全米を震撼させた猛獣UMAドッグマンを追う!/宇佐和通・ヒストリーチャンネル
◉「ザ・未確認スぺシャル 証拠はそこにある!」
文=宇佐和通 協力=ヒストリーチャンネル
ジャーナリストのトニー・ハリスがミステリー事件を再調査し、真偽を判定する「ザ・未確認スペシャル」を本誌視点で解説!今回はアメリカ・テネシー州で撮影された〝ドッグマン=犬男〟の実像に迫る。
直立する犬のようなUMA
30年以上のキャリアを誇る正統派ジャーナリスト、トニー・ハリスがホストを務めるヒストリーチャンネルの「THE PROOF IS OUT THERE:ザ・未確認スペシャル 証拠はそこにある!」。今回のテーマは、“UMA系都市伝説”のひとつ「ドッグマン=犬男」だ。
ドッグマンというのは、簡単に説明すれば犬の頭をしたヒト型UMAとい
うことになる。普段は四足歩行だが、しばしば直立歩行しているところを目
撃されてきた。目撃譚はアメリカ全土に広がっていて、南部の州で語り継が
れている伝説の人狼“ルーガルー”とも無関係ではないようだ。
番組では、テネシー州在住のソフトウェアエンジニア、スコット・カーペ
ンター氏がテネシー州東部の山間部で2011年3月に撮影した動画に対す
る検証が進められる。カーペンターはアマチュアのビッグフット研究家で、
さまざまな場所で現地調査を重ね、その過程で山中にカメラを設置して定
点観察を行っていた。
こうした映像のひとつに、奇妙な生物の姿が写っていたのだ。その部分を拡大し、フレームごとに確認していくと、犬に似た頭部が木の枝の間か
らのぞいているのがわかる。スロー再生すると、鼻の穴が呼吸のリズムに合わせて開閉する様子も確認できる。
ドッグマンは2010年代に入ってから目撃例が増加中で、車に轢かれた動物の死体を食べていた、すれ違いざまに鋭い爪で車を傷つけられたなど、
恐ろしげな体験エピソードがポッドキャストを賑わせた例もある。遭遇、被害報告を数えれば、都市伝説の類いではなく、リアルな猛獣UMAの姿が浮かび上がってくる。
1987年の「半犬人」伝説
そもそもドッグマンの“都市伝説”の源をたどると、ミシガン州に行き当
たる。1987年に“半犬人”にまつわる噂が生まれ、しばらくすると自然
消滅したが、2007年になって再燃した。この年、映像クリエイターのマイク・アグルーサ氏が撮影した「ゲイブル・フィルム」がインターネット上で話題になった。ビッグフットにおける「パターソン・ギムリン・フィルム」にたとえられるほど有名な動画として認識されるようになる。
「ゲイブル・フィルム」は、ホームビデオを思わせる映像に、四足歩行の奇妙な生物が写っているというものだ。怪物はカメラの存在に気づくと振り返り、その場で立ち上がる。そして再び四足歩行の姿勢で走り出し、カメラに向かってくる。むき出しになった鋭い牙がアップになる最後のカットが印象的だ。
ところが、映像が公開されたのち、アグルーサは自分で「ゲイブル・フィルム」が偽物であると公言したのだ。自分で着ぐるみに入り、ドッグマンを
演じたという。
ただ不思議なことに、その後もドッグマンの目撃例は増加しつづけた。そ
んな中で話題となったのが、スコット・カーペンターが撮影に成功した動画
だったというわけだ。
カーペンターの動画を見た人類学者キャシー・ストレイン氏は「本物のド
ッグマンにしては行動に疑問が残る」と語る。ドッグマンの目撃談に共通しているのは凶暴性だ。自分のテリトリーに入ってきたものには、躊躇なく激しい攻撃を加える。ストレイン博士は、カーペンター動画のドッグマンの動きが穏やかすぎると感じたようだ。
この映像については映像アナリストのマイケル・プリモ氏、UMAリサー
チャーのケン・ゲアハード氏らも番組内で検証を加えている。
国土が広いアメリカには、さまざまな種類のクリプティッド=未確認動物
が生息している。これから先も新種が発見される可能性は決して低くないはずだ。
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