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月で繰り返される謎の発光現象の話など/南山宏・ちょっと不思議な話
「ムー」誌上で最長の連載「ちょっと不思議な話」をウェブでもご紹介。今回は2021年5月号、第445回目の内容です。
文=南山宏
極ラク鳥
背中に装着された衛星利用の追跡装置のおかげで、チドリ目カモメ科のキョクアジサシは、1年のうちに北極圏と南極圏の間を往き来する、世界最長距離の渡りをする海鳥であることが判明した。
キョクアジサシの寿命は30年を超えるので、一生のうちに少なくとも240万キロは飛ぶ計算になる。これは地球と月の間を3往復するほどの距離に相当する。
ハトぐらいの大きさで、夏は北極圏で繁殖し、太平洋東部と大西洋東部に分かれて南半球に渡り、南極圏の海域で非繁殖期を過ごしてから、再び北極圏に戻る。
残念ながら日本はキョクアジサシの渡りのルートからは外れているので、迷い鳥として、ときたま記録に残される程度だそうだ。
開眼
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