1.5kgの鰤を計画的に食べる - 1日目(生食編)
「鰤王」という、とても美味しくてでかい鰤がお取り寄せできると聞いたので買ってみた。この記事は、美味しくてでかい鰤の半身を4日間かけて食べた記録です。
鰤王が取り寄せできるサイト「長島大陸市場」
「鰤王」は鹿児島にある「長島大陸市場」というお店から取り寄せができる。
長島大陸市場
https://nagashimatairiku.com/
このお店では鰤王の他に、鯛の「鯛王」や、アワビ、サバ、あおさのり、デコポンなどこだわりの食材を買うことができる…が、注文時、鰤の事しか頭になくって、全然見えてなかった。ということで、アワビ買えばよかった…と後悔しながらこの文章を打っている。
今回は鰤王の「フィレ」という半身の1.5kgのものを買い求めた。魚を丸のまま買うことはあるけど、鰤の半身を買うのはこれが初めてだ。
消費計画を立てる
さて、1.5kgとなるとかなりの量なので、これは事前に計画を立てた方がいいなと思った。我が家は3人家族(ただし1人は幼児なのでほぼノーカウント)なので、1日に1人約200gを食べれば十分と考えると、4日で1500g消費できる計算になる。
1品目で200gを食べるのはさすがに飽きそうなので、1品目100gを目安に2品作ろうと思う。大まかに以下のようなプランでいき、あとは現物を見てメニューを考えようと思う。
初日…生食。刺身、なめろうなど。
2日目…半生食。しゃぶしゃぶ、たたきなど。
3日目…加熱食。煮物、あら汁、焼く、フライ、蒸す等。
4日目…熟成食。味を予め漬け込んで加熱するもの。味噌、粕漬け等。
さて、王は注文から5日ほどで届いた。
いざ実物を見るとデカい…これだけ大きい魚を買うのは初めてかもしれない。左下にあるのはiPhone7。
開封してみると、まず皮の美しさに目を奪われる。鱗の一枚一枚がきらきら輝いていて全身が光っているように見える。そして中心からやや上くらいに金色の筋が走っている。
切り分ける
どの部位をどの料理に使うか考えて、大まかにこのように切り分けることにした。考慮したポイントとしては、
・背側に比べて腹側が脂がのっている
・尻尾、尾に近い腹の方は形が均一に揃わないので細切れに叩いたりする料理向き
の2点。
②、③、⑤はこの部位にこだわらなくてもいいかと思う。今回は腹の部分で脂の多い②の部分を贅沢に刺身にすることにしたけど、⑤と入れ替えてもいいし、半々でも全然いいと思う。④、⑥は形が均一にならない部分なので、細切れにしたりと切り方を問わない料理法に使う事にした。
まずはカマを切り分ける。今後の調理法を広げるために鱗を落としたいところだったが、迷った挙句、落とさないことにした。もう半身になってしまっているので、鱗を落としたら洗い流す事になるかなぁ、と思ってしまい、身に水が付くのを嫌ったからだ。シンクが広ければ、シンクを綺麗にしてから鱗を落とし、水を使わずにキッチンペーパーでふき取るのがよさそう。
カマを落としたら、他の部分も先ほどの切り分け図に従って切り分ける。
切り分けたら、キッチンペーパーでくるんでジップロックに入れて冷蔵庫へイン。
鰤かまの粕漬け
切り分けたカマは粕床に漬けた。参考までに粕床は下記のような割合で作った。
板酒粕:酒:みりん:味噌:塩=10:2:1:1:1
ジップロック等に入れて漬けると少量で済むのでおすすめ。これを4日ほど寝かせる。
鰤の刺身
切り分けた身から、まずは刺身を。血合いの部分が美しい。何色というんだろう??食べてみると、やや厚めに切ったものの、抵抗なく噛み切れて噛み心地がいい。ふわっと口の中に柔らかい味が広がる。そして、口の中にとても自然に溶け込んでいく。脂分もじつにちょうどいい。何よりうまみが多くて、ため息が出てしまう。鼻から抜ける香りに、太陽とか干し草のようなイメージが脳裏に浮かんだ。
薬味をいろいろ試したところ、かいわれ大根+おぼろ昆布+土佐酢の組み合わせが最も美味しかった。おぼろ昆布と合わせると鰤のうまみが何倍にも感じられて、かいわれ大根の辛味と土佐酢によって口の中がさっぱりと洗い流す。
鰤のサラダ
刺身がとても美味しかったので生ものを1品増やした。トマト、きゅうりをさいのめに切ってしょうが醤油で和える。これは和食の神様、野崎洋光さんのレシピ。トマトのうまみが鰤を引き立たせつつ、きゅうりがさくさくと楽しい食感を与えてくれる。しょうが醤油をこれらをとりなすように調和してくれる。刺身からの変化としてはもってこいだった。
鰤のなめろう
尻尾の部分はなめろうにする。なめろうというと、アジが一般的に思われているが、私は刺身に向いている魚だったらなんでも美味いと思う。とりわけ、鰤はなめろうに向いている。昔、太田和彦さんがテレビで「鰤のなめろうは、なめろうの王様」と呼んでいたのを覚えている。さらに今回は鰤王を使っているので、キングオブキング的なすごいなめろうになるに違いない。
皮をはいだら、薬味・味噌と一緒にたたく。剥がした皮はあら汁に入れるのでとっておく。
薬味はシンプルに、みょうが・ショウガの2つにしてみた。それに赤味噌を入れてたたく。だいたい割合的には、鰤の身の量の1/5を目安にしている。赤味噌はおおよそ塩分12%くらいとすると、鰤と合わせることで塩分が全体量の2%くらいになり、しょっぱめで酒のアテにぴったりになる。(はず…)
なめろうには焼酎を合わせてみた。
鰤王のなめろうは、味噌の甘味と辛味、鰤の脂、うまみと薬味が渾然一体となって複雑なうまさになっていた。
なめろうは全部食べてしまいたい気持ちを抑えて、最終日の「さんが焼き」用にもとっておく。鰤は味の乗りが遅い魚なので、きっと数日間の熟成でより美味しくなる…はず!
以上、鰤の調理初日でした。あまりに鰤に満足して、この日の夕食は本当に鰤しか食べなかった。鰤が美味いものだからあまりに酒が進んだ結果、翌日大変な二日酔いに見舞われてしまいました…
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