「既婚者に恋焦がれる」ーー横恋慕するあなたへ グランジュルノルマン人生相談/赤魔導士Bijou
日本唯一のグランジュルノルマン解説を手掛ける赤魔導士Bijou 氏が、あなたの悩みに答えます。人生の場面で出会う困りごと、何度もぶちあがる悩みごと ひとりで考え込まずに、カードが示す物語からヒントを読み取っていきましょう。
今回のお悩みは「既婚者に恋をしている……」です。
――その悩み、もうカードに答えが書いてあるよ?
グランジュルノルマンについての基礎知識はこちら。
文=赤魔導士Bijou #グランジュルノルマン
Q:パートナーのいる相手を求めてしまう
Q:「既婚者に惹かれています」( 22 歳・男性)
恋愛相談です。4つ年上の女性といい感じなのですが、彼女、既婚者なんです。大学の先輩で、知り合ってる期間は長くて、いけるかな…と思ったことも何度か。彼女は大学院生で、ずっと付き合ってた一個上のひとと結婚したんです。そのひとは他大の研究室で、学生結婚状態なんですよね。
僕は今春から就職して社会人になるんで……。博士課程はいろいろ大変だって聞くし、支えてあげたいんです。
なんとなくかわされてきたんですけど、改めてのアプローチ方法、教えてください! お言葉をいただければ幸いです。
A:「スペードのA」がその恋に待ったをかけています。
メインイラストには牡牛に化けたゼウスがエウロペーを誘拐するシーンが描かれています 。
ある日シリアのテュロス王アゲノールの娘、エウロペーが海沿いの広場で侍女等と遊んでいると、一頭の美しい牡牛が近づいてきました。突如現れた牡牛に大変驚いたエウロペーですが、そのあまりの美しさ、懐っこさ、そして優しい目にすっかり気を許し、恐れはどこへやら。楽しく戯れ、その背にまたがりました 。
すると途端に牡牛は海に向かって猛ダッシュ! エウロペーを乗せたまま、あれよあれよと岸から離れていくではありませんか。
その勢いにおののきながら振り落とされぬよう、エウロペーは必死でしがみつきながら、遠く離れゆく故郷を目に焼き付けることしかできませんでした。
エウロペーを乗せた牡牛はエーゲ海の最南端、クレタ島で漸く足を止め、その正体を現しました 。そう、牡牛はエロースの放つ矢に当たってラブモード全開のゼウス だったのです。ゼウスの目論見通り、故郷から遥か遠くに連れてこられたエウロペーは帰る手立てもありません。スズカケの木の下で手籠めにされ、結果、立派な三人の男児の母になりました。
ご存知、エウロペーは『ヨーロッパ』の語源。アジアのテュロスからギリシアに渡った架け橋になったため、エウロパ、ヨーロッパになったと言われています。そしてジュピター、ユピテルなどゼウスの名がつけられた木星の第二衛星もエウロパですね。
ゼウスが化けた牡牛は通説では真白なのですが、グランジュルノルマンではなぜか赤牛です。この牡牛の姿が天に昇り、星座の牡牛座になりました。(諸説あり)
さてそれでは、人妻に横恋慕の件、スペードのAに尋ねてみましょうか 。
相手の立場を思ったうえで行動を
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