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Emperor来日に行きました 【ライブレポ】

この間のMegadethに引き続き、今度はノルウェーの闇の皇帝Emperorのライブに行きました!


Emperorはノルウェーを代表する伝説的なブラックメタルバンドであり、初期ノルウェイジャン・ブラックメタルシーンの中心的なバンドの1つです。

2001年に4thアルバムをリリースして解散していましたが、その後散発的に再結集、2014年に初来日してから今回で4回目の来日になります。


1991年にThou Shalt SufferIhsahn(当初はYgg名義)とSamoth(当初はSamot名義)らにより結成され、1992年デモ「Wrath Of The Tyrant」ではFirst Wave由来のプリミティヴなブラックメタルをプレイしていました。

1993年にリリースされたEP「Emperor」では1st収録曲もあるなどその後の片鱗を見せており、そしてその翌年1994年には名盤1st「In The Nightside Eclipse」をリリース(Necrolordによるアートワークも名作)。
トレモロリフ主体の曲に華美過ぎないシンフォニック要素があり暗黒の世界観を築いている作品です。


Mayhemと同様にこのバンドも当時のノルウェイジャン・ブラックメタルシーンの中で悪名高く、犯罪に一切手を染めなかったIhsahnを除いて、この時期にSamothもFaustTchortも逮捕されバンドは一時止まってしまいます(特にFaustは…)。


Samothだけバンドに戻り活動再開した彼らが1997年にリリースした2nd「Anthems To The Welkin At Dusk」では、1stから更にその世界観を発展させ孤高の境地へと至った大名盤となっています。

Faustの後任として入った名手Trymのドラミングは素晴らしく、本作は1stと同様に数々の代表曲が収録された名作となっており、複雑さと荘厳さの増した2ndの唯一無二の音世界に魅了された人は恐らく世界中に大勢いると思います(私もその1人でした)。


1999年3rd「IX Equilibrium」はデスメタル的な感触もある名作ですが、前作があまりに凄まじかったためか若干評価は控えめな印象。

彼らの最終作である2001年4th「Prometheus: Discipline Of Fire And Demise」はプログレッシブな面を押し出した名盤となっており、トレモロリフのみならずアルペジオがコードが複雑に絡み合う4thは2ndに勝るとも劣らないクオリティとなっています(分かりやすいキラーチューンが多い分個人的には2ndが一番好きです)。


私がEmperorを初めて聴いたのは高校1年の時(2012年)で、中3の時にOzzy Osbourneの1stに衝撃を受けメタルを聴き始めた私は、ネットで情報収集していたおかげか、1年でメロスピやスラッシュメタルのみならずデスメタルやブラックメタルも聴くようになっており、高校1年当時初めて買ったブラックメタルのCDがEmperorの名盤2ndでした。

Emperorに関しては高校の頃かなり好きで、早い段階でフルアルバム4枚を集めていました。その頃は今よりもブラックメタルを聴いていて、例えば先日ライブを観たMayhemや、Darkthrone, Satyricon, Burzumといった大御所のバンドが好きでしたが、その中でもEmperorは特に聴いていたように思います。


そんな中、2014年に初来日が発表された時は当然行きたいと思いましたが、当時高校3年で、受験生であるという理由で行くのを断念しました(行こうと思えば行けたはずですが)。
更にその後のLOUD PARK 2017と2019年単独もなんやかんやで行くことが出来ず(金欠とかですね)、今回がいわば「4度目の正直」的なライブ参戦となりました。


20代前半まで来日ライブに行くことは勿論あっても数多くは行けなかったなと今振り返ると思うんですが、コロナ禍を経て、今は観れるうちに観に行こうという価値観に以前よりも強く思うようになったと思います。

もう二度と観れないかもしれないですし、何より好きなバンドのライブは観ていて楽しいので、次来た時で良いやと思ってしまっても、余程の理由が無ければ行くことをおすすめしたいです(そうは言いつつ今回のArch Enemyは以前観たことあるのでパスしましたが…最近の来日ラッシュだとやむを得ず)。


さて、毎度ながら前置きが長くなりましたが、ライブレポのほうに移りたいと思います!



今回の会場となったEX THEATER ROPPONGIに行くのは初めてで、普段六本木に行くことが無いので駅から若干の行きづらさを感じたものの、着いてみると分かりやすかったです。

EX THEATER ROPPONGI入口。でかでかとEmperorの文字がスクリーンに書いていて最高でした。


この日は寒い上に風が強かったのですが、オープン前の2階のテラスのような場所で入場列にいた時がかなりキツかったです。
幸いなことに自分はチケット40番台だったので早く建物内に入れたのですが、あの寒さでそれ以上待つのは無理でしたね…。

ただ早くにチケットを取っていたおかげで、最前列を確保することができました!

