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【Desolate Sphere】Cryptopsy来日サポートアクトを終えて【ライブレポ】

以前記事にした通り、筆者のバンドDesolate Sphereが12/14(木)に行われたカナダの伝説Cryptopsyのサポートアクトを務めました。

今回の記事では、Cryptopsyのサポートアクトという大役を終えての感想と、12日の公演も個人的に観に行っているので、両日のライブレポも込みで書きたいと思います。

メインはやはり14日の出来事になりますが、演者/ファン両方の視点からの文章をお楽しみいただければ幸いです。



Cryptopsyに対する筆者の思い入れについては上の記事でも書いた通りで、高校生の頃から好きなバンドであり(かれこれ10年は経ちます)、ギターを始めてからは、サークルでコピバンを何度かやったりYouTubeにカバー動画を上げたりしてきました。勿論アルバムも全部持っています。

筆者のCryptopsyコレクション


そんなCryptopsyのサポートアクトを務めることが決まった時の筆者の心情は想像に難くないかと思いますが、Desolate Sphereを始めたからまだ3年ほどで、ライブを始めたのに至っては昨年2022年です。
正直、半年前まではCryptopsyの前座ができるなんて夢にも思っていませんでした。

まだまだ若手バンドである私達を起用していただいたEVPのYamaさんには本当に感謝してもしきれない程で、当日を迎えるのを非常に楽しみにしていました。それと同時に、これまで以上に多くの人達の前で演奏することになりますし、そもそもこうしたサポートアクトは今回が初めてだったため、緊張もしていました。

この日に向けてバンドを挙げて練習し、準備をし続けていたわけですが、月日が経つのはあっという間で、気が付けば12月14日になっていました。



さて、ここからはいよいよ当日起こったことについて書いていきますが、本番前については事細かには書かないので、その点はご了承ください。


今回の追加公演の会場は先日Vicious Rumorsを観た時に行ったばかりのSPACE ODDで、渋谷駅で自分のバンドメンバーと合流し、徒歩で向かいました。
駅からは少し歩きますが、再開発のおかげで線路沿いを歩くだけで着くので、一度行くと分かりやすく行けるハコだということが分かると思います。

SPACE ODDの入口に貼ってあったフライヤー


SPACE ODDには入りの時間に到着し、自分たちの機材を置いたり準備したりしていると、まず最初にあのFlo Mounierがやって来ました。
間近で会った瞬間から気さくな方だと確信しましたが、後で話してみると実際その通りでした。

その後Floに続き他のメンバーもやって来て、準備も終わるといよいよリハーサルの時間です。
あのCryptopsyのリハーサルを見れる機会なんて本当に貴重な機会ですし、ステージ前で観ていましたが、流石はベテラン、確認も速やかで思っていたより手短に終わりました。

続いてこの日同じくサポートアクトだった日本の古参デスメタルバンドSubconscious Terror、最後に私達がリハ―サルを終えて、いよいよオープン!

私達はトッパーで、会場オープンから開演まで1時間あったものの、正直あっという間だったなという印象です。
個人的には適度に緊張もしていましたが、それよりも大舞台で演奏できるという内なる高揚感の高まりを感じていたと思います。

そして遂に我々Desolate Sphereの出番がやってきました。



私達のライブについてどう思ったかは実際に観たお客様にしか分からないことですが、個人的にはこれまで数回行ってきたDesolate Sphereの中でも最も良いものでした。
新システム導入も功を奏したと言えると思いますし、他のメンバーも頑張っていたと思うので、無論改善点もあったと思いますが、一旦Cryptopsyのサポートアクトという大役を終えた自分たちを労わせてください。

CryptopsyのロンTを着てギターを弾く筆者


個人的には、やはりこれまでで最も多いお客さん達の前で演奏できてとても楽しかったですし、間違いなく最高の経験となりました。
2023年に行ったライブは3回でしたが、来年以降もどんどん進化していけると確信できる一日だったと思います。

この場をお借りして、改めて今回ご起用くださったEVP様、そしてYama Darkblaze様には感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました。

本番当日のDesolate Sphere(筆者は一番左)


続いては、同じく日本勢のSubconscious Terror
今回初めてライブを観たのですが、流石は古参、とても安定感のあるステージを披露していました。

上の階で見ていましたが、途中CryptopsyのMattも観ていました


ギターボーカルのHamasakiさんは大変親切な方で、終演後には私のバンドのCDと、Subconscious Terrorの新譜をトレードしていただきました。
また機会があれば是非対バンしたいですね。



さて、若干駆け足気味ではありますが、現時点でそこそこ長くなっているので、今回の主役Cryptopsyのライブについて書いていきたいと思います。
冒頭でも書いた通り、私は12日のライブも観に行っているので、合わせて書いていきます。

