北朝鮮が極秘裏に行う「スーパーソルジャー計画」/宇佐和通・ヒストリーチャンネル
文=宇佐和通 協力=ヒストリーチャンネル
ジャーナリストのトニー・ハリスがミステリー事件を再調査し、真偽を判定する「ザ・未確認スペシャル」を本誌視点で解説!
今回はまことしやかにささやかれる、北朝鮮の「スーパーソルジャー計画」の実像に迫る
映像に映り込んだ巨人兵士
事実と虚実の境界線を行き来しながら、さまざまな事象に関する可能性を見せてくれるジャーナリスト、トニー・ハリス。彼がホストを務める『THE PROOF IS OUT THERE: ザ・未確認スペシャル 証拠はそこにある!』の今回のテーマは、謎に包まれた独裁国家の最新秘密兵器だ。
情報インフラがここまで整った今の世の中にありながら、朝鮮民主主義人
民共和国(北朝鮮)ほど国内情勢がわからない国はない。この国に住む人々
がどのような日常を送っているのか、どのような営みが行われているのかは、わずかに伝えられるニュースを基に想像するしかない。
2011年12月17日、金正日前総書記が亡くなった。平壌で行われた3時間にわたる葬儀には、多くの国民が参加した。その様子を写したAP通信の画像を見て違和感を覚えた人たちがいたようだ。なんと、身長が2メートル
50センチもある兵士が写り込んでいたのだ。番組ひとり目のコメンテーターとして登場する生物学者フロイド・ヘイズ博士は、国民の栄養状態が決してよくない北朝鮮でこれだけ背の高い兵士が存在するとは信じ難いと語る。
北朝鮮政府がプロパガンダ目的で画像の改ざんを意図的に行うことはよく
知られている。しかし、この巨人ソルジャーはやりすぎだろう。画像解析の
専門家ミック・ウェストもその事実を指摘する。
「動画でも静止画でも、北朝鮮はこれでもかという誇張とプロパガンダ的なプレゼンテーションで有名です。私は、この手の写真を見ても別に驚きません」
ところがホストのハリスは、写真の兵士が実在するという方向に話の舵を
切る。ごく最近、アメリカ本土のほぼ全域をカバーする射程のICBM開発
に成功し、発射実験にも成功したという話も聞こえてきている北朝鮮。分野
こそ違うものの、遺伝子操作研究を深め、なんらかの方法でスーパーソルジャーを生み出す研究に成功したなら……。
アメリカのニュースサイトのエディター、エリン・マッカーシーは「“ス
ーパーソルジャー”創出計画に関する噂が絶えたことはありません」と語る。この計画は、全遺伝子情報から狙ったゲノムを選び出し、それに効率的な改変を加えることを目的とするゲノム編集テクノロジーと密接に関係している。
2020年に中国で世界初のゲノム編集ベビーが誕生したことは記憶に新しい。具体的なテクニックとしては2012年に発表された「クリスパー・キャスナイン」が有名で、2013年にハーバード大学/MITの共同研究において哺乳類に対して応用されている。細胞核に含まれるDNAを人工酵素「キャスナイン」で切断し、その部分の働きを失わせたり、まったく別の遺伝子情報を刷り込むことで遺伝子を改変したりするプロセスだ。ちなみに中国では、2012年の時点でこのテクノロジーを使って超人部隊を編成しているという噂が絶えなかった。創出される兵士は、後悔も痛みも、同情心も恐怖心も持たない生体兵器として機能する。
エリン・マッカーシーはこう続ける。
「中国の同盟国であり、結びつきが深い北朝鮮がこのテクノロジーを譲り受けていたとしても不思議はないでしょう」
ミック・ウェストも「画像を改ざんしたときに残る痕跡が認められない」
といったニュアンスで自らの分析結果を語る。ということは、北朝鮮軍には身長2メートル50センチの兵士が実際にいるということなのだろうか。そしてその数は、ひとりだけなのか。スーパーソルジャー部隊が存在するなら、何をしようとしているのか。最終的な結論は番組で確かめていただきたい。
いつもながらのフェアで冷静な態度で下される結論に驚く人も多いだろう。しかしそれもまた事実なのだ。
● ヒストリーチャンネル ● ザ・未確認スペシャル 証拠はそこにある!
世界中で記録されている超常現象を最先端技 術で徹底解析するシリーズ。スカパー!にてシ ーズン1と2が放送中のほか、シーズン1が Amazon Prime、Huluで配信中。
本作は5月19日(木) 21:00 放送予定。
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