集団失踪、アカシックレコード、∴/∴[yueni]第7話・超常現象ガイド
謎のオカルトアイドル「∴」の活動には、超常現象にまつわるキーワードが隠されている。
ここでは、ムー的な用語になじみのない方々のために、「∴」内の用語を簡単に解説していく。
集団失踪
「え、何この記事。『すさみ町で集団失踪…子供100人を含む500人超行方不明か。白昼、自宅から職場から。呆然とする市民』……。こわ…すさみ町ってたしか隣の…集団失踪…? これ大変じゃん!」
町中の子供たちが笛吹男に導かれ、集団で失踪してしまう……といえば、ドイツの民話『ハーメルンの笛吹男』を思い出すだろう。カラフルな服をまとっていることから”ブンティング”と呼ばれる笛吹男は、童話の中だけでなく、実際に出現したことがある。
1981年、アメリカの各地(ボストン、カンザス、デンバー、オマハ、アーリントンハイツ)に謎の道化師がワゴン車で出現し、小学生の誘拐未遂事件を繰り返した。追跡されても車ごと姿をくらませたという。また関連は不明だが2008年にはシカゴでも道化師姿の怪人による誘拐未遂事件が発生している。
いずこから現れて消える道化師にしても、作中でのUFOや単眼の怪人にしても、異界との接点を担う存在に違いはなく、辻神の類いといえる。
参考:ムー的都市伝説
アカシックレコード
「アカシックレコード暦・五万三千八十年プラス100日1時間目。オカルトアーカイブ、継続中」
この宇宙の始まりから現在ーーひいては未来(終末)までが記録されているという、概念。ブラヴァツキー主導の神智学によって広く知られるようになった。エドガー・ケイシーが催眠状態でアクセスした潜在意識や、ユングが提唱した集合無意識とも融合した概念として現在に至る。
あくまでも概念ではあるが、仮にビッグバンを起点とした宇宙の情報が広がりつづけているとすれば、宇宙の果て、またはブラックホールの周縁にある何かが、アカシックレコードというものに通じる…かもしれない。
「∴」メンバーはアイドル(偶像)であり、キャラクター(情報)でもある。「∴」の物語では、全体を観察し、記録する存在(アカシックレコード)が見え隠れするが、このテキストを記述する側から見れば、その記録者すらも被創造物であるという事実は揺るがない。
参考:ミステリー入門
∴
「『∴』が起こす何かに期待しているなんて、ありうるのかな」
「∴」は「ゆえに」と読む通り、数学では結論に誘導する記号である。「謎と不思議を取り戻せ!」をテーマに掲げる、つまり「謎を欲しがっている」グループの名称が「なんらかの結論を出す」記号とは面白い。世界には謎があり、それら仮説によって構造となる、ということだろう。
この「∴」はまた秘密結社や秘教団体で名称の略記にも使われた。真の名を伏せ、言霊を圧縮する意図を思わせるが、「∴」には続く言葉はない。この場合の3つの点が包括するのものは、無か、全か?
「∴」活動の最新情報はTwitter、YouTube、TikTokにて。
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