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90年代スウェーデン産マイナー・メロディック・デスメタルバンド20選
近年、俄かに90年代型メロディック・デスメタル再評価の兆しが見えているような気がしていて、今年のMajestiesの1stフルはまさしく「あの頃」のサウンドだし、Upon StoneがCentury Mediaに移籍したのも、きっと無関係ではないんじゃないかと思っています。
とはいえ、NWOTHMやリバイバル・スラッシュ、OSDM再興のムーブメントに比べると、まだ動きとしてはいささか弱い感は否めず、今後同じように着火するのかといった形ではありますが、あのIn Flamesだって初期を完全に意識しているであろう作品を出したわけで、どうしても個人的に関心を抱いてしまいます。
筆者は、高校生の時にIn Flamesを聴き、Dark Tranquilityを聴き、そしてAt The Gatesを聴き、所謂「イエテボリ・スタイル」のメロディック・デスメタルの虜になってしまい、Gates Of IshtarやEbony Tearsを皮切りに、他のサブ・ジャンルを漁るのと並行して一時期狂ったようにメロディック・デスメタルをdigったものですが、その頃から数年経ち、正直当時ほどの熱は無いにせよ、自身のコレクションをどこかできちんとした形で(SNSの投稿等ではない形で)世に出したいという思いが内心ずっとあって、今回遂にその計画を形にしたというのが本記事になります。
某ガイドブックが世に出る前に(急いで)出しておこうと思ったのは本当のことなので(笑)隠したりはしませんが、今回のように90年代メロディック・デスメタルに限らず他のサブ・ジャンルでも同様の記事は必ず書きます。
既に構想は練っているので、気長にお待ちいただきたいです。
筆者は物書きでは無いし、表向きミュージシャンという立ち位置にいますが(いますよね?)、やはり根は純然たるメタル・オタクです。
現代っ子なので情報収集源こそインターネットでしたが、コツコツとCDを買い漁り、1人で聴き続けていたコレクションを、誰かに見せたいというのはある種オタクの性なんじゃないでしょうか。
今回はCDの写真も同時に載せますが、ほぼ全て10代後半~20代前半(18歳から21歳くらい)にかけて揃えたコレクションです。
尚、今回の記事ではIn Flames、Dark Tranquility、At The Gates、Dissection、Arch Enemy、Edge Of Sanity、Dismember辺りの有名なバンドは挙げていません。
またメロブラ系のバンド(Naglfar、Necrophobic、Sacraementum、Dawn、Vinterlandあたり)や、デスラッシュも選出していませんので、あしからず。
マニア諸兄は全部知ってるでしょうといった選出ではありますが、有名なメロデスバンドでは飽き足らず90年代スウェーデン産メロディック・デスメタルを聴きたいという方にはちょうど良いセレクトになっていると思います。
買い集めていた頃から時間が経っていて抜けているアルバムやバンドもありますが(Cardinal Sinとか…)、お手柔らかにお願いします。
それでは始めます。
Gates Of Ishtar
今回のセレクションだと最も有名なんじゃないかと思われる、90年代メロディック・デスメタルを体現したようなバンドGates Of Ishtarですが、結成は1994年(前身バンド含めると1992年)で、まさにメロデス黎明期に活動していたレジェンドです。
1998年に解散し、その後のメンバーの活動としてはThe Duskfallが有名ですが、2015年に再結成するも翌年にドラマーのOskar Karlssonが急逝 (R.I.P.)。一応その後も活動しているようです。
3枚のフルアルバムを90年代にリリースしていますが、いずれも名盤と言って差し支えない良さで、初期のIn Flames、Dark Tranquillity、At The Gatesが好きな人には必ず刺さると思います。
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最初の2枚はメロブラと共鳴したようなメロディック・デスメタルで、最終作は単音リフ主体で攻めるスタイルとなっています。