開演前のステージ


この日は最後まで後ろから押されることもなくめちゃくちゃ快適にライブを観ることができたのですが、スタート直前まで後ろのほうに余裕ありそうでしたし、なんとなくそんな予感はしていました。Mayhemの時は会場の広さ的に人でごった返していましたが、EX THEATERならもしかするともう少し余裕あったかもしれません。


1時間弱ほど待っていると、定刻通りにスタート!(ちなみに、待機中はずっとGhostが流れていました。)



Setlist:
1. In The Wordless Chamber
2. Thus Spake The Nightspirit
3. The Loss And Curse Of Reverence
4. The Acclamation Of Bonds
5. With Strength I Burn
6. Curse You All Men!
7. Cosmic Keys To My Creations & Times
8. Towards The Pantheon
9. The Majesty Of The Nightsky
10. I Am The Black Wizards
11. Inno A Satana
~Encore~
12. Into The Infinity Of Thoughts
13. Ye Entrancemperium


遂に観ることができたEmperorのライブは、まさしく闇の皇帝を体現した圧倒的なクオリティでした。

そもそも曲が最強なのでハイクオリティになるのは必然なんですが、彼らのアピアランスや演奏の纏うオーラから感じられる威厳には筆舌尽くしがたいものがありました。

Emperor


まず印象的だったのはやはりIhsahnで、眼鏡にオールバックという出立ちでイメージ通りのインテリジェンスを感じますが、生で観るとそれに加えて意外とロック・スター的な雰囲気も感じました。

というのも、自分はサポート・ベースのSecthdamonの側にいたのですが、Ihsahnは結構な頻度でこちら側に演奏して来て、クールな振る舞いの中に熱いハートのようなものをそこから感じたからです。

それだけでなく人の良さもMC等から感じることができました。
インテリであり、内に秘めた熱さがあり、更には優しさも感じられるという、Ihsahnという人の多様な一面を垣間見れたひと時だったと思います。

暗くて写真だと分かりづらいかもしれませんが、こうして時折こちら側に来てくれました。


次に注目したのはやはりドラムのTrymでしょうか。
名盤2nd以降のアルバムで聴ける彼のドラミングは凄まじいですが、勿論ライブでもそのテクニックを遺憾なく発揮していたと思います。

これまで様々なエクストリーム・ドラマーをライブで観てきましたが、Trymのブラストビートは指折りの爽快さでしたね。生で観ると否応なくブチ上がってしまいました。


もう1人のギタリストSamothのことも書きたかったのですが、上述の通り上手側の最前列にいたためあまり見えず、さらに残念ながら彼は終演後まで一度もこちら側に来ることが無かったのでほぼ書けそうなことがなく…終わりのほうでピックを結構投げていたのはなんとなく意外でした。

目の前にいたサポートベーシストのSechtdamonは黙々と弾きつつコーラスも行うといった感じでした。
もう1人のサポートメンバーであるキーボード兼コーラスのJørgen Munkebyはなかなかエネルギッシュそうでしたが、Samothと同様に反対側にいたためほぼ見えず…しかしながら終演後に観客と交流していて気さくそうな人でした。


セットリストに関してはベスト的な選曲で、文句無しだったと思います。
3rdと4thからは1曲ずつだったので、欲を言えば特に4thの曲をもう少し聴きたかったところですが…。


開幕SEが流れた後、4th収録曲In The Wordless Chamberから始まったわけですが、上でも書いたように初っ端から圧倒されました。

その後もThus Spake The Nightspirit, The Loss And Curse Of Reverence, Curse You All Men!を始めとした彼らの名曲が終始目白押しで、それらがまるで音源かのようなクオリティで次々と繰り出されるわけですからこちらもずっとブチ上がっていました。


終盤に差し掛かり、1st屈指の名曲I Am The Black Wizardsが始まりこちらのテンションも更にブーストされてしまったわけですが、途中Ihsahnのギターの調子が悪くなるという場面が。

長丁場となるとそういうトラブルが発生することが考えられますが、自分のバンドのライブで私自身にそういった問題が発生した場合、ローディがいなくとも冷静に対処できるか試されるなと感じました。こればかりは場数を踏むしかなさそうですが…。


アンコール前の1曲はこれまた1stの名曲Inno A Satanaで、最後のパートはもはや神々しさすら感じました。


アンコール1曲目は1stの1曲目Into The Infinity Of Thoughtsで、出だしの吹雪のようなリフからやはり拳を上げてしまいましたし、更にラストとなる2nd収録曲の大名曲Ye Entrancemperiumはもう最後の最後までテンション上がりっぱなしで最高でしたね。

Ye Entrancemperiumを高校1年の時に初めて聴いた時は衝撃的だったのを今でも覚えていますし、そんな曲をようやく生で観れて本当に感激でした。


というか、最近MayhemといいMegadethといい特に高校生の頃好きだったなというバンドのライブを観て思うのは、10年前のあの頃聴いていた音楽というのは今になっても特別なんだなということ。

もちろん20代に入って出会ったバンドや最近知ったバンドも良いんですが、これまた違った心情があるなと…それって自分だけでしょうか?


とはいえ、また10年後に今聴いていた音楽、あるいはライブを観たバンドに対してそういった感情を抱くことにはなりそうなので、やはり現在進行形で色んなバンドに触れることが大切だなと思います。


話は逸れましたが、アンコール2曲が終わった後はステージ上から集合写真を撮ったりして終了。
もっと観たいなとも思いましたが、個人的には大満足のライブでした。ひょっとすると今年ベストライブになるかもしれません。

また戻ってくるとIhsahnも言っていましたし、きっと5度目の来日も実現するとは思いますが、その時も必ず観に行きたいですね。



次回のライブ参戦は月末のLOUD PARK 2023になりますが、その後はVader来日に行きたいなと思っています(Night Demonも気になりますが状況次第ですね…)。11月の浅草デスフェストも行こうと思っています。

4月以降の来日情報は最近なんだか落ち着いた感がありますが、またどんどん海外バンドの来日があると良いですね(特にデスメタル系)。


それではまた!



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