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「親の愛を重たく感じる」あなたへ! グランジュルノルマン人生相談/赤魔導士Bijou

日本唯一グランジュルノルマン解説を手掛ける赤魔導士Bijou氏が、あなたの悩みに答えます。人生の場面で出会う困りごと、何度もぶちあがる悩みごと……ひとりで考え込まずに、カードが示す物語からヒントを読み取っていきましょう。今回のお悩みは、やんわりと自分を縛る、家族の愛について。―― その悩み、もうカードに答えが書いてあるよ?

グランジュルノルマンについての基礎知識はこちら

文=赤魔導士Bijou #グランジュルノルマン

Q:「親の愛が重くって…」

Q:親の愛がありがたくも重すぎかも?(31歳・女性)

ママともパパともずっと仲良しだけど、「娘」やるのに疲れてきました。
実家住みのひとりっ娘で、ぬくぬく育ってきて、言いにくいんですけど……。いまだに帰る時間とかだれと遊んでるのとか確認されるとウザいんですよね。新しい服を買ってくると似合わないだの高そうだの安そうだの評論されるし。結婚しても近くに住んでねとか、なんなら同居してもいいのよとか、愛が重たすぎる。
ふりきって家を出たらいいのですけど、家賃ナシでご飯が出てくる生活に慣れちゃっています。
「娘」をやめるタイミング…アドバイスください!

A:「ハートの2」があなたの覚悟に問いかけます。

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基本的な関係性からは逃れられない

 メインイラストには一匹の犬がヤマウズラの群れに狙い足止めを食らわす場面が描かれています。
 一見ギリシャ神話とは無関係のイラストに見えるこちらのカードですが、明らかに猟犬なのでもしかしたらミノス王の愛犬ライラプスかも知れません。
 グランジュルノルマンの解説書には特にこれ以上の説明書きがないので、今回はこの犬をライラプスと見立ててお話を進めてまいります。

「絶対に獲物を逃さない犬」VS「絶対に捕まらない狐」
ーー昔テーバイというギリシャの都市に“テウメッソスの女狐”と呼ばれ恐れられた狐の化け物がいました。この狐はディオニュソスがテーバイに災いをもたらすために育て、「絶対に捕まらない」と運命づけられていたので、欲望のままに村を荒らし、子供を攫っては食らう、狂暴な“厄災”そのものでした。
 被害を最小限に抑えたい村人は、毎月一人の子供を生贄に捧げ、恐怖におびえて暮らしていたのです。
 そんな折、ライラプスという猟犬に白羽の矢が立ちました。
 ライラプスはゼウスの命によりヘパイストスが作った犬で、「絶対に獲物を逃さない」運命を持っていたからです。
 村人は一縷の望みをライラプスに託します。
 追うライラプス、逃げる狐。
 お互いに“絶対運命”を持っているので決着がつきません。神々の定めた運命は絶対であり、守られなければ世界の秩序が崩壊します。
 お互いに致命傷を与えられず、果てしない攻防を繰り返す二匹。
 ライラプスが狐に食らいつこうとし、狐がライラプスから逃れるその瞬間!
 そのかっこうのまま、二匹は世界の崩壊を危惧したゼウスに、石にされてしまったのでした。

 このカードの犬がライラプスとすると、「ウズラは決して逃げられない」のです。

自分のステータスを変化させる

 では今回の『親に依存したくない』というご相談をハートの2から読み解いて参りましょう。

 親御さんと仲が良いとのこと。
 素敵です!
 どちらかと仲が良いのは聞きますが、ご両親ともに関係が良好というのは可愛がられ、尚且つきちんと躾や教育を受けられた証拠ではないでしょうか。
 ですので、まずはご両親に拍手です。
「娘」の役割に疲れたとしても、一生こどもであることは変わりません。
そのステータスは変わりませんがオプションを付けるとしたら「孫の親」でしょうか。

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