どの作品でも当時のスウェーデンのバンドが醸し出していた叙情性をふんだんに感じることができ、好事家にはたまらないサウンドなわけですが、まだ聴いたことないという方には是非聴いて欲しいバンドです。
再結成後は上述の通りOskar Karlssonが亡くなったため活動が不定期なのが惜しまれますが、現在もライブは行っているようで、また2017年には3作ともジャケが新調されて(Juanjo Castellanoが担当)再発されており、正直チープさの否めないオリジナルのジャケットより格段に良くなっています。
ちなみにObscuraの2021年作収録の『When Stars Collide』という曲の冒頭のリフはGates Of Ishtarの3rd収録の『Wounds』を意識したようなリフで、最初聴いた時ニヤリとしてしまいました。
Ebony Tears
恐らく今回のリストの中だとGates Of Ishtarと同じくらいの知名度と人気を誇るバンドかと思いますが、やはり彼らと言えば1999年作2nd『A Handful Of Nothing』でしょう。
名曲『Harvester Of Pain』が好きな人とは絶対に固く握手できる自信がありますが、2ndアルバムはAt The Gatesの4th以降のメロさとソリッドさを交差させたこの時代のメロデスを体現したような名盤ですが、こちらCDは一時期価格が高騰し筆者も比較的安価で買うのに苦労したものです。
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何かと2ndアルバムが話題に上ることが多いこのバンドですが、1stアルバムの方が好きな向きも多いかと思います。
1996年に結成し(筆者が生まれた年です)、翌年にリリースされた1stですが、こちらもかなり色濃く当時のスウェディッシュ・メロデスを反映していて、ジャケットの耽美さがまさしくそのサウンドを体現しています。
初期In Flamesばりの叙情性が発揮されているバイオリンの美しい旋律から始まる名曲『Nectars Of Eden』は特に素晴らしいですね。
最終作である3rdアルバムはデスラッシュ寄りとなっていて若干影が薄めですが、クオリティは高いのでThe HauntedとかCarnal Forgeが好きな人は要チェックです。
Gates Of Ishtarと共に非常に人気の高いバンドだと思うので、どちらも未聴の方は是非。
Ceremonial Oath
知る人ぞ知るバンドCeremonial Oathは伝説的なバンドと言っても差し支えないと思っていて、その訳はメンバーを見れば一目瞭然です。
前身バンドを経て1991年に結成した彼らですが、オリジナルメンバーにはあのJesper Strömbladや、Tiamat等での活動で知られるAnders Iwers (Peter Iwersの実兄)がおり、Jesperは1993年作1stリリース後脱退しますが、続く1995年2ndにはAnders Fridénが参加しており、更にはゲストでTomas Lindbergが歌っているという、あまりに豪華な顔ぶれです。
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1st『The Book Of Truth』は純然たるデスメタルをプレイしており(1993年というと本当にメロデス黎明期です; Dark Tranquilityの1stやCarcassの4thがリリースされた年)、本記事的には2nd『Carpet』がメインかなといった感じですが、2ndはまさしくデスメタルに正統派的なエッセンスを導入したメロディック・デスメタルであり、思わず泪が頬を伝ってしまう叙情性があります。
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最後のIron MaidenのHallowed Be Thy Nameのカバーだけは原曲が名曲過ぎて結構微妙な出来になってますが(メロデスバンドがメイデンカバーすると大体こうなる)、90年代スウェディッシュ・メロデスが好きであれば必聴の作品だと思います。
ちなみに私はオリジナル盤を2016年に3,000円くらいで買いましたが2020年に再発されているので入手はそれほど難しくないと思われます。
In Thy Dreams
1995年から2000年の間に活動(解散後は一部のメンバーはCarnal Forgeで活動)し、1枚のEPと2枚のフルアルバムを残したこのバンドですが、メロデス・マニア諸兄の間ではかなり人気が高い印象があります。
