ベンチいっぱいの魅惑のウインク
こんにちは、やさいです。
今日は、先日のジムバトルで実際に「あれ、どっちだっけ」と逡巡する局面がありましたのでshareさせていただきますね。
ロジカル・シンキングを執筆するまでもないとは思いながらも、今後の自分のためにも書き留めておこうということで備忘録的な意味でさらっと書いていきたいと思います。
どうやら、秋頃に公認ジャッジ試験の開催も予定されているようですので、今年の受験を考えている人始め色々な方に刺さるTipsになればこれ幸いって感じです。
第1 疑問
つい昨日のジムバトルでの出来事です。僕がムゲンダイナVMAXのデッキ、お相手が三神ザシアンのデッキを使っていた対戦。
こちら側には、ベンチが5匹いる状態で、相手プレイヤーはクチートGXをベンチに出し、特性「みわくのウインク」の使用を宣言しました。この時、相手プレイヤーは僕の手札を確認することはできるでしょうか。
「みわくのウインク」
自分の番に、このカードを手札からベンチに出したとき、1回使える。相手の手札を見て、その中にあるたねポケモンを、好きなだけ相手のベンチに出す。
おそらく、相手の方は僕の場にムゲンゾーンが働いていると勘違いして、クチートGXをベンチに出したのですが、実際にはキョダイマックス進化しているムゲンダイナはいなかったため、ベンチには5匹しか出せず、ベンチに出させる効果は不発に終わる場面です。
クチートGXの採用が今後増えることが予想される環境ですので、このようなうっかりみわくのウインクも起こりうるものと思われます。
さて、僕は手札を見せるべきでしょうか?
第2 解答
手札を見せる必要はありません。
なぜなら、こちらに関してはQ&Aにあります。
特性の使用ができない以上、手札を見せる必要もありません。
でもなんでなんでしょう。気になりません?
ジャッジ試験に合格するというのであれば、このような問題に対して一つ一つQ&Aを覚えていてはキリがありませんので、そこに通底する考え方を把握する必要があります。
第3 根拠
ロジカル・シンキング・ポケカ#5.5でも書きました通り、上記のQ&Aの根拠は明確にされていない以上、どのような考え方で裁定を出すに至ったかを断言はできませんが、おそらく以下の考え方を根拠にしているものと思われます。
さて、困った時は、上級プレイヤー用ルールガイドを確認です。「特性」のページ(6頁)に実はこんな記載があります。
まず、特性にはプレイヤーが宣言して特性の効果を使うもの(以下、宣言で使う特性といいます。)と、特性を持つポケモンが場に出ているだけで自動的に効果がはたらくものの2種類があります。
そして、宣言で使う特性は以下の手順で使用されることになります。
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1特性の宣言
自分の場のポケモンが持つ特性の中から、使う特性を決めて相手プレイヤーに伝えます。カードの説明文に使うための条件があるならそれに従います。
その条件に従えない場合は、その特性の宣言をできません。また2まで行った結果で状況の変化が何も起きないことがわかっている場合も、その特性は宣言できません。
2書かれている説明文の実行
特性に書かれている説明文に従います。特性の説明文に書かれてあることは、その順に合わせてすべて行います。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
まぁそうだろうな、って感じですよね。笑
しかし、太字にもしましたが、宣言で使う特性が使用が宣言できない場合が明確に書かれています。ここが大事。
特性が使用を宣言できない場合は、①カードの特性を使用するための条件に従えない場合、②仮に特性を実行した時に、状況の変化が何も起きないことが明らかな場合
です。①はそうだろうなって感じですが、②は「なんのこっちゃ?」って感じですよね。あれ、そうでもない?
さて、「みわくのウインク」のテキストをもう一度確認してみましょう
自分の番に、このカードを手札からベンチに出したとき、1回使える。相手の手札を見て、その中にあるたねポケモンを、好きなだけ相手のベンチに出す。
「みわくのウインク」のテキストの中で上記1の中で説明される「使用する時の条件」は「手札からベンチに出したとき」で、2は「相手の手札を見て、その中のたねポケモンを好きなだけベンチに出す」です。
1については、ベンチに出した時に特性の使用を宣言すれば、クリアできそうです。
ところが、仮に2にあたる部分を実行しようとした場合、相手側のベンチがいっぱいである以上、たねポケモンをベンチに出してもらうことができません。
出してもらうことができない以上、特性を使用した前後で状況の変化、より具体的には盤面上の変化はありません。(細かいことをいえば、手札を見せるか見せないかという変化はありうるような気もしますが、ここでの「状況の変化」は盤面上の変化を指しているように思っています。)。
したがって、特性「みわくのウインク」の使用をそもそも宣言することができません。特性の効果をできるところまで実行する、ということは許されていないのですよね。
第4 総括
「状況の変化が何も起こらないことがわかっている場合」に◯◯を使用できない、という考え方は、トレーナーズ(グッズ、サポーター、スタジアム)の説明の部分にも記載されているので、覚えておいて損はないでしょう。
パッと思いついた事例ですと、ベンチがいっぱいの時にスタジアム「ポケモン研究所」の効果を使って、山札の確認だけすることはできるのか、とかね。
カードの説明文に明確に書かれることはない以上、絶対に覚えておかねばならないです。
この通底する考え方を身につけておけば、Q&Aをいちいち確認しなくても大丈夫そうですね。
では、今回は以上!よきポケカライフを!
ちなみに僕は手札を見せました(オイ
※追記1
「状況の変化」の説明で「盤面」という言葉を使いましたが、公式の言葉ではないのでこちらで追記します。
ここで僕が想定していた「盤面」とは、「場」+「山札」+「トラッシュ」+「手札」+「ロストゾーン」のことであり、お互いの目に見える範囲のことを指しておりました(公開情報という方もいるかもしれません)。
おそらく「状況」というのは、上記を意味していると個人的には考えておりますが、ポケモンカードの公式サイト「場所の名前」にはそれらをまとめる概念を定義していないので「状況」という一般的な言葉でお茶を濁していると思われます。
※追記2
特性の使用を宣言できるかの②の点は、特性使用宣言時点を基準に考えなければならないので、仮に特性の効果に従った場合に状況は変わるのか、という仮定法で考える必要があります。
つまり、実際に2まで実行した結果として状況に変化が起こらなかったとしても、特性の使用が宣言できるかどうかとは関係がありません。
例えば、今回の問題で僕のベンチに空きがあり、手札にたねポケモンがいるにもかかわらず、相手としてはたねポケモンをベンチに出させないと判断したとします。
この場合、特性の使用により盤面に変化は生じていません。
しかし、使用宣言時点では、ベンチに空きがある以上、変わる可能性があるわけですので、②の問題は「2まで行った結果で状況の変化が何も起きないことがわかっている」とは言えません。