病室、8210号室。

部屋中に死んだ細胞が充満し死の匂いが堆積している。
日々弱りゆく母の顔。長い睫毛に縁取られた瞼が開く時間も日に日に短くなってゆく。
あとどれだけの時間が残されているのだろうか…これから先の人生に母の存在がなくなるかもしれない事実が重くのしかかる。
免疫よ、母の免疫よ、どうか力を振り絞り、母の中の癌細胞をやっつけておくれ、と。私は今日も全力で祈るのです。



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