自分の強みを見つけて活かす方法
どん底の個人商店が奇跡のV字回復する
墓石屋の話。
墓石をつくったときにでる端材は、
産業廃棄物として捨てていたが、
捨てるにもお金がかかる、なんとかしたい。
お皿をつくってみた。
ひとつ3,000円。
店頭でもネットでも、まったく売れなかった。
墓石屋さんは、相談所に相談しに行った。
相談員は、墓石屋さんからいろいろ話を聞いて、
じっと考えて、またいろいろ話を聞いて、
またじっと考えて、ひらめいた。
その墓石屋さんの強みを発見した。
その手があったか
お皿をつくることは同じ。
だけど、ひとつ30,000円に値付けした。
10倍。
だけど、こんな売り込みコピーを付けた。
「最高級の御影石、職人が手仕事で仕上げた最高の飾り皿」
飾り皿とは、フランス料理などで使う、最初の皿。
席についたときにすでにテーブルの上に乗っていて、
料理が運ばれてくる前に下げられる。
サービスプレート、プレゼンテーションプレートと呼ばれる。
墓石屋さんは、とってもステキな飾り皿をつくった。
だけど、どこで売ればいいのか?
3,000円でも売れなかったのに、30,000円で売れるのか?
相談員は、こういった。
「ミシュランの本がある。店の名前と所番地が書いてある。
片っ端からDMを送りましょう」
1軒売れた。2軒売れた。
どこそこのミシュラン星付きの店が使っている、
というコピーも加えて、またDMした、ネットに出した。
飛ぶように売れるようになった。
3,000円の皿も30,000円の皿も、
おなじ素材で同じ職人がつくっている。
強みを見つけ出す方法
相談員はOka-Bizの前センター長の秋元祥治さん。
街の工場、お店の強みを発見する天才で、
これまで9年間で3400社、22000件の相談を受け、
次々にそれぞれのどん底から抜け出させ、
2500回メディアに取り上げられた。
強みを見つけ出す方法は、
①見方を変える
②じっと観察する
③タグ付けする=要素分解する
①見方を変える:墓石屋さんを「職人」
②じっと観察する:フランス料理には「飾り皿」があって、あれが非日常性、高級感を引き立たせる
③要素分解する:墓石の端材を「御影石」「最高級の石材」「だから高価で当たり前」
「墓石の端材だから、こんなもんしかつくれない」
という思考停止に陥らない。
「こんなもん」で思考を止めない。
見方を変え、分解し、普段から得ている情報と結びつける。
そのために常にじーっと観察をし、雑多で多様な情報をインプットしておく。
大隈塾の仲間たち
昨日、大隈塾の「復刻」授業があった。
大隈塾コミュニティのスタッフが企画して、
コミュニティのメンバー、その友人たちが集まって、
久しぶりに大隈塾をやった。
卒業生たち、現役の学生たちもいた。
秋元祥治さんは、いつも秋学期の最初のゲスト講師をお願いしていた。
話術が巧みで話がおもしろく、
それでいて自分の強みを発見することができる。
最高のスターターとして、毎年登壇していただいていた。
今回も、最高だった。