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Mayhem来日に行きました【ライブレポ】

2023/1/31(火)@渋谷CLUB QUATTRO

ブラックメタルの生ける伝説Mayhemの来日公演に行きました!


Mayhemといえばブラックメタルを語る上で欠かすことができない非常に重要なバンドであり、尚且つこのバンドに纏わる事件は悪名高いわけですが…その事件についてはブラックメタルを知っている方は全員ご存知だと思うのでここでは割愛させていただきます。

個人的にMayhemは名盤1st『De Mysteriis Dom Sathanas』を高校生の時によく聴いていたこともあっていつか観たいバンドではあったのですが、2017年に行われた1st完全再現ライブには行かなかったのでライブを観るのは今回が初めて。

最近の…というか2nd以降の彼らのアルバムはほとんど追っていないので(Esoteric Warfareを持っている程度)、今回のセットリストの前半に関しては予習無しの状態で臨んだということはご了承ください。



さて、今回の会場である渋谷CLUB QUATTROですが行くのは2019年のBlack Earth以来でした。

今回個人的な事情でギリギリまで行けるかどうか分からなかったので当日券で臨んだのですが、整理番号が700番以降もあったので、この日かなり盛況だったことが伺えるかと思います。

横にさりげなく3月のEmperorのフライヤーが貼ってあったので思わず撮影。Emperorも観に行くので楽しみです。


スタート前の時点でかなりの人入りで、フロアも後方も混雑していました。
最終的にはこの時よりも人がいましたね。
クアトロのキャパが700~800人ということを考えると、整理番号の数字通りの人がいたと思われます。

しばらく待っているとこの日唯一のオープニングアクトだったBegräbnisがスタート!



Begräbnis

Begräbnisは日本のフューネラルドゥームメタルバンド。
今回の来日発表で初めて知ったバンドなんですが、系統としてはWorshipのようなひたすら鬱々としたフューネラルドゥーム。

Mayhem来日が発表された時は「Mayhemのサポートでフューネラルドゥーム…?」と思いましたが、結果的に彼らの呪術的なステージは上手く嵌っていたのではないかと感じました。

フューネラルドゥームなだけあってテンポ的には遅く進行するのですが、重苦しい世界観と鳴り響く重低音によって圧倒された方も多いのではないでしょうか。


ちなみに、このバンドのボーカルは日本のブルータルデスメタルバンド猿轡の方で、実は2017年のDevourment来日の時に観たことがあったのですが、その時と同様強力なボーカルを披露していました。

ギターは仙台のデスメタルバンドTasteの方のようで、こちらも2017年のDefeated Sanity来日時に観たことがあるという個人的に不思議な繋がりを見出せるメンバー構成でした。


Begräbnisが終わって30分程して、Mayhemの演奏が始まりました。


Mayhem

Setlist (Setlist.fmより引用):
~Act I~
1. Falsified And Hated
2. To Daimonion
3. Malum
4. Bad Blood
5. My Death
6. Symbols Of Bloodswords
7. Voces Ab Alta
~Act II~
8. Freezing Moon
9. Pagan Fears
10. Life Eternal
11. Buried By Time And Dust
~Act III~
(Silvester Anfang)
12. Deathcrush
13. Chainsaw Gutsfuck
14. Carnage
15. Pure Fucking Armageddon
(Nuns Have No Fun (Mercyful Fate))


というわけで初めて観るMayhemだったわけですが、やはりまず目を引いたのはボーカルのAttila Csiharでしょうか。
De Mysteriis Dom Sathanasでボーカルを務めていた当人であり、その特異的なボーカルスタイルは健在でした。骨や縄といった小道具を持っていたのも印象的でしたね。


さらにこの日圧倒的だったのはやはり名手であるドラマーHellhammerで、Attila同様1stアルバムに参加していたレジェンド。

当然ながら安定感は抜群で、一糸乱れぬブラストビートは爽快感すら感じました。
惜しむらくは私がいた位置(フロア後方)からは全然彼が見えなかったことで、合間に戻ってきた彼を僅かに目視できたくらいでした。

