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南米ティワナク文明の巨大建築オーパーツ!古代の宇宙人:驚異の遺跡「プマプンク」レビュー

CS放送「ヒストリーチャンネル」の人気シリーズ「古代の宇宙人」から、注目の番組を厳選紹介。今回はティワナク遺跡群の一部にあたる、驚異の遺跡「プマプンク」に迫る。

文=宇佐和通

 2017年4月、ヒストリーチャンネルの取材クルーが来日し、本誌三上編集長をフィーチャーしたエピソードが撮影された。筆者はサポート役として大阪、奈良のロケに同行し、最終日に「古代の宇宙人」のナビゲーター、ジョルジオ・ツォカロス氏と編集長、筆者でささやかな打ち上げとなった。
 JR大阪駅近くの寿司店でタコの握りをおいしそうにほおばっては(本当に気に入ったらしく、何皿もお代わりをしていた)、それをビールで流しこむジョルジオに、こんな質問をした。

「古代の宇宙飛行士説のエッセンスが、もっとも端的な形で表現されている遺跡はどこだと思う?」

「それはプマプンクで決まりだ!」

 ジョルジオは即答した。

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プマプンク遺跡の全景。放置された岩の断面までなめらかで、まるで現代の石切場のようだ。

 プマプンクは、ボリビアのラパスから西へ70キロほど行った標高3700メートルの高地に位置する、ティワナク遺跡群の一部にあたる。特筆すべきは使われている石の大きさとその精緻(せいち)な整形技術そして全体的なデザインの美しさ、と石の組み方のあまりの精巧さだ。

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複雑な階段状の岩の細工。古代のテクノロジーで、どのようにしてこれが可能になったのか?

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岩に穿(うが)たれた円形の穴。現代のドリルでなければ、これほど正確に穴を穿つのはむずかしい。

 今回紹介する番組「古代の宇宙人:決定的証拠を探せ! 驚異の遺跡『プマプンク』」ではツォカロス氏自身がレポーターを務め、プマプンクを彩(いろど)るさまざまな不思議が立体的に紹介されている。

 彼が改めて注目するのは、遺跡のあちこちに転がる巨大な石の見事な切断面だ。まるでレーザーでカットし、その後特殊な機械を使って表面全体に研磨をかけたような状態になっている。そして、それぞれ異なるサイズの石がきちんと組み合わされて、壁なり回廊状の構造が作られているのだ。いや、それだけではない。一枚岩を切りだし、任意の大きさにして形を整え、内側に向かって階段状に掘りこんでいくという技法が活かされている石まである。
 プマプンクで使われている石の大部分は、安山岩というとても硬い材質の石だ。よほど切れ味の鋭い丈夫な工具を使わなければ、切りだして形を整えることはおろか、意匠(いしょう)を基にした加工などできるわけがない。しかも一帯に散らばる巨石のなかには、幅8メートル・重さ100トンに及ぶものまで含まれている。
 プマプンクはティワナク遺跡の一部なので、作られたのはティワナク文明の紀元前800年あたりから西暦1200年くらいのタイムフレームであるはずだ。しかしここまで書いてきた通り、遺跡の随所に活かされたテクノロジーについて少しでも考えるなら、主流派科学による解釈と現場で目の当たりにする現実の間に、厳然と存在する乖離を感じない人はいないだろう。

 もちろんジョルジオも例外ではない。
 現地で遺跡の実践的かつ集約的な検証を行っている地元の専門家も、プマプンクはいわれているよりもはるかに昔の時代に作られた可能性を心から信じ、そこを立脚点にものごとを考えている。彼らの間では具体的に、プマプンクが作られたのは1万7000年前だったというコンセンサスまでできあがっているようだ。
 実際、主流派科学の枠組みのなかでさえ、同じ見方をする考古学者がいた。アーサー・ポスナンスキーは1945年の時点で、プマプンクが作られたのは紀元前1万5000年だったという学説を発表している。

 ちなみに、プマプンクの特徴を表す言葉として、「オーバーテクノロジー」というものがある。
 標高3700メートル地点にあるこの遺跡を作るために、重さ100トンにもなる巨石をどうやって運んだのか。そしてそれを、まるでレーザー光線を思わせる精度で切り分けた技術は何だったのか。さらには、大小サイズが異なる石をいくつも積み上げ、最終的にきちんと平衡を取る形で石垣をどうやって作ったのか。各所にちりばめられた精緻な細工や、鏡面のような質感になるまで石の表面を研磨するためにどのような技術が用いられたのか。
 こうした小さなひとつひとつの「オーバーテクノロジー」が、プマプンク遺跡全体の不思議さを際立たせているのである。

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90度に切り揃えられたプマプンク遺跡の巨石。奥に見える岩の面は、研磨したかのようになめらかだ。
古代の宇宙人 決定的証拠を探せ! - 驚異の遺跡「プマプンク」
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(ムー2020年3月号掲載)


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