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まとめテストで平均90点以上!(ほぼ満点)   小学校の漢字指導のポイントその1

漢字指導でいつも伝えていたこと
前回からの続きです。
漢字ゲームは楽しく、子どもたちも夢中になります。しかし、定着という観点で見ると、ゲームだけでは十分ではないと感じていました。そこで、ゲームを取り入れつつ、必ずその場で漢字の練習も行わせるようにしていました。この両面を組み合わせることで、子どもたちのモチベーションを維持できたと思います。
では、具体的な取り組みについて説明します。

フラッシュカードの活用
まず、フラッシュカードを使って漢字の読みを徹底的に練習させていました。子どもたちにずっと伝えていたことは、「漢字を読めなければ書くことができない」ということです。

例えば、「奔走(ほんそう)」という漢字を覚える場合を考えましょう。読み方を知らなくても、形だけを覚えることはできますが、授業が終われば忘れてしまうことが多いです。しかし、読み方を理解していれば、それが言葉としての経験となり、長期間覚えておくことができるでしょう。

ですから、私はまず漢字の読み方を重視し、徹底的に覚えさせることを心がけました。テンポよくフラッシュカードを見せながら、私が漢字の読み方を発声し、その後に子どもたちに同じように言わせる方法を取り入れました。「水」の字ならば、「みず、スイ」と訓読みと音読みを交えながら進めていきます。逆に、子どもたちが最初に発声し、私がそれに続くような方法もとりました。また、グループ全体で行ったり、個別に行ったりと、様々な方法で練習のバリエーションを取り入れました。これにより、反射的に正確に発音できるようになるまで、継続して取り組みました。

実際の経験から言えることですが、1週間で10個の漢字の読みを繰り返し練習すれば、すべての漢字を読むことができるようになります。読み方を先に身につけることで、その後の書き方にもつながる練習です。
 
一日3個なら覚えることができる
そして、読みを先行し、読めるようになった漢字を毎日3個だけは確実に覚えることを目標にしました。10個覚えるのは無理だと言う子もいますが、3個くらいなら誰でもできると考えます。小学校で覚えるべき漢字は年間約200文字です。計算すると、200 ÷ 3 = 約67日で覚えられることになります。年間の授業日数は約190日なので、余裕を持ってすべての漢字を覚える時間が確保できるのです。残りの時間を復習に充てれば、定着させる時間も十分に確保できます。
しかも、3文字であれば覚える時間も数分で済むので、子どもたちにとっても負担が少なくなるのです。

漢字学習の効果的な方法
漢字の練習は、ノートに書かせるのではなく、机に指で書かせることを基本にしました。これにより、「練習しなければならない」という心理的なハードルが下がりました。ノートに書くという行為は、低学年の頃から何度も繰り返し書かされていることに対する嫌悪感を呼び起こします。特に漢字が苦手な子ほど、その感情が強いのです。

そこで、「指で机に書けばいい」と指導しました。これなら、すぐに取り組め、後片付けも不要です。また、指で書くことにはもう一つの効果があります。それは、字を頭の中でイメージしなければならないという点です。ノートに書けば字は目に見えますが、机に指で書く場合、頭の中に残像を残す必要があります。このプロセスが記憶の定着に役立っていると考えています。
ただし、指で書くだけでは実際に鉛筆で書く感覚とは異なるため、実際に字を書かせることも重要です。この2つの活動を上手に組み合わせることが、教師としての腕の見せどころだと思います。


机に指で書かせるときにも集中力を維持するポイントがあるのですが、それは次回に。


練習に対するアプローチ
いつも子どもたちに伝えていたのは、「先生は練習を10回しなさいなんて言いません。覚えるまで練習すればいいのです。1回で覚えられたら1回でいいし、10回でも足りなければもっとすればいい。人それぞれです。ただし、チェックは厳しいですよ。覚えていない場合は、何度も練習してもらいますからね。」ということです。
練習は自分のペースで行うことを尊重し、その後、覚えた漢字をドリルやスキルに書き込ませます。こうして、子どもたちの気持ちのハードルを下げ、結果的に学習の効率を上げることができます。




チェックと練習の重要性

最後に、練習時の注意とチェックが非常に大切だと考えています。この点については、次回以降のブログで詳しく書いていきます。


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