かくいう筆者もIn Thy Dreamsはかなり好きなバンドでして、EPまで持っています(1st国内盤ボートラで入っているにも関わらず)。
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彼らは何と言ってもリフが強くて、90年代メロデスのお手本のようなリフで攻めてきます。
1999年作1st、2001年作2ndいずれも必聴の出来で、ATGの4thに近いソリッドなメロディック・デスメタルなので、疾走感の強いメロデスが好きな人には是非お勧めしたいです。
Without Grief
こちらもマニア諸兄からの人気が高いバンドかと思います。
特に1997年1st『Deflower』はこの種の話題となると名前の挙がるアルバムかと思いますが、私は2016年に某ユニオンの廃盤セールで3,000円で買いました。
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そんな1stですが、やはり名作と誉れ高いだけあって高品質な90年代型メロディック・デスメタルをプレイしています。
一方で、1999年作2nd『Absorbing The Ashes』は500円くらいで買った記憶がありますが、こちら決してクオリティが低いというわけではありません。
1stには及ばないかもしれませんが、しっかりと叙情性もありますし、前作が気に入ったらば是非聴いてみて良いと思います。
2014年には1stと2ndのカップリング盤も出ているので、恐らく入手はそれほど難しくないのではないでしょうか。
Sacrilege
Sacrilegeと言えばイギリスの同名クラストバンドの方を思い浮かべるかもしれませんが、私は勿論イエテボリのSacrilegeを真っ先に思い浮かべます(再結成時には差別化の為かSacrilege GBG名義でした)。
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このバンドはex-In Flames、現The Halo EffectのDaniel Svenssonがいたバンドとして著名かと思われますが、フルアルバム2枚とも素晴らしい作品を残しており、どちらも美麗で影のあるアルバムジャケットのように所謂「美醜を融合させたような」サウンドで、メロディック・デスメタル好きならばきっと泪が止まらないことでしょう。
ちなみに90年代スウェディッシュ・メロデスといえばイエテボリ出身というイメージが強いかもしれませんが、今回の選出リストでイエテボリ出身なのは地味にこのバンドくらいだったりします。
Eucharist
去年ようやく1stアルバムが再発され、入手しやすくなったことで再評価の兆しが見えるEucharistですが、Arch EnemyのDaniel Erlandssonがいたバンドとして有名かと思います(Sacrilegeの次にあるのは両方とも有名バンドのドラマーを輩出してる繋がりだったりします)。
しかしながらこのバンドはそれ以上に、やはり1st『A Velvet Creation』の価値の高さに目を向けるべきで、1993年というメロデス最黎明期にリリースされた本作は同年にリリースされたDark Tranquillityの1stやCarcassの4th、Edge Of Sanityの3rd、At The Gatesの2nd辺りと同時に語られるべき存在なんじゃないかと思われます。
長年廃盤で入手困難だったことからも物語られるマニアからの人気の高さですが、スウェディッシュ・デスメタルの系譜にメロディを導入するという手法を最も早い段階で導入していたのは特筆に値すべきですし、尚且つそのクオリティの高さも素晴らしいです。
1997年にリリースされた2ndはより垢抜けたスタイルになっており、当時の基準で考えても充分メジャー級に匹敵するメロディック・デスメタルの作品となっています。
かくいう私は昔から2ndは持っていましたが、長年オリジナル盤が高騰し入手困難だった1stは去年再発盤を購入しようやく手に入れました。
今回の記事は21歳までに手に入れたCDがほとんどですが唯一近年入手したアルバムです。
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Sins Of Omission
このバンドってどれくらい知名度あるんでしょうか?
