第二回 論文紹介4/5

タイトル
Anomalous Photochromism and Photochemical Cation-binding Control of Crowmed Malachite Green Leuconitrile Based on Intramolecular Electrostatic Repulsion

背景

マカライトグリーンのようなトリフェニルメタンは、不均一開裂を伴う光異性化反応を引き起こす。この現象は、イオン環境を光でコントロールする魅力的なツールである。

行ったこと
クラウンエーテルをもつトリフェニルメタンを合成し、フォトクロミズムを示した際に、クラウンエーテル内に留められている金属イオンはどのような挙動を示すのかを調べた。クラウンエーテルを持たない化合物も合成し、対象実験を行った。溶媒の極性が大きいと、熱戻りの割合が小さくなることがわかっている。

検証方法
極性を上げるために添加剤であるNaClO4 or LiCLO4の割合を増やしながら、光異性化の挙動(反応速度?)をみた。

結果
クラウンエーテルを有している化合物に関しては、10⁻³Mで極大値をとった。すなわち、この濃度で熱戻りが早くなった。これは、異性化で生じるカルボカチオンがクラウンエーテル内のナトリウムイオンとの静電反発によるものであると理解された。塩による極性の上昇に伴う熱戻りの速さを、静電反発が超えた。Liでは、Naのような大きな変化はみられなかった。

この研究の独創的なところ


筆者
Keiichi Kimura," Masayuki Kaneshige and Masaaki Yokoyama


いいなと思ったら応援しよう!