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メタ都市伝説「鮫島事件」の誕生と増幅/吉田悠軌・オカルト探偵

伝説、怪談、怪奇事件……この世のあらゆる謎に迫る「オカルト探偵」が新装開店。リニューアル第1回は、伝説のネットロアとして語り継がれる「鮫島事件」の真相を追う。2020年の世界状況にもシンクロする、ネットが生んだ「語ってはならない話」とは?

文=吉田悠軌 #オカルト探偵

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吉田悠軌(よしだゆうき)/怪談サークル「とうもろこしの会」会長、『怪処』編集長。今回の近況写真は「鮫島事件」を追うスタイルにて。

ゼロ年代ネット伝説「鮫島事件」とは

 ここ最近、日本のホラー映画界がまた活気づいてきたようだ。『リング』でJホラーを日本中に知らしめた中田秀夫監督だが、近年はJホラー表現とも一線を画す「恐ポップ」を提唱。『事故物件 恐い間取り』、TVドラマ『恐怖新聞』ともに2020年の大きな話題となった。
『呪怨』にてJホラー表現の新境地を拓いた清水崇監督は『犬鳴村』(2019年)の大ヒットに続き、『樹海村』(2021年)の公開も控えている。両作とも一般的には「都市伝説の映画化」とのみ言及されるが、より厳密にいえば「2000年代の2ちゃんねるの噂」をネタ元にしている。

 この流れに位置しているのが、現在公開中の映画『真・鮫島事件』だ。といっても永江二朗監督は『2ちゃんねるの呪い 劇場版』(2010年)にて、すでに「2000年代の2ちゃんねるの噂」をミックスした映画を制作している。その中から特に「鮫島事件」をピックアップしたのが今回の作品というわけだ。

決定稿_ポスター真・鮫島事件

Jホラーの新たな担い手、永江二朗監督が手がける映画「真•鮫島事件」。「鮫島事件」を原案に、オンラインやリモートといった最新のギミックも盛り込まれた令和パニック・ホラーだ。(監督・脚本:永江二朗、出演:武田玲奈ほか、製作「真・鮫島事件」製作委員会、全国公開中/©2020「真・鮫島事件」製作委員会)

 では「鮫島事件」とはなんだったかを、私なりの考察とともに紹介しよう。

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