こどもに初めてプログラミングを教えた時の課題と、試した対策③
こんにちはー!
近所の子供達にプログラミングを教えています、
「codomoプログラミング」の高松です。
3年近くこども達にプログラミングを教えてきて、
うまくいかなかった方法や、
その改善なんかについて書いてみたいと思います。
前回の記事はこちら
●誰に向けた記事か?
私が行なっているのは、不定期に行う教室です。なので、
・毎回同じ生徒が来るわけではない
・毎日行なっているわけではない
などの方にはマッチするかなと思います。
●自由に学ぶスタイルを継続させるには?
「自由に学ぶスタイル」がなぜ良いのか、は前回書いたので読んでください。それで、このスタイルを継続して学んでもらうには、
①子供達には、最低限必要な知識を先に学んでもらう
②作りたいものを思いつく仕組みをつくる
③お父さんやお母さんに「続けて行かせたい」と思わせる体験を作る
④フリークラスは継続的に学んだ子だけが受けられる「特典」にする
という点を押さえてやることで、うまく行っています。
なぜそうなのか、
理由も書いてみたいと思います。
①子供達には、最低限必要な知識を先に学んでもらう
これはもう、シンプルです。
あまりに知識がない状態で自由に学ばせようものなら、
色んなところで「せんせ〜、わかりませーん!」の連発です。
こうならないために、最低限の知識を先に学んでもらいます。
①-1:プログラミングに関する最低限の知識を学んでもらう
後に、それを学んでもらうために「学習クラス」という別のクラスを作りました。内容は、く●ん式のような学習スタイルで、独自の教材を黙々とやってもらうクラスです。
:
レベル4までの全内容はリンク貼っておきます。
ご興味あれば見てみてください。
(この独自の教材をゼロから作った経緯は、別の記事にします)
で、レベル4まで終わったら、自由に学ぶスタイルの「フリークラス」に参加できるようにしています。
①-2:タイピングに関する最低限の知識を学んでもらう
最初のころ、タイピングはやっていませんでした。
理由は単純で、プログラミングと本質的に関係がないからです。
しかし、タイピングがぜんぜんできないと「せんせ〜、わかりませーん!」ってなるので、うんコレはやった方がいいな!ということでやりはじめました。
今はこんな感じのタイピングアプリケーションをScratchで作ったものをやってもらっています。
要は、どの指がどの文字を担当しているのかを一つ一つ覚えてもらい、
最後は全ての指でブラインドタッチができるように目指すものです。
他にもレベル上がった子にはいくつかのタイピングゲームをやってもらっています。
ご興味あれば見てみてください。
こども達には「前回の自分のタイムを超えるようにがんばろう!」って言ってます。
で、30秒以内になったら次のレベルのゲームができるようにしていて、ゲームが終わるたびに何秒だったかみんなに点数が聞こえるように言ってもらいます。(もちろん点数は一人一人残しています)
コレがまた想像以上に、こども達はハマって楽しんでくれます!(^^)
タイピングに関しても、色々な変遷をへて今の形になったので、
そのうち別記事に書きたいと思います。
②作りたいものを思いつく 仕組みをつくる
これはまだ試行錯誤の途中ですが、
望月 陽一郎先生がfacebookで以下のようにおっしゃっていました。
「プログラミングを教える3段階として、
・まねる段階
・変える段階
・つくる段階
をよく話します。
(望月先生は大分の中学校教諭をされた後、現在は大分県立芸術文化短期大学の非常勤講師をされていて、先生や保護者向けプログラミング講座の講師をされたりもしています。
詳しくはこちらのサイトをご覧下さい)
望月先生のコメントを見るまでは、それぞれのやり方を段階を踏まずにやっていました。特に初心者にいきなり「つくる段階」は結構無謀で、
今ではそれはやらないように意識しています。
それで、まねる段階に関しては、先ほど記載した、く●ん式のような形で学べば概ねOKかなと僕は思っています。
で、変える段階や、作る段階が、難しく感じる子が結構います。なぜか?
要は「アイデアがわかない」のです。
作りたいものをすぐに思いつく子はそんな多くないわけです。
それで、今は2つの方法をとっていて、
・中途半端なプログラムを作ってもらう
・スプライト(キャラクター)を直接触りながら会話する
というのをやっています。
●中途半端なプログラムとは?
味方や敵やアイテムが出てくるゲームがあるとしたら、味方しかいないプログラム、アイテムしかないプログラム、といった感じです。
これを作らせると、こども達は自然に続きが作りたくなるようにしています。↓こんな感じです。
ただ、そもそもコレを作りたがらない子はいますね(笑)
スプライト(キャラクター)を直接触りながら会話するとは?
スクラッチで使える全てのスプライト(キャラクター)を印刷して、カテゴリに分けてます。
これを一緒に触りながら会話するわけです。
そうすると、そのキャラクターの動きとして足りない部分などがわかりやすいです。
(どんな感じで使うか動画も撮っているので、後ほど編集してこのページに載せておきます)
「こんなことするくらいなら、最初からスクラッチで作れば良いじゃん!」
と思う方もいるかもしれません。
私も最初そのように作らせていました。
でも、自由に作らせると大きな問題が起こります。
「最初に考えたものと、どんどん違うものを作り始めます」
もっとわかりやすく言いますと、
「何でもないものが出来上がります」
「自由に作るのは別に悪いことじゃない」そう思う方もいるかもしれません。でも、考えてみてください。
あらゆる製品やサービスは、作るときに
「こういうものを作ろう!」という企画がまずあり
その企画通りに作る。という流れですよね?
出来上がってみて良くないことはあるので作り変えることはあっても、
一旦目指したものを作ってからでないと、人の意見は聞けません。
つまり製品やサービスを作る流れは、
「考える」プロセスがあり
「作る」プロセスがあります
そして、良し悪しを判断し、改善を繰り返します。
なので、「考える」と「作る」を分けて意識することは大切だと思っています。
最初の頃、「考える」プロセスと、「作る」プロセスをしっかりと分けるために ↓こんな設計書を書いてもらってました。
設計書を書かせるのは全然うまくいかないです!
面倒臭くて誰も書きたがらないわけです。
それで、今はこのカードを作って会話することで、こどもたちの思考整理をやってもらっています。
そして、会話した内容を、大人がテキストで書き起こしています。
そうすれば、何を作ろうとしているのか、子供達も後から見て、「あぁそうだったそうだった」と言いながら目標のものを作ってくれますし、大人もそのテキストを見返せば何を作ろうとしているのかわかります。
(もちろん勝手に改造する子が全くいなくなる訳ではないですが、かなり改善できました)
特に低学年の子や、考えがまとまらないうちから作り始める子には特に有効だという感があります。
高学年の子や、考えがしっかりした子は、カードを使わなくとも会話をしてアイデアを発散してあげるだけでかなり効果があります。
...だいぶ記事が長くなってきましたね。。。
③お父さんやお母さんに「続けて行かせたい」と思わせる体験を作る
④フリークラスは継続的に学んだ子だけが受けられる「特典」にする
は次回に書かせてください。
それではまた!