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ジンバブエの殺人マーメイドの話など/南山宏・ちょっと不思議な話
「ムー」誌上で最長の連載「ちょっと不思議な話」をウェブでもご紹介。今回は2017年9月号、第401回目の内容です。
文=南山宏
殺人マーメイド
今年2月19日の正午頃、ジンバブエのゴクウエ地区第7村落に近いパチェムンヴリ・ダムで、少年2人が〝人魚(マーメイド)〟に襲われ、水中に引きずり込まれて溺死した。
同ダムの周辺では、事件が起きる直前、「マーメイドを見た」という村民たちの目撃事件が、すでに何件も起きていた。
「事件当日は、牛に草を食べさせていたガニエ中学の1年生と2年生が、ダムにマーメイドがいるのに気がついたのが発端だった!」
現場一帯を縄張りにしているネマングエ族の族長は説明する。
「遊び仲間の証言では、死んだ子供たちはマーメイドを大きな魚と勘違いして、手づかみで捕まえようと水中に飛び込んだらしい」
ところが、マーメイドが逆に2人を深みに引きずり込むのを見て震え上がった友達が、村に駆け戻って、大人たちに急を知らせた。
村人たちがダムに駆けつけた時点では、子供2人は岩の上に倒れていたものの、まだ生きていた。
村人が手当てしているところへやっと親たちが到着したが、彼らはてっきり子供たちがもう死んだものと思って泣き叫んでいた。
それがいけなかったらしい。地元の言い伝えでは、マーメイドに捕まった時、いちばんしていけないのは泣き叫ぶことだという。
「だしぬけにつむじ風が巻き起こって、岩の上を吹き抜けるや、水中から飛び出したマーメイドが、またもや子供たちを捕まえて水中に消えた。しばらくすると水死体が2つ、水面に浮かび上がった」
族長は嘆きの言葉を続ける。
「以前にもやはり同じダムで、私の顔見知りが2人、同じような溺れ死にをしたことがある。だから水神様の祟りを鎮めるために、これまで何度もお祓いをしてきたんだが、効き目はなかったようだ」
地元のミッドランズ地区警察のスポークスマン代理、エセル・ムクウェンデ警部補の説明では、実際のところ何が起きたのか、現在総力をあげて調査中とのことだ。
遅れてきた予言
このほど初めて公表された未公開映像によると、1969年11月に元ビートルズのジョン・レノンがヨーコ・オノ夫人とギリシアのアテネを訪問した時、現地の占星術師から「あなたは島の上で撃たれるでしょう」と告げられた。
昨年12月11日付け〈サンデータイムズ〉によれば、レノン夫妻はたいそう驚いて、翌朝出発する予定だった歌手仲間の豪華ヨットに招待されたエーゲ海島めぐりの旅を、あわててキャンセルした。
11年後の12月8日、レノンは夫人と移り住んだ米ニューヨークのマンハッタン島で射殺された。
ソーラーおバカ
米カリフォルニア州ウッドランドの住民たちは、新らしいソーラー農場の大々的建設に必要な区画整理案を投票で争い、3対1の圧倒的多数で否決してしまった。
ソーラー農場をこれ以上増やすと、太陽エネルギーを吸収しすぎて(?)、農作物の光合成が不可能になる、というのがその理由。
2015年12月14日付け〈テクノロジーニューズ〉によれば、このおバカな反対理由を掲げて住民の先頭に立った中心人物は、ジェーン・マンさん(82歳)という元理科教師(!)の老婦人で、ほかにもガン患者を増やすとか、それを恐れる若い世代が、町を放棄して逃げ出すからとか、もっともらしい付帯理由もつけている。
ワシは舞い降りた
昨年7月6日、オーストラリア中央部はアリススプリングス砂漠公園内で、人気のワイルドライフショーの真っ最中、舞い降りてきた1頭のワシが、突然1人の少年を襲って空中に拐おうとした。
悲鳴を上げる少年の日除けフードを被った頭を、大きな鉤爪でがっしと掴むや、唖然とする見物客の眼前で持ち上げかけたのだ!
昨年7月12日付け〈BBCニューズ〉によれば、たまたまショーを動画撮影中にワシが少年を襲う光景を撮ってしまったクリスティン・オコンネル夫人は証言する。
「ワシは15メートルぐらい離れた木の上から、まっすぐに飛んできたわ。あの坊やの隣りに座っていた男性の話では、あの子はマントのジッパーをしきりに上げ下げしてたとか。きっとあのワシは、獲物の小動物か何かが〝鳴き声を出してる〟ってカン違いしたのね」
騒ぎを知ってすぐ公園職員が走ってきたが、年齢7、8歳ぐらいの当の坊やは、幸い、カスリ傷に血が滲んだだけで無事だった。
アイスにアイス
今年2月24日の夜、カナダはアルバータ州カルガリーのドーヴァーソーンベイ在住のリチャード・カウチ老人(80歳)が、テレサ夫人(77歳)といっしょにテレビのアイスホッケー試合を観戦し始めたとたん、天から降ってきた氷塊が2個、屋根と床をぶち抜いて、地下室まで落下した。
氷塊の出所は、おそらくたまたま当日当時刻、カウチ家の真上を通過した民間飛行機で、翼面に付着していた氷が剥がれ落ちたものと思われるが、該当しそうな航空機は目下のところ不明。
緑の貴婦人
〈ナショナルトラスト〉昨年11月28日号付けによれば、英国ケント州在住のビル・アンドルー氏が、スコットランド・バンクリー近くの名城クラセス城の前で、いっしょに観光に訪れた娘と孫娘と曽孫の記念写真を撮ったところ、後景の戸口の暗がりに、灰緑っぽいドレス姿の人影が写っていた。
同城の不動産管理人ジェームズ・ヘンダーソン氏は説明する。
「最近ではとりわけハロウィーンの頃など、城の内外で不思議な目撃体験談がよく報告されますね。
ふだんはいつも温かい部屋なのに、急に冷気が降りてきてゾクゾクしたとか、誰もいないはずの建物の中に足音が響いたとか」
同じプレス用資料によると、城内で目撃される女の幽霊は、昔から〝緑の貴婦人(グリーン・レディ)〟と呼ばれ、ときには赤子を抱いた姿で現れる。
全盛期の19世紀大英帝国を率いたヴィクトリア女王自身も、城の改築中に暖炉の下から発見された大小の白骨死体の正体らしい母と子の亡霊を、この古城を訪れたさい目撃したと記録されている。
(月刊ムー2017年9月号掲載)
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