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大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」(6)「鱗剥がれた『節用集』」(2025年2月9日放送総合20:00-20:45)

今回は佐野政言(矢本悠馬)が登場。出自の怪しい田沼に系図を提供しようということで田沼意知(宮沢氷魚)に面談。意知は乗り気だったが、父・意次(渡辺謙)は「由緒など不要」とそれを投げ捨てる。まさか、これがのちのちの大事件に繋がるとは思ってもいなかったであろう。ドラマでは佐野はちょっと追い詰められている感じに描かれていたようであったが、矢本がそれを上手に演じていた。

ドラマでは大人気の長谷川平蔵(中村隼人)も再登場。鱗形屋孫兵衛(片岡愛之助)のニセ版摘発に協力する(安永4[1775]年)。平蔵、この時31歳。前年に西城御書院番士になっており(「御番入り」)、旗本の子弟として順調なスタートを切っていた。「本所の銕」と呼ばれたやんちゃ時代があった平蔵であったが、三方ヶ原の戦のときにご先祖様が戦死しているという徳川元勲の家系であるという「由緒」がものを言ったらしい(瀧川政次郎『長谷川平蔵』中公文庫、1994年)。ドラマでは平蔵に「お城勤めは性に合わない」という主旨のことを言わせていたが、この後、39歳の時御徒頭に出世、さらにその2年後の天明6(1786)年にいよいよ御先手弓頭にまで出世し、翌年「火付盗賊改」の加役を受けることになる。ちょうど田沼が失脚したあとのこと。まだ先は長い。

画像の系図はこちらから引用。


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