これまで挙げてきたバンドに比べると隠れた名バンド感が強いですが、1996年に結成され1999年に1st、2001年に2ndをリリースした後に解散しています。
その後のメンバーの動向で特筆すべきは、1stと2nd両作とも参加したギタリストMartin PerssonがDismemberの7thと8thに参加していたことでしょうか。
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2作だと1stの方が人気が高いと思いますが、1stはDark Tranquillityの2ndのような展開の多いメロディック・デスメタルをプレイしています。
クラシカルな旋律が結構盛り込まれており、The Black Dahlia Murderが好きな人に意外と刺さりそうな気もします。
総じて演奏陣のレベルは高く、これまで挙げてきたバンドに劣らないと個人的には思います。
The Everdawn
こちらも隠れた名バンドだと思います。
The EverdawnといえばGates Of Ishtarのドラマーだった故Oskar Karlssonがいたバンドとして有名かと思いますが、この手のメロディック・デスメタルが好きならば絶対チェックした方が良いバンドです。
私が熱心に90年代メロデスを漁っていた頃かなり好きだったので、1997年作1stはジャケ違いで2枚買い(実はもう1種類存在する)、さらにボートラで付いているのに1996年作EPまで買いました。
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EPの段階では古典的なメロディック・デスメタルでしたが、1stではATGの影響を感じさせる硬質なメロデスとなっています。
『Autumn, Sombre Autumn』は特に好きな曲です。
どちらもの路線でもハイレベルな彼らでしたが、残念ながら1stリリース後に解散してしまい、今ではもう再結成することは恐らく無いでしょう…。
A Canorous Quintet
A Canorous Quartetとして1991年に結成し、1993年に現在知られる名前に改名した彼らですが、今回のラインナップでもかなり人気の高いバンドだと思います。
私は残念ながら1stしか持っていませんが(No Fashion Recordsオリジナル盤です)、こちら名曲『The Orchid's Sleep』を始めとして白眉の出来で、90年代メロディック・デスメタルが好きならば必ずチェックしたほうが良い一作でしょう。
1stと2ndのカップリング盤が出ていたり、2016年の再結成後に2ndの再録盤が出ていたりと音源自体の入手は比較的容易なのではないでしょうか。
私は2ndや初期EPのオリジナル盤をそのうち揃えたいですね。
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Ablaze My Sorrow
今回選出したバンドの多くは解散しているか、再結成していてもさほど活動していないという状態ですが、そんな中でAblaze My Sorrowは2013年に再結成した後フルアルバムを2枚出すなど活発に活動しています。
Gates Of IshtarやEbony Tearsに比べると若干地味な印象はありますが、彼らも充分なクオリティを兼ね備えており、本記事的には美麗なジャケットが目を引く1996年作1st『If Emotions Still Burn』が要注目といったところでしょうか。
現在でも当時のサウンドからあまり変わらず精力的に活動している数少ないバンドなので、もっと注目されても良いかもしれないですね。
私自身本記事を書くにあたってかなり久々に聴いたのですが、20歳の頃より評価が上がりました。
もし聴いたことが無いという方は是非。
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Embraced
お隣フィンランドではChildren Of BodomやKalmahを代表とするようにキーボード入りメロデスバンドが多い中で、スウェーデン勢はキーボード入りのバンドは珍しいですが、そんな中でもこのEmbracedは何とキーボードが2人もいるという奇異なバンドです。
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2人いるキーボーディストのうち1人Sven KarlssonはSoilworkのメンバーとして知られるかと思いますが、Embraced時代は勿論モダンなメロデスはプレイしておらず、キーボードの目立つメロディック・デスメタルを聴くことができます。
個人的に彼らの1998年作1st『Amorous Anathema』は地味に結構お気に入りだった記憶があるのですが、2ndは結局買わず仕舞いでしたね・・・。
Decameron
1996年唯一作『My Shadow…』の退廃的なジャケットが印象的な彼らですが、Dissectionと関わりが深かったようで、Dissectionに一時在籍したメンバーがいたり、さらに1stにはDissection前身バンドSatanizedの曲『Satanized』が収録されていたりします(『Satanized』に関しては1992年デモ音源にも入っていますね)。
