改行に迷う日々

 結論から言うと、改行は原稿用紙の書き方に準拠すべきである。

 読みやすく改行することが、別の環境ではかえって読みづらくなると感じる機会が多くなってきた。文章は内容に特化すべきで、改行など形式的な要素は減らすべきだ、と意識することが増えた。

 Webページやソフトウェアといった外枠は、端末に応じて柔軟に対応できるようになっている。一方で、内容は外枠に沿って表示されるだけで、それ自体が端末に応じて対応しているわけではない。このとき、内容である文章には改行なしで表現できることが求められるだろう。なぜなら、改行は書き手の意図しないところで発生するからだ。

 書き手の意図しない改行の発生は、書き手の意図とは違う解釈を生む可能性がある。その顕著な例が、文章に表のような要素を含めていたときだろう。文章の表示幅が表の想定する表示幅より狭かった場合、内容の理解は困難だろう。

 意図しない改行による問題を解決するためには、外枠に頼るか改行なしの文章で読めるようにするかの2択しかない。ただ、外枠に頼ることができる機会はそう多くないと感じている。見やすさを犠牲にしてでも、改行がどこに入っても耐えうる改行なしの文章のほうが、内容を伝えるという役割を様々な場所で果たせると考えている。

(筆者:2tx)
(Twitter:@2txjp)

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