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”マンガでムー”という挑戦、そしてビデオでムー!? 本誌から派生メディア続々の時代/「ムー」回想録

本誌が好調の波に乗れば、「あれもこれも」とアイデアが浮かぶ。「ムー」を旗艦に次々と新企画が登場するが、そのなかには、黒歴史と化したものも……。

文=編集部N

「comicムー」と「mangaムー」

 本誌の売り上げが伸びると同時に、次々と派生していったのが兄弟誌や新企画だ。その先陣を切ったのは、いまも続く「ムー・スーパーミステリー・ブックス」である。
 1982年当時の最初のラインナップは『<大予言事典>悪魔の黙示録666』『米政府は異人類の死体を隠している』『人類は核戦争で一度滅んだ』の3冊。本誌の総力特集だけでも十分に読み応えはあったのだが、ひとつのテーマをさらに掘り下げ、より濃厚な情報を提供していこうというものだった。当時は新書判で、のちに「ポケット・ムー」という簡易版も登場。現在も四六判と親書判で同シリーズは継続している。

 じつは「ムー」は、コミック誌も手がけている。それも2度にわたってだ。

 1986年冬、最初のマンガ版「ムー」が発行された。その名も「comic ムー」。はっきりいってかなりの力作、作家陣も豪華。だが、売れずにわずか1号で休刊となった。一部では黒歴史とされ、話題にするのもタブーといわれているが、そんなことはない。なにしろそれから18年後の2004年。またしても「ムー」はコミックに挑戦しているのだ。「manga ムー」である。こちらは1冊で終わりということはなかった……が、やはり短命に終わった。

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1886年の「comic ムー」。蒼そう々そうたる作家陣が並んでいる。

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2004年刊行の「manga ムー」。こちらは本誌の表紙に近いイメージ。

 一方、1987年に登場したのが実用ページを拡大させた「マインドパワー 潜在能力開発マニュアル」だ。ひとことでいえば、超能力による成功術のあれこれを紹介しようというものである。編集長は、のちに「ムー」4代目編集長となるS介こと土屋俊介。評判はとてもよかったのだが、さまざまな理由により廃刊となった。なおS介はその後、占い専門誌「elfin」を立ち上げ、占いの世界にその人ありという存在になっている。

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「マインドパワー」創刊号とその目次。

事典のムーと、AVのムー!?

 創刊当時のビジュアル路線から、大きく読み物路線へと本誌の舵は切られた。その、どこよりも詳しいミステリー情報を提供するという使命を全うすべく登場したのが、「ムー別冊」シリーズだ。

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ムー別冊「世界不思議現象百科」。

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ムー別冊「世界UFO大百科」。一冊でUFOのすべてがわかった。

 判型は本誌と同じB5サイズ。注目すべきは各誌を「心霊現象」「超能力」「UFO「不思議現象」など一テーマに絞り、それぞれの分野における百科事典を目指したこと。つまりこれ一冊を読めば、歴史から基本的な用語、代表的事件まですべてを知ることができたのである。このシリーズは大いに好評を博し、のちに復刻版まで作られた。

 ーーところで読者は、「全日本気功協会」なる団体をご記憶だろうか。だとしたら、かなりの「ムー」マニアといえる。じつは同協会の仕掛け人として、「ムー」編集部も当時、深く関わっていたのである。

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 時代は1986年。日本に中国気功が入ってきたのは1985年ごろといわれているから、まさに黎明期だ。同協会は日本における気功の普及を目指して立ち上げられたもので、中国から招いた講師陣とともに華々しい設立パーティも開かれた。
 と同時に、気功の入門ビデオ、そしておそらく日本初となる気功の入門冊子が製作され、「ムー」本誌でも気功師の超人的な能力が紹介されている。だがその後、気功は中国での活動そのものが縮小し、日本でも徐々に衰退。協会もいまはない。

 ビデオといえば、1995年ごろには「ムーAVブックス」なるシリーズも生まれている。ムー・ブックスにビデオテープによる教則映像をつけたもので、ビデオ映像を通じてさまざまな武術を身につけていただこうというコンセプトだった。ちなみにDVD再生機が初めて市販されたのが1996年だから、まだまだビデオテープ全盛の時代。こちらもシリーズ化され、『喧嘩芸骨法伝授!』『超能力気功法』『幻の神技大東流合気柔術』など、なかなか渋いセレクトである。

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