ブラジルでノストラダムスの末裔という予言者が話題! その実像は?/宇佐和通・MU Paranormal Headline
20世紀末、世界中の子供たちを震えあがらせた恐怖の予言。
今月はあの大予言者にまつわる話題からこの一文!
YouTubeでも「パラノーマル・ヘッドライン」シリーズ公開中!
◉Text=Watsu USA ◉Art=Maco Ishihara
「ノストラダムスの末裔」がブラジルに?
「ノストラダムスの直系の子孫」なんていう肩書は、重すぎるにちがいない。でも、そのプレッシャーをあえて楽しむ人もいる。サイキック/超常現象研究家としてブラジルで知らない人がいないアトス・サロメ(Athos Salomé) は、1996年に亡くなったブルガリアの予言者ババ・ヴァンガと比較されることにも抵抗がないようだ。
サロメがノストラダムスの末裔であることは家系的に証明されてはいるわけではない。予言を四行詩に仕立てるスタイルを踏襲しているわけでもないし、トランス状態の中でノストラダムスの霊と触れあうこともない。ただ、歴史文献を徹底的に調べあげ、特定の出来事にカバラ=ユダヤ教神秘主義思想を当てはめながら発生のメカニズムを解き明かしていくという手法は、ブラジル国内では一定の評価を受けているようだ。
サロメは、具体的には頻発するテロリズムや世界経済における中国の台頭、ワクチンの無力化、ロボット技術の飛躍的な発展などについて予言している。どれも驚愕すべき正確さというレベルではないが、大外れはない。すべての予言の内容がFacebookをはじめとするSNSに文章で残されている。
子孫、師弟、霊的な後継者……
ヘッドラインについて見ていこう。
末裔という表現には、見出しの通りdirect descendant(直系の子孫)が一番多く使われるだろう。ちょっと意味合いを変えて師弟関係ならdisciple(of Nostradamus)とかapprentice、霊性を受け継ぐ者というニュアンスなら生まれ変わりという意味のthe incarnation (of Nostradamus)とかthe reincarnationといういい方がある。
ちなみに、チベット仏教の聖者であるダライ・ラマは"第〇世"という呼称なので、現ダライ・ラマの表記はThe 14th Dalai Lamaとなる。聖者つながりでもうひとり、2011年に亡くなったサティア・サイババの"サイババ"の部分はペルシア語とインド語を合わせたもので「聖なる父」を意味する。キリスト教のPope(法王)とかCardinal(カトリックの枢機卿)に近いだろうか。
ちなみに、アトス・サロメはごく最近美容整形手術を受けて新しいルックスになった。ブラジルにはかつてジュセリーノという超有名予言者がいたが、残念ながらメディアでの露出は減ってしまった。
予言者と呼ばれる人たちは、サブカルチャーというジャンルで消費財的に扱われてしまうことがある。しかし浮き沈みする彼らの表面を語るのではなく、本人すら気付いていないメッセージを真摯に受け止めるべきだろう。
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