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【ライブレポ】Iron Maiden来日: 2024/9/29(日)

遂にIron Maidenのライブをこの目で観ました。

その名を知らぬ人はいないであろう、大英帝國の誇るヘヴィメタルバンド、Iron Maiden。2011年、当時14歳だった筆者がヘヴィメタルに出会ってからすぐに聴き始めたこともあって、思い入れのあるバンドです。

しかしながら、前回の来日(2016年、国技館)は筆者が大学に入学したばかりだったこともあってパスしており、いずれまた来るだろうと安易に思っていたものの、現実はそう甘くはなく、あっという間に8年もの歳月が流れていました。

そして、今回の来日。
予め正直に書いておくと、筆者は主にコンセプト的なセットリストが不安で、来日が発表された当初日和ってしまい全力投球することが出来ませんでした。間違いなく思い入れのあるバンドではありますが、参戦は追加公演のみ。

しかし、結論から書くと、目下最新作『Senjutsu』から5曲、1986年6th『Somewhere In Time』から5曲、その他のアルバムから5曲という「The Future Past World Tour」のコンセプトに沿ったセットリストは、実際にライブで味わうと何ら不満の無いものでしたね。

さて、ライブの詳細は後々書いていくとして、まずは当日の筆者の行動から書き記します。


初めて行くぴあアリーナMM、そして快適な物販

今回の会場となったのは、「ぴあアリーナMM」。個人的に行くのは初めてで、みなとみらい付近にある武道館クラスのアリーナです。
29日の物販開始は12時でしたが、筆者が到着したのは12時半過ぎでした。

物販の快適さは前評判通りで、レジの数がたくさん用意されており、ほとんど並ばずに物販を購入することが出来ました。オーストラリア公演限定クージーだけは残念ながら手に入らなかったものの、目当ての物はほとんど買うことができて大満足。

行く時は『The Number Of The Beast』のシャツを着ていましたが、早速物販で買った日本限定シャツに着替えて、今度はパネルのところに並んで記念撮影。この日ソロ参戦だったこともあって、親子連れの男性に撮っていただきました。

写真撮影ありがとうございました!

外国人のファンが多いだけでなく、親子で参戦してる人が結構いたのは、流石Iron Maidenといったところでしょうか。上で撮影してくれた親子だけでなく、その後偶然遭遇した筆者の知人も親御さんと来ており、彼らが老若男女に愛されるバンドであることを感じましたね。

この日の開場は16:00でしたが、上で書いた一連の流れが13:30には完了していたので、暇を潰すべく横浜中華街へ。
「萬珍樓」の肉まんを購入したんですが、当日私と同じことを考えて中華街に行ったメイデンファンが多かったのか、お店の人に何かコンサートがあるのか聞かれたので、「イギリスのヘヴィメタルバンドIron Maidenです」と答える場面も。

「萬珍樓」の肉まん。めちゃくちゃ美味しかったのでオススメです。

その後ぴあアリーナに戻って、知人と数人遭遇して談笑しつつ、なんやかんやで開場の時間。
ぴあアリーナに入ってすぐに、限定のコラボドリンクを購入しました。

「Somewhere In Time」と題された、フルーツフレーバーのスポドリでした

気になる席でしたが、2階席の真ん中で、チケットを買うのが早い方では無かった割りに良い席でしたね。

開演前のステージ

感動の登場、遂にIron Maidenを観れる喜び

定刻から2分ほど過ぎて、彼らのライブの定番となっているUFOの「Doctor Doctor」が流れ始めると、いよいよ開始ということで一気に会場内の雰囲気も変化。そこから更に映画Blade RunnerEnd Titlesが流れると、更に彼らの登場が間近で、ライブの現実味が増しましたね。

そして6thの1曲目、「Caught Somewhere In Time」でメンバーが登場!!

遠目ではありますが、実際に動いているIron Maidenを観ると、ようやく彼らを生で観れた感慨深さから涙が溢れ出てきました。
昨年のHelloweenの時もそうだったんですが、中高時代の念願が20代後半で達成できた嬉しさだったり、彼らの年齢を考えるとこれが最後かも分からないと思ったりすると、どうにも涙腺が緩んでしまうわけですね。こうした感情になることができるのも、ライブがライブたる所以かもしれません。

さて、ここでセットリストを貼りましょう(SEは省きます)。

  1. Caught Somewhere In Time

  2. Stranger In A Strange Land

  3. The Writing On The Wall

  4. Days Of Future Past

  5. The Time Machine

  6. The Prisoner

  7. Death Of The Celts

  8. Can I Play With Madness

  9. Heaven Can Wait

  10. Alexander The Great

  11. Fear Of The Dark

  12. Iron Maiden

  13. Hell On Earth

  14. The Trooper

  15. Wasted Years

「Hell On Earth」からがアンコールで、尺としては2時間弱でした。

私が最初懸念していたセットリストですが、無論、個人的に一番好きな「Hallowed Be Thy Name」や、「Aces High」「2 Minutes To Midnight」「The Number Of The Beast」「Phantom Of The Opera」等の往年の名曲は正直なところ観たかった、というのは本音としてあります。

しかし、冒頭でも書いたように、実際に観てみるとしっかりと満足のいく内容でしたし、多くの人もそう思ったことと思います。
そもそもの話、何を懸念していたのかというと、事前に今回のツアーで『Senjutsu』の曲がセットリストの実に三分の一を占めているのを把握していたので、曲の長さも相まって、なかなかに重くなってしまうのではないかと非常に失礼ながら思っていたのですが、その『Senjutsu』の曲も込みで、ライブとして素晴らしいと思えるものだったわけです。