まずセトリはこちら。

なんと14日にセトリの紙をいただき、さらにはCryptopsyのメンバー全員にサインを書いてもらえました(後述)。家宝にします。


今回の来日は今年リリースされた『As Gomorrah Burns』のツアーだったので、新譜からも多めにやりつつ、残りはやはり2nd『None So Vile』収録曲を中心に、『The Book Of Suffering』EP2枚から1曲ずつ、そしてレアな選曲となった「Back To The Worms」は1993年リリースの1stデモ『Ungentle Exhumation』から(後に4thで再録)。

初っ端の新曲「In Abeyance」からテンションMAXになったわけですが、続く「Graves Of The Fathers」で限界突破。
両日ともそうだったんですが、やはり2ndの曲はめちゃくちゃ聴いていたのもあるんですがリフの殺傷力が高すぎて頭を振らずにはいられなかったですね。

12日も14日も、専属のPAの方を連れていただけあり音響は素晴らしく、違いとしてはやはりステージの広さだったのではないでしょうか。
14日は上から見ていたので単純比較はできませんが、12日のStream Hallの方がステージが横に広く、より映えていたのではないかと思われます(しかも横に広い分、前に行きやすかったのもポイントが高い)。

12日のStream Hallにて

とはいえ、SPACE ODDは距離が近い分よりじっくり見られるというのはあるかもしれないので、一概にどちらが良いとは言えないでしょう。

14日は関係者席から見ていました。特等席でした。


再び新譜から「Lascivious Undivine」をやった後に、2連続で2ndの曲を披露。
2ndは歴史的名盤で全曲名曲なので、これでブチ上がらない人はいないと思います。事実、フロアもめちゃくちゃ温まっていました。

そして30周年ということで演奏されたのが、前述の「Back To The Worms」で、こちらもめちゃくちゃカッコいい。
Cryptopsyって速いパート、特にブラストしてるパートは本当に勢いが凄くて、当然カッチリしているんですが、やはり他のバンドよりもそう感じさせるのは鬼神Flo Mounierの荒ぶるドラミングによるところが大きいでしょう。

「Back To The Worms」の後は、そんなFlo先生のドラムソロタイムで、一聴してFloだとすぐ分かる手数足数の多いドラミングを観ることができました。
レジェンド・ドラマーのソロを観る機会は大変貴重なものでしたが、両日とも恐らくほぼ同じだった(と思います)というのも驚きというか、やはりドラムも構築・構成というのは事前に練られているものなのだなと知ることができました。
彼ほどの名手となると、もしかするとアドリブでも同じソロを再現できるのかもしれませんが、それはそうとしてジャズ由来と思われるFloの特徴的なドラミングは見応え抜群でした。

素晴らしいドラムソロでした


ドラムソロ後はメンバーが戻ってきて、アンコール前まで計3曲を披露。
それぞれ2015年と2018年のリリースされたEP連作『The Book Of Suffering Tome I & II』から1曲ずつと、アンコール前の最後に新譜から「Flayed The Swine」を演奏していました。

Cryptopsyといえば何かと2ndが取り上げられますが、個人的には1stや2代目ボーカルMike DiSalvo期の3rdと4th、そして現在の路線が確立したといえる2012年にリリースされた名盤7th『Cryptopsy』も好きで、その路線を引き継いでいる以降のEP連作や今年の新譜も勿論好きというわけなので、やはりアンコール前の3曲でもテンション上がりっぱなしでしたね。


ここまで触れてきませんでしたが、Flo以外のメンバーも両日ともに素晴らしくて、ボーカルのMatt McGachyは強靭なボーカルと巧みなステージパフォーマンスが印象的でした。マイクのケーブルを腸に見立てて苦しそうに取り出す仕草は流石だなと思わされましたし、扇風機ヘドバンもめちゃくちゃ映えていてカッコ良かったですね。MCでは人の良さがとても出ていて(話してみると実際とても良い人でした)、感謝の言葉を多く述べていました。

ギターのChrisitan Donaldsonと、サポートベーシストのDom Grimardもやはり相当な手練れであり、複雑な演奏も颯爽とこなしていました。特にChrisitanについては見た目も相まってステージ上ではかなり厳つくて非常にカッコ良く、ギターは1人ですが存在感が抜群にありましたね(そしてやはりChrisitianも話してみると優しい人でした)。


さて、アンコール前最後の「Flayed The Swine」を終えると、メンバー全員が一旦ステージから去りましたが、割りとすぐ戻ってきて、アンコールで演奏されたのは2曲。

