新年初、笑い泣き
初笑いと初泣きが一気に来た。
つまり笑いすぎて泣いた。
ことの流れはこうである。
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昨日、いつものように夫が面会に来てくれたので、いつものように他愛ない会話をする中で、まず私はこの話をした。
先日朝の巡回で、看護師さんが便の回数を聞かずに行ってしまい、その数分後に戻ってきて、「藤枝さんすみません、先程便の回数を聞き忘れてしまいました」と言うので、小便と大便の回数を伝えた。そしたらその数分後にまた同じ看護師さんがやって来て、さっきとほとんど同じ声のテンションと表情で「藤枝さんすみません、先程便の回数を聞き忘れてしまいました」と言うので、私は自分がワープしているのかと思った。
そして次にこの話をした。
先日厨房の人がいつもどおりお膳を運んできてくれて、私もいつもどおり「よし食べよう」と箸を手に取ったら、再びノックの音が鳴り、「はーい」と振り向いたらまた厨房の人がお膳を手に持って立っていた(部屋を間違えたらしい)。
この、二つ目の話をしている途中で、私はなぜか笑いがとまらなくなってしまった。しかも、大笑い。ひとりで。夫全然笑ってないのに。この話そんなに面白くないのに。ヒィヒィ言いながら、というか本当にひとりで「ひぃ~!!」と言いながら、ブタ鼻になりながら、なにかにとりつかれたように、文字通り「笑い転げ」た。副作用で、ただでさえ呼吸が苦しいのに、笑いすぎて本当に苦しかった。それでも止まらない笑いと涙。あんなに普段気にしているお腹を全く気にすることなくベッドに倒れこんでは笑い、起き上がっては笑い、ドン引きしている夫の表情を見ては笑い、もう何もかもがおかしくて、しばらくひたすら笑って泣いていた。こんな笑いかた、未だかつてしたことがないので、私自身も笑いながらびっくりしていたし、当然夫もびっくりしていた。私の笑いが一段落すると夫は、「精神的なものもあるらしいよ」といつもどおりのテンションで言う。私があまりにも笑っているので、その間にググっていたらしい。そのことがまたおかしくて、「(検索ワードは)なにで調べたの?」ときいたら「笑い 止まらない」と答えるので「そのまんまじゃん」とツボに入ってしまい、また笑った。
夫が帰ったあと、自分でもいろんなワードでググった。それくらい変で不思議な出来事だった。それからしばらくして面会に来てくれた母にその話をしてみたら、また笑いが止まらなくなりそうになり、そんな私を見て母も笑い出すので、「これはまた笑い泣きループ突入か?」と思ったけど、なんとか無事に話しきった。やっぱり結論は、精神的なやつだよねということになった。
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今日、待ちに待った正産期がきた。
これからが本番なのに、やりきった感が半端でない。
刺されまくった点滴も、やっと抜いてもらえた。
今日からは、汗をかいたら自分で着替えることができる。というかたぶん、毎日シャワーを浴びることができる。
部屋にこもりっぱなしの、24時間ずっと点滴と一緒の、約3ヶ月の入院生活がいったん終わる。
「廊下を歩いてもいいんですよ」と看護師さんに言われたけれど、なかなか一歩が踏み出せないもんだな。
看護師さんも、厨房の人も、お掃除の人も、両手が自由になった私を見て「わぁ!良かったですね!」と口々に言ってくださり、そうやってみんなが喜んでくれることは決して当たり前のことではないからこそ、この病院で産めることを本当にありがたく思う。
そして、これまで「大丈夫、大丈夫です」と言いながらたまっていたなにかは、笑いと涙になって昨日全部出たような気がする(ちなみに以前一度だけ病室で母と話していて辛くてブワッと泣いてしまったことがあるのだけれど、それがあったからこそ昨日の笑い泣きがあるのだとも思っている)。
今晩なにもなければ、明日は一時退院。
あとはもう本当に、「いつでも来い!」という感じだ。
なるべくリラックスして、笑顔と涙がいっぺんに来る日を待ちたいなぁと思う。
ひとまず、お疲れ様でした。