「過ちを償えたのか」ーー悔いるあなたへ グランジュルノルマン人生相談/赤魔導士Bijou
日本唯一のグランジュルノルマン解説を手掛ける赤魔導士Bijou氏が、あなたの悩みに答えます。人生の場面で出会う困りごと、何度もぶちあがる悩みごと……ひとりで考え込まずに、カードが示す物語からヒントを読み取っていきましょう。
今回のお悩みは「人を殺めてしまった過去」についてです。大きな罪をテーマに、みなさんの抱いている「若さゆえの過ち」について考えていきます。
―― その悩み、もうカードに答えが書いてあるよ?
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文=赤魔導士Bijou #グランジュルノルマン
Q:人を殺めてしまった、過去について
Q:「人を殺めてしまったことがあります」(49歳男性)
若いころ、人を殺めてしまったのです。私の家族や仲間を傷つけられ、生活が脅かされるような気持ちがあり、つい、という、お恥ずかしいものです。そこまでやる気はなかった、事故だったんだ、と、当時は言い訳したのですが、そのとき、凶器を手に、被害者の方に対峙したことは、間違いなく私の意思です。
今は法律上の罪を償い、遺族の方にもご挨拶させていただき、なんとか、世間様で生かしてもらっています。
周囲とも縁を断ち、ひとりぼんやり、その日暮らしをしています。
この歳になり、やり直すほどの人生がないことを思うにつれ、残りの時間の使い道を考えています。
お言葉をいただければ幸いです。
A:「クラブの3」が長い暗闇の終わりを示しています。
メインイラストには錬金術師がフラスコの中で融解する物質を観察している様子が描かれています。
錬金術の歴史は古く、紀元前300年のヘレニズム期のエジプトまでさかのぼることができます。その後ギリシャ哲学と融合し、イスラム圏では750年までにその形が確立したといわれています。ヨーロッパに広がったのは12世紀頃。スペインと南イタリアを起点として西洋文化に影響を与えて行きます。
カードの中央イラストをご覧頂くと大きな装置がありますね。
これはバン・マリ(bain-marie:湯煎)と言って密閉した容器に金属片を入れて蒸気を当てる錬金術用装置です。1世紀~3世紀頃アレクサンドリアにいた錬金術師メアリー(Marie la Juive)が発明した、ケロタキスという装置が元になりました。
錬金術師はこの中の物質を根気強く観察し、哲学者の石(賢者の石)を作ろうとしていたのでしょう。
グランジュルノルマンに於いての錬金術師のイメージはパラケルスス派に影響されているようで、背景に描かれた小物に窺うことができます。
錬金術師のカードは全部で7枚あり、つながったストーリーを読み取れます。クラブの3は二話目のカードです。
さてそれでは、人を殺めてしまった彼の今後を、錬金術師の観察眼からヒントをもらいましょう。
”生き直し”の時へ歩みだす
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