竿隊はというと、まず印象的だったのはTeloch (Gt.)がコープスペイントを施していたのに対して、Necrobutcher (Ba.)とGhul (Gt.)は何も施していなかったことでしょうか。ブラックメタルだからといって必ずしもコープスペイントする必要は無いと思いますし、各々の自由ってことなんでしょうね。
パフォーマンス的にはそれぞれ激しく動くということもなく、たまに立ち位置を移動していたくらいでしょうか。演奏は安定しており、落ち着いたプレイスタイルは往年の余裕が感じられました。

セットリストは上記の通り三部構成となっており、まず第一部は1, 3, 4曲目が2019年6th『Daemon』、2曲目が2000年2nd『Grand Declaration Of War』、5曲目が2004年3rd『Chimera』、6曲目が1997年EP『Wolf's Lair Abyss』、7曲目が2021年EP『Atavistic Black Disorder / Kommando』からという、彼らのディスコグラフィから満遍なく選んだといった趣きの選曲。目下最新フルアルバムであるDaemonの曲が気持ち多めですね。
正直もう少し予習というか彼らのアルバムを買っても良かったなと思いました(最近のツアーは選曲を変えていないのもあって事前に予測できましたし)。

第二部では衣装が変わって(あと両サイドの垂れ幕も)、1stから4曲というセットリスト。全員フードを被っておりアピアランスは三部の中で最も儀式的だったと思います。
熱心なMayhemファンの方々からは最初からだろ!と怒られると思いますが、Freezing Moonが始まった途端それまでより素直にテンションが上がりました。やはりあのイントロの寒々しさは天才的です。


個人的にはDe Mysteriis Dom Sathanas(曲)やFuneral Fogも観たかったですが、2017年の1st完全再現に行くべきでしたね…。
コロナ禍以前は自身の財布事情を優先して観に行かなったライブが結構多かったんですが、今は今のうちに観ておこうという気持ちが強いです。これからどんどん色々な事情で観れなくなるバンドが増えるでしょうし…。


話が逸れましたが、ラストの第三部では改めて衣装が変わり(垂れ幕も)、今度はCarnage以外は1987年EP『Deathcrush』からの選曲。
Deathcrushの収録曲はLive In Leipzigを持っているので知っていたのですが、EP自体は今回の来日に合わせて買いました。

曲調的に1stやそれ以降の曲よりも荒々しさがあって、最後まで勢いが衰えることなく駆け抜けたという印象でした(流石に原曲よりだいぶカッチリとしていましたけど)。

アンコールは無く、最後にMercyful Fateの曲を流して終了。よくあるステージから観客と写真を撮るというのも無くて、本当にあっさりと終わりました。

総合的には、やはり1stの曲をライブで観れたのと、特にAttilaとHellhammerの歌唱及び演奏が素晴らしかったのとで、とても満足できたライブでした。
フロア後方だったのでほとんど押し合いにもならず(この日モッシュは少しだけ発生していましたが)、快適に観れたのも良かったですね。ともかく観に行くことが出来て本当に良かったです。



さて、2023年始まって早々にレジェンドを目撃したわけですが、3月にはEmperorLOUD  PARKが控えていますし、恐らくMegadethも観に行くのでめちゃくちゃ楽しみです(Arch Enemyは悩み中)。

個人的にはもっとデスメタルバンドを呼んで欲しいなと思うのですが、まぁそのうち前みたいに来るようになるでしょう。
特にDismemberMorbid Angelが観たいですね。

とはいえ最近のペースで大御所バンドの来日が続くと息をつく間も無さそうなので(ありがたいことですが)、とりあえず4月以降は様子見でしょうか。個人的には4月末のNight Demon来日が気になっています。

来日ラッシュの様相を呈していますが、夏以降も色々なバンドが来日して欲しいなと思います。

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