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UFO最高機密記録・ウィルソン文書を追う! 米国防情報局DIA長官の機密メモと”メタマテリアル”の謎/南山宏

2020年4月、米国防総省によって衝撃的なUFO映像が公開された。次に待ち望まれるのは、当然、UFOの存在を確たるものとする物的証拠だろう。
すでにそれは存在する。
UFOの物証についての秘密メモ=ウィルソン文書である。
はたして、その文書には、何が記されているというのだろうか?

文=南山 宏

トランプ大統領が絶句! 公開されたUFO映像

「こりゃ驚いた。こいつは本物なのか? だとしたらとんでもない映像じゃないか!」
 アメリカ合衆国最強の行政府・国防総省(ペンタゴン)が、今年(2020年)4月27日火曜日午後5時59分(米東部夏時間)、これまで極秘扱いにしてきた米海軍撮影による複数の“UFO映像”を機密解除して、インターネット上に公開したとき、ドナルド・ジョン・トランプ大統領は驚きのあまり絶句した。アイゼンハワー、ケネディ、ニクソン、カーター、レーガン、クリントン、オバマと歴代の米大統領たちはみな、UFO現象については肯定否定いずれにせよはっきりとは明言せず、マスメディアの記者たちの前では言を左右にして、確言を避ける慎重な姿勢を崩さないのがこれまでの通例だった。

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(上下)UFO映像A。ジェット戦闘機のパイロットが、2014年3月に撮影したとされる。

 だが、トランプ大統領は日ごろからあけっ広げに「自分は根っからの現実主義者だ。UFOなどという荒唐無稽な代物はとても信じるわけにはいかない」と公言していただけに、受けたショックはなおさら大きかったにちがいない。

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アメリカのトランプ大統領は、UFO否定論者といわれる。

 しかも問題のUFO映像の発表者が、こともあろうに政府のいわばお膝元、ワシントンDCの国防総省という文字どおり超大国アメリカの陸海空軍・海兵隊、沿岸警備隊から宇宙軍までを統括する巨大行政機関だったから、大統領が受けたショックの度合いは、さらに輪をかけて大きかったことだろう。

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(上下)UFO映像B。やはり戦闘機から、雲海上で2013年11月に撮影したといわれる映像。

 事実、トランプは大統領選挙戦に勝利して2017年1月に第45代アメリカ合衆国大統領の座に正式に就くはるか以前から、「UFOなどというガセネタを信じるのは、歴代の先輩大統領たちも含めて頭のイカれた連中だけだ」と周囲の取り巻きに公然といい放っていたことが、大統領周辺の情報筋からも明らかにされている。
 また同時にその反面、このだれひとり予期していなかった“米国防総省によるリアルなUFO映像の突然の機密解除とマスメディアへの公開”というショッキングな政治的軍事ニュースが、日本を含めて世界中のUFO肯定論者やUFO研究者、UFOファンたちから注目を浴び、また文字どおり諸手を挙げて歓迎されたのも、当然といえば当然だろう。

 それにしても第2次世界大戦終結後75年も過ぎた2020年という今この時点になって、アメリカの軍当局はいったいなぜ、これまで忠実に守ってきたUFO否定政策を180度転換して、UFOの実在をはっきり認める情報公開に踏み切ったのだろうか。

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(上下)UFO映像C。海上すれすれを飛行し、超高速で飛び去った。2013年6月に撮影されたというもの。

米海軍が遭遇した正体不明の”UAS”

