「人生の長さは変えられないけど、人生の幅は変えられる」って、どういうこと?
人生の長さは変えられないけど、
人生の幅は変えられる。
ミライロの垣内俊哉さんの言葉。
聞くたびにしびれる。
学び続けることによって、絶えず自分を成長させていく
「最新学習歴」
にもつながる。
高校や大学やを卒業して終わりじゃないよ、
ずっと学んでいかなきゃ。
だから、「学歴」じゃなくて「最新学習歴」と考えましょう、と。
垣内さんは生まれつき骨が弱く、
自分の足で歩くことも立つこともできない。
ずっと車イスでの生活をしている。
大学生のときに、アルバイトをした。
採用されて配属されたのは、営業部だった。
てっきりパソコンでの仕事かと思っていたら、
外回りして仕事取ってこい!
だった。
車イスだから、路面店で入り口に段差がなく、
社内や店内を車イスでも移動できるところしか訪問できない。
それでも顧客を探し続け、通い続け、
仕事をとって来続け、
営業成績はトップを続けた。
社長からはこういわれ続けていた。
「車イスであることに胸を張れ。
障害があることに誇りを持て」
そのまま大学生で、ミライロを起業した。
経営が苦しいときもあったが、
自分や同じく障害を持つ社員たちのバリアをバリューにして、
世の中にバリアフリーを広める一躍を担えるようになった。
いま、都市部の交通機関は、
ほぼ100%近くバリアフリー化されている。
障害がある人でも、外出するハードルは下がった。
でも、
「外出できることと、
外出したくなることは別」
である。
なぜ障害者が、外出したくならないのか。
外出したくても外出できないとき、どんな心理状態になるか。
新コロになって、よくわかった。
外出したくなくても外出しなけらばならないときの怖さもわかった。
環境が、恐怖をつくっている。
環境が、障害をつくっている。
障害を持っているから外出ができないのではなく、
外に出れば障害に無関心の人たちがたくさんいて、
外に出れば障害がある自分を避けたがっている人たちがたくさんいて、
もしなんかあったら、って考えたら、
怖くて外出できない。
自分の存在を無視されて、避けられて、
それに耐えられるのか。
困っている障害者がいたら、
そばにいって「こんにちは」でいいんだそうだ。
「お手伝いしましょうか?」でも「なにがお困りですか?」でもなく、
「こんにちは」って声をかければ、
コミュニケーションが始まって、
そのけっか、駅までいっしょに歩いたりしなくても、
目的地までついていかなくても、
自分ができる範囲のことでいいんだそうだ。
たとえば、横断歩道をいっしょに渡ってあげるだけ、
点字ブロックがあるところまでいっしょに歩いてあげるだけ。
それが、ユニバーサルマナーで、
ユニバーサルマナーを知っていれば、
自分のバリューが上がる。
しかも、かなり上がる。
理由はカンタン。
その人の役に立ったから。
その人のそのときの障害をなくしたから。
人生の長さは変えられないけど、
人生の幅は変えられる。
art & photo by suiran