バックの映像や巨大エディ等の視覚的なエンタメ要素もそうなんですが(巨大エディとメンバー達の掛け合いは見どころの1つでした)、何よりもまだまだ現役だなと思わされるくらいエネルギッシュなんですよね彼らは。
特に、Bruce Dickinsonの歌唱力は衰え知らずといったところで、御年66歳であれだけ歌えるのは驚異的でした。

そして、『Senjutsu』の曲も込みで良かった理由、それはやはり彼らの長尺曲にあるエピックさが大きかったと思います。
それを一番感じられたのは「Alexander The Great」からの「Fear Of The Dark」の流れで、ヘヴィメタルという音楽の持つドラマ性を大いに体感できました。ああいうタイプの曲って、見入ってしまうと曲の長さを感じさせないんでよね。Iron Maidenはやはりそこの魅せ方が巧みで、それは実際ライブで観ると『Senjutsu』の楽曲も同様でした。ヘヴィメタルという音楽の本質として叙情性とドラマ性がある、ということを完全に体現していました。

ご存知の通り、彼らは決してメタルというジャンルに付随しがちな「技巧性」を(相対的に)売りにしているわけでなく(Steve Harrisの指弾きは話題になることが多いとは思いますが)、にも関わらず、彼らはインストパートでもしっかり魅了させることができるし、そこは曲展開の妙もあると思いますが、そういうところがやはり最高のヘヴィメタルバンドだなと…。

長い曲のみならず、短い曲も勿論彼らはお手の物であり、「Can I Play With Madness」「Iron Maiden」「The Trooper」といった代表曲も当然ながら素晴らしく、特に「The Trooper」はド定番ながらもDave MurrayAdrian SmithJanick Gersの3人であのメロディを奏でながら、Steveも並んであのベースラインを共に弾いている様子は、間違いなく最高の瞬間でした。

The Trooper

ドラムのNicko McBrainは御年72歳で、健康問題を抱えており、それを克服しながらのツアーとのことでしたが、終演の際には元気そうな姿を拝むことができました。人柄的にポジティブな方だと思うんですが、あのように精力的にツアー回っている姿は素直に尊敬ですね…。

余韻に浸りながら…

冗談抜きであっという間の2時間弱でしたが、楽しい時間というのは本当に過ぎるのが早く、気付けばぴあアリーナの外に出て帰り道にいたという人も多かったのでは無いでしょうか。

私も何となくその波の中に紛れていたのですが、途中どうしても後ろ髪を引かれたので、人混みを避けて急遽引き返すことにしました。
まだ物販付近にいた知人に合流できたので、感想を共有しつつ、しばらくして知人とも別れて、再び物販に寄り、パッチとキーホルダーを追加で購入。

結果的に結構な金額を今回物販で使いましたが、良き思い出の品となったと思います。

内訳: Tシャツ2種類、ポスター、パンフレット、パッチ、キーホルダー

特に今回も話題になっていた日本限定Tシャツは(前回の国技館の時も話題になっていたの覚えています)、最も買って良かった品でしたね。

エディが調理しているカニは直前のオーストラリア公演限定シャツで登場していたカニ。あとメンバー全員描かれているのもポイントが高いですね。

昼間からの長丁場でしたが、夜ご飯として崎陽軒のシュウマイ弁当とカニシュウマイを買って、余韻に浸りながら帰路につき、密度の濃い1日が終了しました。


さて、今回のライブレポは1ヶ月以上経ってからの投稿となってしまいましたが、その間に、Iron Maidenの初期にボーカルとして在籍していたPaul Di'Annoが亡くなった、という大変悲しいニュースがありました。

言うまでもなく、Paulは傑作『Iron Maiden』及び『Killers』にて歌っていたわけですが、Bruceとはまた違ったパワフルな歌唱スタイルはまさしく彼の個性でしたし、彼の歌無くして1stと2ndは名盤足りえなかったと思います。

R.I.P. Paul Di'Anno.


おわりに

Paulの訃報も含めてのまとめとなってしまいますが、今回間違いなく観に行って良かったなと思います。

自分がまだ10代だった頃に好きだったバンドも、私が歳を重ねるにつれて当然ながら状況は変化していくわけで…気付けば私も28歳、「今」を大事に生きていきたいと思うようになっています。

今回のIron Maiden来日を通して、近年いつも感じていることですが、やっぱり「昔から好きなバンド」のライブは行ける時には本当に行った方が良い、という思いを毎度のことながら再確認しました。そういうバンドは結果的に観て良かったとなるのは間違いないので、行ける限り観に行った方が良いというわけです。

12月には6年振りに観るJudas Priest、11年振りのYngwie Malmsteen、そしてなんやかんや初めて観るLOUDNESS、とメタル聴き始めた頃から好きなバンドのライブ予定が1ヶ月に詰まっているので非常に楽しみなわけですが、冷静に考えてIron MaidenとJudas PriestとYngwieを1年で日本国内で観れる2024年って凄い年だなと…。そして来日勢もさることながら、LOUDNESSを遂に観れるのが楽しみですし、あとは聖飢魔Ⅱ(来年地球デビュー40周年)といった日本のレジェンドバンドも観に行きたいなと考えています。

そして今月上旬は私事ながら北欧に旅行に行きますが、なんと私は遥か北の地であのDismemberのライブを遂に観ることができます。なかなか来日しないバンドは、もはや現地まで行ってライブを観ようというわけですね。

北欧の旅行レポも書いていくつもりですので、是非ご期待ください。

それでは次の記事でお会いしましょう!


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