彼らが作曲した曲は比較的長尺な曲が多いのが特徴で、6分超えの曲がアルバムの半分を占めています。
「90年代メロデス/メロブラかくありき」といったリフや展開の数々は流石といったところで、アルバムジャケットやメンバー変遷といったところに引かれた方は要チェックです。
ちなみに本作、CDの再発は2023年9月1日現在私の知る限りではされておらず、地味に入手しづらい作品なのではないでしょうか。
私は2017年にディスクユニオンの廃盤セールでNo Fashion Recordsオリジナル盤を入手しましたが、現在の価格等が気になるところです。
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Excretion
私の勝手なイメージですがExcretionって今回の選出バンドの中でもマイナーな部類なんじゃないかなと思っています。
しかし90年代のスウェーデンの層が本当に厚いのは皆さんの知るところかと思いますが、このバンドも例に漏れずしっかりとクオリティが担保されています。
彼らが1995年に唯一出したフルアルバム『Voice Of Harmony』ですが、音質は少し悪いものの、同世代のバンドに劣らないテクニックやリフワークを聴くことができます。
彼らは1996年に解散してからは再結成していないものの、2016年には音源集が出ており、デモ音源や1stがそのまま収録されているようです。
私は1stのWrong Again Recordsオリジナル盤を所持していますが、こちら2023年9月1日現在未だ再発されていないため、恐らく結構レアだと思います。
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Fatal Embrace
このバンドもまた知名度に関して言えば上で出てきたバンドに比べると低いのではないかと思います。
1992年に結成し、1997年に唯一のフルアルバム『Shadowsouls' Garden』をリリースした後に、1998年に解散した彼らですが、2016年に再結成、そして何と今年フルアルバムをリリースしています。
今年アルバム出していたなんてこの記事書くにあたって初めて知りました。
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唯一作1stに関しては、ジャケがだいぶチープですし音質も少し悪いかなといった感じですが、この時代のメロディック・デスメタルらしく複雑な曲展開をしており、埋もれるには勿体ない曲構築力が垣間見えます。
Ablaze My Sorrowと共に現役で活動するバンドとしてもっと注目すべきバンドかもしれません。
Lothlorien
メロデスっぽくないジャケットが目を引くLothlorienですが、結成/解散年が不詳と割とオブスキュアなバンドだったりします。
更に当時のスウェディッシュ・メロデスとしては珍しくキーボードが登場するバンドで(上述したように大々的に出てくるのはあとはEmbracedくらい)、結構個性的なバンドだと思います。
そんな彼らですが、1996年にデモを、1998年に唯一作『The Primal Event』をリリースしたに留まっているものの、この1stがなかなかに良く、マニアの間でも地味に人気がある印象です。
比較的聴きやすいメロデスだと思うので、気になる方は是非一聴を。
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The Moaning
1993年に結成しフルアルバムは一作残したのみというThe Moaningですが、その唯一作『Blood From Stone』のアートワークを手掛けたのは巨匠Necrolord先生で、素晴らしいイラストです。
中身としてはメロブラ寄りのメロデスであり、No Fashion Recordsというワードが好きな方は大喜びで聴くサウンドとなっています。
私はNo Fashion Recordsオリジナル盤を持っていますが、何度か再発されているようなので、CD入手の難易度は低そうですね。
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Eternal Lies
有識者的にはこのバンドがリストに含まれていて「ん?」と思ったかもしれません。
それもそのはず、彼ら結成こそ1998年ですが、最初のデモ音源をリリースしたのが2000年、1stアルバムをリリースしたのが2002年と90年代ではないのです。
しかしこの1st『Spiritual Deception』はあと数年早くリリースされていれば…といった内容の古き良きメロディック・デスメタルなのです。
2002年って今となってはぶっちゃけあまり90年代と変わらないと思うかもしれませんが、同年にはIn Flamesが『Reroute To Remain』を、Soilworkが『Natural Born Chaos』をリリースしており、既にモダン・メロデスの時代に突入しており、そんな中でこのようなアルバムをリリースしているからには、今回やはり選出せざるを得ないでしょう。