 今回、米国防総省が機密区分を解除して世界に公開した、問題の“ペンタゴンUFO映像”は、ここでは便宜的に仮分類して、A・B・C3通りのUFO映像と呼ぶことにしよう。
 いずれもモノクロのビデオ映像で、それぞれ微妙に異なる形状の小型サイズの白い発光体が、アメリカ東南部ヴァージニア州の大西洋沿岸一帯の上空、それぞれ晴天の日中の高空と雲海上と白波の立つ海上を、いずれも高速度飛行している姿が映っている。
 機密解除された合計で長さ2分強のこの動画中のUFOは、何らかの知的
意志に制御されて飛ぶ小型飛行物体に見えるので、報告文書中では“無人空中装置(アンマンド・エアリアル・システムズ)”または頭字語の略称でUAS(Unmanned Aerial Systems)と呼ばれている。ちなみに国防総省用語でのUASは、リモートコントロール式で飛ばすドローンを意味する。
 いずれの映像も、米海軍の空母USSニミッツないしUSSセオドア・ルーズベルトを発艦した戦闘攻撃機のパイロットたちが、訓練飛行中にたまたまUFOに近接遭遇して、機上に搭載された赤外線カメラで撮影したものという(なお、撮影日時に関しては新聞・雑誌・テレビ・インターネットなど、報道メディアによってかなりバラツキか見られるため、ここではグローバル規模を誇るCNN=ケーブル・ニューズ・ネットワークの報道に準拠するものとした)。

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空母USSセオドア・ルーズベルト。

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空母USSニミッツ。

 まずUFO映像Aは、2014年3月26日、高空を飛行していた米海軍のボーイングFA18ジェット戦闘攻撃機、愛称スーパーホーネットから撮影された。

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米海軍の主力機FA18スーパーホーネットが、UFOを赤外線撮影した。

 同機のパイロットは証言する。
「視認できたかぎりでは円盤型だった。サイズは小さく、せいぜいスーツケースぐらい。全体がシルバー色に輝いていた。25メートルぐらいの距離まで接近したが、正体は確認できなかった」

 UFO映像Bは、2013年11月10日、雲海の上を飛んでいたやはり米海軍のFA18機が発見し、パイロットが発進基地の司令塔に報告した。
「小さな円盤物体が見える。回転しているようで、中央に突起がある。目測では直径が5フィート(1.5メートル)ぐらいだ」

 UFO映像Cは、2013年6月27日に撮影された映像で、これまた撮影したのは米海軍のスーパーホーネットだった。
「全体に白く光っていて、海上すれすれに飛んでいた。サイズと形状はドローンかミサイルのようだった。超高速であっというまに飛び去った」

 しかし、いずれの報告でもUFOはUASすなわちドローンとは推定されたものの、いったいどこのだれが陰で操作しているのかについては、海軍当局はけっきょく突き止められなかったのか、終始なんの言及もないままだった。もちろん、エイリアンとか異星人とか地球外知性の可能性などは匂わせさえしなかった。

日付と機密解除から見えてくる公開の理由

 海軍パイロットに目撃された正体不明の怪ドローンたちが高速飛行していたのは、いずれもヴァージニア州東部沿岸一帯の空域。この怪現象に直接関係があるかどうかは不明だが、同州のラングレーには、大統領直属の情報機関CIAすなわち中央情報局の本部ビルが建っている。
 またヴァージニア州東部沿岸空域は、沖合も含めて米海軍専用の飛行制限空域でもあり、そこに正体不明のドローンがたびたび侵入するのは、同空域で演習を行なう海軍機の安全性と警備態勢に重大な危険を及ぼす恐れがある。同空域における海軍パイロットたちのこの度重なるUFO目撃が報告されたあと、海軍当局者は多数の軍関係と民間双方のUAS所有者に問い合わせたが、該当しそうな所有者は見当たらなかった。

 報告者のひとりはこう警告する。
「FA18に限らず当空域を訓練飛行するわが軍の戦闘機が、いずれ正体不明のUASと空中衝突を起こすのは、時間の問題かもしれない。いろいろな意味で無人のドローンは、有人の航空機より飛行中のリスクが大きい。ドローンは小さいのでしばしばレーダー上でも見落とされたり、はっきり視覚化されないことがあるからだ」
 さらに別の報告者も指摘する。
「可能性はほかにもある。ドローンやUASを陰で操っているのが、実は政治的・軍事的に対立が深まる仮想敵国、ロシアや中国や北朝鮮である可能性だ。ひょっとして連中はUASを使って、わが軍の内部事情や作戦情報を密かに探っているのかもしれない!」

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UFO映像を公開した、国防総省の本部。通称ペンタゴンと呼ばれる。

