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交通事故対策で妖精治安長官が起用された話など/南山宏のちょっと不思議な話

「ムー」誌上で最長の連載「ちょっと不思議な話」をウェブでもご紹介。今回は2021年8月号、第448回目の内容です。

運転犬

 米ワシントン州のハイウェイパトロール隊が、猛スピードで飛ばす速度違反車を長時間のカーチェイスの末、とうとう確保して、その運転者(?)を逮捕した。
「右に左にフラつきながら走っていて、とても変則的な運転だった……警察に通報した多数の目撃者は、みな口々にそう指摘した」
 警察の報道官は説明した。
「2台の車と衝突しながら停止もせず、時速175キロも出して突っ走っていた。それも道理で運転席に座っていたのは、人間ではなく闘犬のピットブルだった!」
 速度違反の容疑で現場逮捕されたのは、もちろんそのピットブル君ではなく、飼い主のジャック・ブラウン(仮名)で、そのバカげたいい分では、〝飼い犬に運転技術を教えていた(?)〟のだとか。

恐怖のベビー

 英スコットランドはエディンバラ大学の古生物学者グレッグ・ファンストン教授の研究チームは、誕生したばかりの赤ちゃん恐竜の化石を調べてびっくりした。
 本年1月28日付「デイリーテレグラフ」紙によれば、卵を割って出てきた直後のティラノサウルスの幼体に、すでに歯が生え揃っているのが発見されたのだ。ティラノサウルスの幼体は生まれたときから体長が1メートル前後はあり、このサイズで口に歯があれば、卵からはい出るや、すぐさま蛙や蛇やトカゲなどの小動物を襲って、餌にすることができる。
 同時代に生きていたほかの種の動物たちにとって、ティラノサウルスは従来想像されていた以上に恐ろしい肉食獣だったようだ。

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