2025年までに発見される”新たな故郷” ーー古代の宇宙人:もうひとつの地球/宇佐和通・ヒストリーチャンネル
われわれはこの宇宙において孤独な存在なのか?
それともどこか遠くに故郷ともいうべき親しい惑星があるのだろうか?
ヒストリーチャンネルの人気番組をムー的な視点で紹介!
文=宇佐和通
地球人類が移住できる惑星
この広い宇宙に存在する知的生命体が、地球人だけであるはずがない──よく聞くいい回しだ。その思いは、数千年前にヨーロッパで洞窟の壁に絵を描いた人々にとっても、そして最先端の宇宙物理学を研究している現代の専門家たちにとっても変わらないはずだ。
2015年、6年あまりをかけて銀河系の15万にのぼる惑星の観測を終えたケプラー宇宙望遠鏡が、地球によく似た惑星を発見した。球からはるか1400光年離れた場所にあるこの惑星(ケプラー452b)は、地球よりも60パーセント大きく、太陽よりも大きな恒星を周回している。
いわゆるハビタブルゾーン(生命の生存が可能な領域)に位置する惑星だ。
NASAは、2025年までに地球外生命体の手がかりが見つかるかもしれないとしている。現時点で、あとわずか5年余りだ。
2015年にケプラー宇宙望遠鏡によって発見された、地球によく似た惑星(右)と、地球(左)。はたしてそこに、生命は存在するのか?
NASAがこうしたコメントを公式な形で出す一方、民間レベルでも地球と宇宙のつながりを示唆する話が広まっている。たとえば2019年に話題となったRhマイナス型血液宇宙由来説。これは、Rhマイナスという血液型が突然変異ではなく、宇宙から飛来したのではないか、と説く。
その過程では、2006年に出版された、『Keepers of the Celtic Secrets』という本もしばしば取り上げられた。
それはRhマイナスの血液型やヘブライ民族の起源、さまよう惑星〝ニビル〟などについて語られた、古代アイルランド民族の知識を集めた一冊だ。この本に、以下のような文章がある。
「地球を故郷と呼ぶ人類の主な種族の起源に関する知識は、地球人類だけのものではない。心を大きく開いておかなければならない。洞窟の外に出なければ今示されている叡智を手にすることはできないだろう」
こうした情報とNASAのコメントとの微妙なリンクを感じ取り、それについて論じるのは、うがった見方と思われるだろうか。だが、こうした姿勢の人間は筆者だけではない。そしてもちろん、古代の地球と地球外生命体とのつながりも、最近になって明らかになりはじめたものではない。
番組のプロデューサー兼コメンテイターを務めるジョルジョ・ツォカロスは、次のように語る。
「地球外生命体の証は、何千年も前から存在しています。空からやってきた多くの神々がもたらす物語を通して語り継がれているのです」
ツォカロスが指摘するのは、神話として残されている物語に共通する〝空から飛来したもの〟というモチーフだ。
神話に共通する"空から飛来したもの"というモチーフに注視する、番組の案内役ジョルジオ・ツォカロス。
それだけではない。地球上には、オリオン座の三つ星と配置がまったく同じギザの3大ピラミッドや、さそり座を模して造られたとされるオハイオ州のサーペント・マウンドなど、宇宙をモチーフにした建造物が存在する。
オリオン座の三つ星と配置がまったく同じになっている、エジプトのギザの3大ピラミッド。
また、西アフリカのマリ共和国のニジェール川流域の原住民であるドゴン族の神話には、〝ノンモ〟という空からやってきた人たちが登場する。このノンモがドゴン族の父祖たちに、シリウス星系に関する正確な知識をもたらしたという話もある。
さらにいえば、4500年前に作られた、古代シュメール文明の円筒印章(VA243)には、それぞれの惑星の位置が正確な、太陽系の図が描かれている。
4500年前の古代シュメール文明の円筒印章には、それぞれの惑星の位置が正確に描かれた太陽系の図がある。
空=宇宙から来たもの──彼らが神であれ地球外生命体であれ──が古代の地球にさまざまな種類のモチーフをもたらし、それが集合的無意識のような形で人類の心の深層に刷りこまれているのかもしれない。番組では、こうした遺物も丁寧に紹介されていく。
人類は地球外から飛来した
2013年に出版された『Humans are not from Earth』(『人類は地球生まれではない』)という本で、著者のアメリカ人生態学者エリス・シルバー博士は、人類が地球固有種の生物ではなく、20万年~6万年前に地球に送りこまれたものだ、と主張した。
そしてこの説の信憑性を示す遺物もある。南アフリカ、西トランスバール州の鉱山で、直径2.5~10センチほどの金属球が大量に見つかった。埋まっていたパイロフィライト岩石層の年代から考える限り、これらの金属球は30億年前から地球にあるとしか思えないのだ。
こうしたオーパーツも、古代の地球と地球外生命体のリンクを雄弁に物語るものなのだろう。
南アフリカ、西トランスバール州の鉱山で大量に発見された、直径2.5~10センチほどの金属球。
いずれにせよ、遠い昔に存在したかもしれない──あるいは今も当時のままの姿で遠く離れた場所で存在しているかもしれない──〝もうひとつの地球〟は、われわれの故郷なのかフロンティアなのか。科学という枠組みから離れ、宗教観を軸にしても見届け甲斐があるはずだ。
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(月刊ムー2020年9月号掲載)
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