専門分野を持つ個人が、ある一定の「ビジョン」や「意識」をもとに集合し、それぞれの専門の立場から価値を創造し、生み出していくという感じ。ですから、コミュニティの中にはいろんな人がいてほしいわけです。農家さん、大工さん、洋服屋さん、整体師、カウンセラー、お医者さん、カメラマン、デザイナーなどなど。集まるきっかけは必ず「ビジョン」や「意識」であるわけです。

たとえば「子育てに悩むママのためのカフェ、サロンをつくろう」というプロジェクトに対しては、農家さんであれば食べ物を卸したり、農業体験WSとかができるかもしれないし、大工さんは内装リフォームができるかも、洋服屋さんはそこで親子服を売っても良いし、カメラマンは赤ちゃん撮影会をやっても良い。まぁ、思いつきなのでホントざっくりですけど、イメージはそんな感じ。これをもっと細かく詰めていく感じですね。この共同体自体でも価値が生み出せますし、内部では安価もしくは物物交換で価値の提供を行えるはずです。お洋服屋さんのHPの写真をカメラマンさんが撮ってあげる、その代わりにお洋服を差しあげる、農家さんの疲れを整体師が癒す代わりに、農産物をもらえる、みたいなことです。これがもともとで、そこから「お金」という概念が生まれたわけですから、原点に帰る感じですね。内部のポイントとしてその共同体の共通通貨があっても良いかもしれません。

「役割論」ということで言うと、それぞれの専門分野を生かすわけですから、その方の代わりはいないので、誰が取って代わることもできない個人として大切にされ、それぞれの役割を果たしていただくことになります。会社組織だと人事のコマとなってやりたくもない仕事や得意でないことをやらされたり、「自分の代わりはいくらでもいる」という無力感に襲われたりします。案外見逃されてますが、「個人が個人として唯一無二の存在として大切に扱われる」状況って社会に出るとほとんどないです。しかし、実はそれが大きな問題だと思うのです。誰も組織のコマとして生きたくない、その欲求不満が大きなストレスとなっているわけです。やりたいことや得意なことで人に喜ばれ、感謝されるっていうのが、人として何より嬉しいことだと思うのです。

人は「ビジョン」や「意識」をもとに行動しているので、そこがぶれない限り、モチベーションも続くと思うんですよね。そして前にも書きましたが、同じ「ビジョン」や「意識」を共有している組織はエネルギーの方向性が同じベクトルなので、物事を達成しやすいんですよ。人が集まることで一人では思いつかないアイディアやコラボも生まれて、想像するだけで楽しそうです。

はじめに組織ありきで何かを動かすのではなく、「ビジョン」ありきで人々の共同体を作り、それぞれの「役割」を果たしながら新しい価値を「共同創造」する。それが、新しい組織のあり方の肝の部分になると思います。

特に手に職がない人はどうするか、スペシャリストとゼネラリストの考え方、お金や共通通貨に関してはまた別途書いてみようと思います。

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