 実はそれに関連があるかもしれないので、ここで蛇足を承知で読者諸氏にお断りしておきたいことがある。
 本件の関連データを渉猟・収集するうちにわかってきたのだが、本質的にアメリカの軍事機密に関わる問題であるせいか、完全に同じ情報内容でありながら、内外のテレビや新聞雑誌、インターネットのウェブサイトによっては、撮影の年度や月日がなぜか大きく異なったりするのだ。

 たとえば、まったく同じペンタゴンUFO映像でありながら、報道メディアによっては、撮影年度が2004年や2015年と記されている。これはひょっとすると無作為の単純ミスではなく、何者かによる意図的な情報攪乱が仕掛けられた結果、という可能性すら否めない。
 また問題の“ペンタゴンUFO映像”は、厳密にいえば国防総省による今年2020年4月末の公開が完全に最初の発表ではない。すでに2017年の時点で何者かがインターネット上に流出させており、少なくとも一部のネットユーザーは、“ペンタゴンUFO映像”の存在をとうの昔に知っていたのだ。
 流出させた張本人がだれなのかは今もって不明だが、本来は軍当局が機密扱いしていた極秘情報のはずのUFO映像が、いつのまにか部外にリークされていた事実に直面して、ペンタゴンはやむなく機密解除に踏み切らざるを得なくなったのかもしれない。

元国防総省UFO極秘計画責任者の持論

 さらにCNNワシントン支局の記者コンビ、ライアン・ブラウンとマイケル・コントによれば、同じ2017年、国防総省内に2007年から2012年まで存在した極秘計画“UFO空中遭遇記録調査プログラム”の計画主任者だったルイス・エリゾンドが、CNNのインタビューに次のように答えている。
「ペンタゴンの中にいたときは口が裂けてもいえなかったが、今は躊躇なく明言できる――われわれは宇宙で決して孤独ではない。なぜならそれを裏づける非常に説得力のある証拠があるからだ。ほかでもないUFOという超常現象がそれだ!」
 補足すれば、UFO肯定論者のネヴァダ州選出民主党上院議員ハリー・レイドの肝煎りで発足したこの極秘計画は、残念なことに資金不足に陥って発足わずか6年目で打ち切られてしまった(蛇足だが、後述するようにネヴァダ州には、知る人ぞ知る“エリア51”がある)。

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国防総省内の挫折したUFO極秘計画の責任者ルイス・エリゾンド。

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ネヴァダ州選出の民主党上院議員ハリー・レイド。

 エリゾンドはさらに持論をこう展開してみせる。
これらの“宇宙機”――あえて宇宙機と呼びたい――の存在を完全に立証する具体的な物的証拠は、わが国だけでなくわれわれの知るかぎり世界のどの国も、まだ入手できてはいないようだ。
 だが、UFO=宇宙機が見せるあの魔法のような空中静止、急発進、急加速、急角度ターン、ジグザグ飛行といった卓越した飛行性能は、プロペラ式やジェット式、ロケット式の推進装置では絶対に実現不可能だから、恐らくUFOを操る知的生物は重力を自由に制御できる重力場推進、電磁力推進など、地球文明ではまだ実用化されていない革新的な未来テクノロジーの持ち主にちがいない!」

 しかしながら、エリゾンドは知らなかったかもしれないが、後述するようにわれわれ地球人類は、実はもうその“具体的な物的証拠”なるものをすでに入手ずみなのかもしれない。

 あるベテランのUFO研究家によれば、少なくともそんな“UFOの証拠”の入手について記された秘密メモ「ウィルソン海軍大将(提督)文書」(以下、「ウィルソン文書」)が実在することは確かだからだ。

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上空から見たエリア51。

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エリア51のクローズアップ。ただし極秘施設の本体は地下にあるとされる。

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当然、施設内への立ち入りは禁止となっている。

ウィルソン文書と〝メタマテリアル〟

 研究歴35年の米ベテランUFO学者リチャード・ドーランが、昨年2019年半ばに発表した調査レポート『世紀のUFO情報漏洩(リーク)』によると、「ウィルソン文書」はアメリカの退役海軍軍人トーマス・レイ・ウィルソンが、長い現役時代に達成した数々の偉業の客観的な記録文書とされる。

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