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勾玉に用いられた本翡翠! 徳と財の象徴【ジェダイト】/パワーストーン事典

パワーストーンの力を得たいなら、その石について知ることが一番の近道です。その石はどんな鉱物で、どんな歴史や伝説を持っていて、どんなふうに愛用されてきたのか――。石のパワーの秘密を知ることで、その効果をより実感してみてください。

文=高橋桐矢

日本で勾玉に用いられた新緑の生命力を宿す石

ジェダイト 本翡翠(硬玉)/Jedeite
【テーマ】富貴・清廉・幸運
【基本データ】主な原産国:ミャンマー・グアテマラ・カザフスタン/硬度:7/比重:3.3/結晶系:単斜晶系
魂に生命力を与えるための石です。中でも新緑の色のジェダイトは、強く新鮮な生命力を与えてくれる護符として、治療、魔除けに用いられてきました。宝石言葉は「福徳」「福財」。

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【色と形によるパワーの違い】
緑は徳と富と安定、ラベンダーは美と愛を、白は浄化と再生の力を持つとされます。中でも最も稀少な青い石は特に大きなパワーがあり、また赤い石は持つ人を選ぶと言われます。

【選ぶときのポイント】
透明感があり、くすみがなく、色あざやかなものが良品です。

【使い方のヒント】
◎一家子孫繁栄に ◎商売繁盛 ◎家族円満 ◎人間関係の調和に ◎魔除け ◎夫婦愛を深める

【取り扱い上の注意】
特にありません。

【おすすめの組み合わせ】
+金=財運 +アンバー=幸運

来歴と伝説

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 ジェダイト(硬玉)と、ネフライト(軟玉)はよく似ていて、両方ともジェード(ヒスイ)と呼ばれ、世界各地で紀元前から用いられてきた石です。現在でもまとめてジェードと呼ばれます。しかし両方一緒に産出することは少なく、それぞれ産出地が異なるため古来、各文明によって、どちらか片方が重用されてきました。

 ジェダイトの産地を有し、主にジェダイトが用いてきたのは、マヤ、アステカ文明と古代日本です。
 日本の縄文時代から古墳時代にかけてジェダイトを産出した新潟県糸魚川は、世界最古のジェダイト産地と考えられています。当時勾玉に加工されたジェダイトは、万葉ヒスイと呼ばれています。勾玉は祖先の力を借りて魂に生命力を与えるために用いられ、中でも新緑の色のジェダイトは、強く新鮮な生命力を与えてくれる護符として、治療、魔除けに用いられました。

 また、マヤ、アステカ文明でも緑の石がことのほか重用され、チャルチュイトルという名のお守りとされていました。チャルチュイトルには緑のカルセドニーなども用いられましたが、最上級の石はジェダイトが使われていました。ジェードの名は、新大陸に来たスペイン人が、現地人が腹部にこの石を載せて治療に使っていたのを、スペイン語で「ピエドラ・デ・イジャダ」(横腹の石)と呼んだことに由来しています。当時、かなり精巧な石の加工技術があり、呪術的な顔を彫ったジェダイトの手斧が見つかっています。

 中国ではジェダイトは産出せず、紀元前からネフライトが「玉(ぎょく)」として用いられてきましたが、13世紀にビルマでジェダイトが産出し、中国で加工されるようになりました。水鳥のカワセミから名付けられ「翡翠」と呼ばれるようになったジェダイトは、ネフライトより稀少であり、中国ではあらゆる宝石の中で最上のものとみなされるようになりました。
 日本ではジェードがエメラルドと共に5月の誕生石となっています。

鉱物としての特徴

 ジェダイトは、ひすい輝石という鉱物が90%以上と、その他の鉱物が集まった集合体(岩石)です。ひすい輝石の微細な結晶粒がいろいろな方向を向いて噛み合っているため、硬度以上に非常に強靱な石です。最良質のジェダイトはハンマーで叩いても割れません。サーペンティンの岩塊中に産出します。

 ジェダイトがネフライトとは違う、輝石グループの石だと明らかになったのは1868年です。純粋なひすい輝石は無色ですが、微量に含まれる鉄やクロムで緑色に、マンガンでピンク色に、チタンと鉄で青紫に、酸化鉄で赤に、発色します。さまざまな色があることが、ネフライトとの違いともなっています。またネフライトより硬度が少し高く、輝きが強く、半透明度も高くなります。

 最高級のジェダイトは、「琅玕(ろうかん)」と呼ばれる半透明の青緑色の石です。朝の露や静かな雨のようにやわらかい「潤」と、幼児の肌のようにやわらかく温かな「温」という質感がある、と言われます。

 日本国内でかつてジェダイトが産出していたのが分かったのは1938年のことでした。それまでは古墳などから発掘された万葉ヒスイの勾玉の原材料は中国から持ち込まれたものと思われていたのです。

 稀少なジェダイトは、クリソプレースなど玉髄と混同されたり、アベンチュリンがインドヒスイと呼ばれることもあり、類似石が多く、また着色したりワックスや樹脂を浸透させ加工した石が流通しているので注意が必要です。

(『実践!パワーストーン効果大事典』より抜粋)

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