しかもその内容のクオリティが高いとあっては、尚更無視することはできませんでした。
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2015年に再結成しており、2018年には復活作を出していました。
私はその時買いませんでしたが、いずれ買いたいですね
Embracing
今回の選出だとだいぶマニアックな部類に入るかと思いますが、なかなかユニークなバンドなので選出しました。
私が持っているのは彼らが2枚出したフルアルバムのうち1997年にリリースされた2nd『Dreams Left Behind』なのですが、音質はチープなものの光るものを感じさせるアルバムとなっています。
随所でクリーンボーカルが入ってくるのが特徴で(お世辞にも上手くは無いですが)、試みとしては当時で考えるとそれなりに先進的だったのではないかと思います。
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Unanimated
本編最後を飾るのはUnanimatedです。
今回の並び順だと途中からだいぶマイナーになりましたが、最後に知名度が高めのUnanimatedが来ているのは、このバンドが割とメロブラの範疇で語られているような気がしているからですが、普通にメロデスとしても語られているバンドだと思います。
恥ずかしながら未だに1995年作2nd『Ancient God Of Evil』しか持っていないのですが、今回の記事のトリを飾るには充分過ぎる名盤となっています。
1988年に結成された大ベテランの彼らですが、もう本当にこの頃のメロデスの空気感というのが詰め込まれたアルバムで、名曲『Life Demise』から始まり、最後までスウェディッシュ・メロデスのお手本のような曲が並んでいるその様は、聴く者の頬に泪が伝うこと必至です。
再結成後も2枚リリースしていたりと割りと精力的に活動している彼らですが、私もそのうち1st含めて買わないといけないなと思います。
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(番外編) Autumn Leaves
さて、番外編ということでどうしても入れたかったのがデンマークのAutumn Leavesです。
スウェーデンのバンドではないため本選からは外しましたが、どう考えてもここで紹介するべきバンドだと思うので番外編で入れました。
1999年にリリースされた2nd『As Night Conquers Day』はメロデス・マニアの間でもかなり人気の高い一作だと思いますが、その評価の通り多くのメタラーを哭かせてきた名盤です。
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最初から最後まで哭けるアルバムですが、特に名インスト『Resigning From Life』からのタイトル曲『As Night Conquers Day』の流れは最高で、聴いたことない方は是非聴いてみて欲しいです。
きっと私が今回どうしても紹介したかった理由が分かるかと思います。
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総評
さて、今回の90年代スウェディッシュ・メロデスバンド20選いかがでしょうか。
全部知ってたよという方から、全然知らなかったという方もいるかと思いますが、個人的には結構満足のいくラインナップになってんじゃないかなと思っています。
今回の記事では私のコレクションを世に見せたいという思いもあったため、冒頭でも書いたCardinal Sinや、Gardenian、Moaning Wind、Eternal Autumnなど私がCDを持っていないバンドは今回選出できませんでしたが、この時代のスウェーデンって本当にバンドの数が多いので、漁ればまだまだ出てくると思います。
あとスウェーデン産のこの頃のメロブラって割りとメロデスとの境界線が曖昧な部分もあると思いますが、下の写真のバンド・アルバムはやはりメロブラだろうということで除外しました。
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今回のような私のCDコレクションを公開しつつバンドを紹介するという記事は元々私の中ではずっと構想としてあったのですが、やはり某ガイドブックが出るというニュースを見てこれは出版される前に出しておきたいと思って急いで執筆しました。
別に対抗心を燃やしてとかではないのですが、やはりきっかけが無いとなかなかこのボリュームの記事というのは書けないので(気付けば1万字超え)、今回ようやく形にすることが出来て良かったです。
まだまだ自分のCDコレクションの中で特集を組みたいというのはいくつかあるので、次がいつになるかは分かりませんが、もし読みたいという方がいらっしゃればお待ちいただければと思います。
今回の記事、非常に長かったかと思いますが、もし最後まで読んで、何か感想がある方は、ここのコメント欄やTwitterにて寄せていただけますと幸いです。
ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。
それではこれにて。