見出し画像

人間の脳波と地球がシンクロするとき奇跡が起こる! 超能力の謎と地球生命体ガイアの意識/中野雄司

宇宙を支配するフラクタル構造。人間の脳と地球の共振現象。
一見、別のものと思えるこれらの出来事をひとつに結びつけるものがある。地球を振動しながら覆う、シューマン共振波だ。はたしてそれはいつ、どのような形で発動するのか。そして訪れる人類の未来とは?
すべての鍵は、超能力研究の過程で発見されたある特別な周波数が握っていた‼

三上編集長による解説動画


文=中野雄司 イラストレーション=久保田晃司

プロローグ フラクタル構造でつながった脳と宇宙

 自然界には、いたるところにフラクタルが隠されている。
 樹木の伸びる枝、雪の結晶、闇夜を切り裂く稲妻……etc. 一見そうとは思えない自然のなかにも、さまざまなフラクタル構造が隠れている。それは奇妙で美しいトリックアートだ。まるで創造者が遊び心で描いた自然界の悪戯いたずら書きかとも思えてしまう。

 フラクタルというのは、部分と全体が同じ形状を持つ構造のことだ。

画像1

代表的なフラクタル、マンデルブロ集合の図形。拡大するとどこまでも同じ図形が姿を現してくる。

 もともとは数学者ブノワ・マンデルブロが発見した純粋な数学上の概念である。彼は複雑に入り組んだ海岸線の距離を正確に求める数式を考案中に、この奇妙な現象に気がついた。海岸線がギザギザしているので、正確な距離が測りにくい。そこで縮尺をもっと拡大してみる。ところが縮尺を拡大しても、同じようにギザギザの地形が現れてしまう。何度縮尺を変更しても同じだった。海岸線は必ずギザギザの地形となってしまうのである。
 部分と全体が相似形となる。この何とも奇妙な現象を、彼はフラクタルと名づけた。

画像2

フラクタル構造を発見した数学者、ブノワ・マンデルブロ(写真=akg-images/アフロ)。

 マンデルブロの発見に世界は驚いた。研究者のみならず、芸術家までがフラクタルに夢中になった。そして自然界のあらゆる場所で、フラクタルな構造が発見されるようになる。まるでフラクタルが自然界を支配する法則のひとつであるかとでもいうように。
 そしていま、この世界にまたひとつ新たなフラクタルが加わった。
 脳と宇宙である。
 昨年、脳神経外科医アルベルト・フェレッティと宇宙物理学者フランコ・バッツァのふたりは、ヒトの脳の神経回路網と銀河における水素ガスの大規模な宇宙網を定量分析し、両者を詳細に比較した。すると両者の構造には、驚くほどの類似性が認められたという。

宇宙網と脳の自己組織化!

 ヒトの脳の神経細胞はおよそ1000億個だ。宇宙全体に占める銀河の数もほぼ同数である。また神経細胞や銀河が、脳や宇宙全体の質量に占める割合はともに3割未満。脳の77パーセントは水、宇宙の73パーセントは暗黒物質でできている。
 また1個の神経細胞や銀河に接続するフィラメント(糸状の構造)の本数も近似している。脳の各神経細胞に接続するフィラメントは平均4・6〜5・4本、銀河には平均3・8〜4・1本のフィラメントが接続している。
 もともと脳と宇宙が構造的に類似しているという指摘は、コンピューター上のシミュレーションで描かれた両者の図形が酷似していたことから、過去に大きな話題となったことがある。

画像3

宇宙全体における銀河の数は、人の脳の神経細胞の数とほぼ同じである。はたして宇宙と脳もフラクタル構造の関係にあるのだろうか。

 しかし、今回はスペクトル分析を利用して両者の密度の揺らぎを計算するなど、数学的な定量化による比較にまで踏みこんでいる点が画期的だ。
 ふたりの研究者は、共同で発表した論文のなかで「宇宙網と脳の自己組織化は、同様のネットワーク力学の原理によって形成されている可能性がある」と結論づけている。
 ヒトの脳と宇宙は、フラクタル構造でつながっている!驚きの発見である。
 宇宙のフラクタルといえば、曼荼羅まんだらを思いだす人もいるだろう。曼荼羅とは、古代インド密教が生みだした宇宙のことわりを表す図像である。現代にいたるまでさまざまなバリエーションの曼荼羅が描かれているが、多くの場合、曼荼羅のなかにはフラクタルな図像が用いられている。われわれの脳と宇宙がフラクタルにつながっていることを、何千年も昔の古代の人々は、何らかの方法で認識していたのであろうか?

 さて本稿でも、ヒトの脳と宇宙との関係を探っていく予定だ。が、いきなり広大な宇宙に飛びだす前に、まず地球およびその周辺から話をスタートさせることにしよう。
 ヒトの脳と地球とは、不思議な関係性で結びついている。その関係を気づかせてくれたのは、類い稀な素質を持つひとりの超能力者であった。彼の超能力はいったいどこから生まれてくるのか? 
 その謎を探る長い旅路の先には、地球の、そして宇宙の驚くべき真理が待ち受けていた。

画像4

自然界には数多くのフラクタル構造が隠されている。嵐のなか、あるいは闇夜を切り裂く稲妻もまた、そんなフラクタル構造のひとつだ。

画像5

17世紀にチベットで描かれた曼荼羅。ここにもフラクタル構造は隠されている。これを描いた人々は、そのことを知っていたのだろうか。

パート1 最新科学が解き明かす超能力者の秘密

 超能力は科学で解明することができるのか?
 このシンプルな問いに対する答えは、決して単純なものではない。これまでに幾度となく、超能力と科学は互いに歩み寄ろうと努力してきた。が、両者の間に横たわる隔たりは簡単には埋められない。まるで向き合った2枚の鏡に挟まれているかのように、超能力と科学は、互いの姿を虚像の繰り返しのなかで見失ってしまう。
 
 19世紀後半、ヨーロッパにおいて心霊主義(スピリチュアリズム)が勃興ぼっこうすると、多くの知識人がこの新しいムーブメントに飛びついた。
 作家のコナン・ドイル、心理学者のカール・ユング、進化論の先駆者として名を馳せた博物学者のアルフレッド・ウォレスなど、そうそうたるメンバーが心霊主義に傾倒していった。心霊主義は、世紀末の閉塞感を打ち破る新しい思想運動として、知識人の間で確固たる地位を築きあげていった。
 日本においても、明治から昭和にかけて、透視術の御船千鶴子みふねちづこ、物理霊媒の亀井三郎などが科学者と協力して心霊実験を行い、社会に大きな反響を呼び起こした。
 超能力と科学は、勃興期には互いに手をたずさえ、ともに歩もうとしていたのである。だが、やがて超能力と科学はたもとを分かつ。実験の手順や方法論を巡って、両者の間には越えられない壁が大きく立ちはだかった。

ここから先は

22,784字 / 37画像

¥ 500

期間限定!Amazon Payで支払うと抽選で
Amazonギフトカード5,000円分が当たる

ネットの海からあなたの端末へ「ムー」をお届け。フォローやマガジン購読、サポートで、より深い”ムー民”体験を!