どちらも2ndの曲であり、神曲「Phobophile」と2nd最後の曲「Orgiastic Disembowelment」だったわけですが、やっぱり「Phobophile」はとてつもない名曲ですね。あのSEからのベースイントロでブチ上がらない人はいないでしょう。

「Orgiastic Disembowelment」もアルバムの最後を飾る曲なだけあって、この日の最後を飾るに相応しい名曲。
通して1時間くらいのセットであっという間だったので、欲を言えば「Cold Hate, Warm Blood」や「Two-Pound Torch」も観たかったですが、今回のセットリストは充分過ぎるほど満足できました。


Cryptopsyはテクニカルであると同時にブルータルでもありますが、緩急の付け方が相当に長けているのと、Floのドラミングスタイルがスポーティな印象を受けるので、両日共に見て颯爽としたライブだという印象を改めて受けました。
速いパート(特にブラストパート)では一気に音が押し寄せてくるし、落とすパートも重苦しくないけれども殺気があるといった具合で、勿論名曲・名リフ揃いであるというのはありますが、とにかく観る側が常にアドレナリンが出てしまうようなライブで、これまで色々とデスメタルのライブは観てきましたが、理想的なライブでした。



終演後はしばらくDesolate Sphereの物販スペースにいましたが、この日は私が立っていた時も勿論のこと、私がいなかった時も、いつもよりCDやシャツが売れたようで、とても嬉しいです。物販に寄ってくださった方、買ってくれた方、大変ありがとうございました。

お客さんも大方いなくなった後、撤収準備に入ったわけですが、時間がまだあったので、Cryptopsyのメンバーと話すチャンスがありました(!)。
この時に上で貼ったセットリストの紙にサインを書いてもらったり、写真を一緒に撮ってもらったりしました。

Flo Mounierと筆者
Christian Donaldsonと筆者
Matt McGachyと筆者


ベースのDomと写真を撮りそびれてしまったのが残念ですが、サインはしっかり書いてもらえたので良しとしましょう。

各メンバーと軽く話しましたが、上でも書いた通りとてもフランクな方達で、今まで画像だったりライブ映像だったりCDのブックレットだったりでしか見たことのない面々とこんなに身近に、しかも前座まですることができて、嬉しい限りでした。


Desolate Sphereの他のメンバーもFloと写真を撮るチャンスがあり、ドラムのOmura君は終演直後にFloが上で観ていた我々に向けて投げたスティックをゲットするという見ていた筆者も嬉しくなる出来事があったのですが、スティックにサインも貰っていました。


そうこうしているうちにあっという間に撤収の時間で、関係者全員帰路につくべく1階に集まり、私含めしばらく挨拶等をしていました。
ちなみにこの時Subconscious Terrorの方々もFloと写真を撮っていたのですが、嬉しそうだったのが印象的でした。私もそうでしたが、やっぱりこういう機会って本当に次あるか分からないので、Cryptopsyのメンバーが近くにいる一瞬一瞬が最高の時間でしたね…。


我々は最後まで残っていましたが、Cryptopsy一行を見届けた後に、再度Yamaさん達に挨拶を終え、長いようであっという間だった1日が終わりました。



最後に、これまでも書いてきましたが、改めてこの度は私達をCryptopsyのサポートアクトにご起用いただいたことについて、この場をお借りしてEVPのYamaさんには感謝申し上げます。
本来自分にとって初の前座はScar Symmetryの予定でしたが、延期となってしまってすぐにこうした機会に恵まれて大変ありがたかったです。

若手デスメタルバンドとしては本当に快挙なのではないかと思いますが、今後も日本のメタルシーンを盛り立てていけるようにDesolate Sphere一同尽力していきたいです。

1人のファンとして、Cryptopsyには是非すぐに日本に戻ってきて欲しいところですが、また機会があったらサポートアクトを務めたいですね。


ここまでかなり長くなってしまいましたが、今後のDesolate Sphereの活動、及び筆者のnoteの記事を楽しみにしてください!

終わりに、今回個人的に購入できたCryptopsyのロンTと同じデザインのTシャツ(私が出演した日程も入っているので一生の宝物です)、いただいたセットリストとCryptopsyメンバー全員のサイン、バックステージパス、そしていただいたSubconscious TerrorのCDを貼って今回の記事を締めたいと思います。

それでは!

CryptopsyアジアツアーのロンT。新譜のジャケめちゃくちゃカッコいいですよね。
ロンTのバック。筆者が出演した日がプリントされていて最高です。半袖にもあります。
冬なのでまだ出していませんが半袖Tシャツも買いました。
サイン入りセットリストと、バックステージパス
HamasakiさんからいただいたSubconsious TerrorのCD

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