ディオダディ荘の怪奇談義、ロボットの魂、ひとりかくれんぼ/∴[yueni]第3話・超常現象ガイド
謎のオカルトアイドル「∴」の活動には、超常現象にまつわるキーワードが隠されている。
ここでは、ムー的な用語になじみのない方々のために、「∴」内の用語を簡単に解説していく。
第3話からは「ディオダティ荘の怪奇談義」「ロボットの魂」「ひとりかくれんぼ」の3つ。
ディオダティ荘の怪奇談義
「1965年、ディオダディ・プロジェクトが発足し、最初の鏡の間が建設された。1968年、鏡の子が生まれ、ディオダディ・プロジェクトは崩壊し、人々は自ら建てた神殿を破壊して逃亡した」
ディオダディで想起するのは「ディオダディ荘の怪奇談義」だ。ディオダディ荘とは詩人のバイロン卿がスイスのレマン湖畔に借りていた別荘の名前で、1816年に5人の男女が集まり、怪談・怪奇譚を発表しあったという場所である。メンバーのメアリー・ゴドウィン(のちのメアリー・シェリー)はここでの着想から『フランケンシュタイン』を書き、バイロン卿が語った話から『吸血鬼』が生まれている。
作中での「ディオダディ・プロジェクト」という表現は、モンスターを生み出した怪奇談義を再現しようという意図が見て取れる。
ちなみに、作家が集まって怪奇談の交流をした例としては滝沢馬琴らの「兎園会」、柳田國男、泉鏡花らの「画報堂」なども知られている。
ロボットの魂
「ペットロボットに霊魂はあるのか?」
作中ではピー音が入っているが、ソニーのペットロボットAIBOを思わせる「アイちゃん」が登場する。
ソニーのペットロボットAIBOが2014年にサポート終了となり、修理できなくなったため「合同葬儀」が行われた例がある。日本人形からぬいぐるみまで「人形供養」が行われていることから、ペットロボットの最期としては自然は行為といえる。
人造物に魂が宿る例でいえば、魔術によって生命を与えられた土人形「ゴーレム」も連想する。男女を介さずに生命を造る秘術は神の御業に通じる行為であり、「ディオダディ荘」で語られたフランケンシュタインの原型ともいえる。
ひとりかくれんぼ
「ぬいぐるみが大量に捨ててある」「首がない。どのぬいぐるみにも…」
2006年ごろからネット掲示板で話題になり、2009年には映画にもなった”交霊術のような行為”が「ひとりかくれんぼ」だ。詳細は省くが、名前を付けたぬいぐるみに肉体性を持たせた加工を施し、そのぬいぐるみを相手にかくれんぼすると、霊障が発生する、というもの。最後にぬいぐるみを破壊し、焼き捨てないと祟りがあるなども噂された。
作中のぬいぐるみの大量損壊・破棄事件は、「ひとりかくれんぼ」を過剰に行った形跡がイメージできるが、関連は不明。ただ、第3話には「フランケンシュタイン」「生き人形」というテーマが通底していることは明白であろう。
ここから、偶像=アイドルである「∴」の危うさをも示唆しているとは、考えすぎだろうか。
参考:劇場版ひとりかくれんぼ
「∴」活動の最新情報はTwitter、YouTube、TikTokにて。
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