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『青天を衝け』第26回「篤太夫、再会する」(2021年9月12日放送 NHK BSP 18:00-18:45 総合20:00-20:45)
東京パラリンピック2020開催期間の中断を経て、放送再開の『青天を衝け』。フランスから帰国した渋沢篤太夫(吉沢亮)がいよいよ「日本資本主義の父」として活動を開始していく。が、その前に今回は故郷血洗島の家族、尾高家の人びと、そして駿府に謹慎している徳川慶喜(草彅剛)との再会をはたすという回。
冒頭、血洗島の菜の花畑の故郷のシーンは美しい。平九郎(岡田健史)もこの菜の花から取れる菜種を絞った油を売っていれば死なずに済んだかもと思うと涙を誘う。てい(藤野涼子)の嘆きももっとも。尾高長七郎(満島真之介)も不遇のうちに死んでしまっていたのだが、篤太夫の夢の中では元気な姿を見せる。それが悲しい。
篤太夫の帰国祝いの宴席で「東の家」(ひがしんち)の宗助(平泉成)はもう横浜で生糸の商売を始めて儲けたという話が出て来るが、今回のポイント(?)は「インド商人相手にまっさか良い値で売りさばいてやった」という宗助の台詞。幕末以来開港場として徐々に発展をみせていた横浜は、欧米だけではなく、アジアに向けても貿易取引を拡大(むしろアジア商人たちとの取引のほうが多い)していたということ。この台詞は経済史を勉強していないと書けないだろうなぁと思った(伝記資料その他にそうした記述があったか? あったとしてその話を台詞に入れたことにセンスを感じた)。
ところで篤太夫が買ってきた土産って何だったのだろう? 気になる。気になる(笑)。土産話のほうは、鉄道、ガラス、エレベーターなど。篤太夫がのちに事業化するものばかり(エレベーターは違うかな?)。
五稜郭での戦いでの成一郎(高良健吾)の話は土方さま(町田啓太)のシーンを出すための無理矢理っぽいのだが、そこでは高松凌雲(細田善彦)は赤十字精神を発揮しつつ傷病兵の治療に当たっていた。高松はその後、日本の赤十字運動の先駆者となる。
一方、篤太夫は成一郎たちの箱館戦争には加わらず、一からの出直しを誓う。生きてさえいればなすべきことがあると。
最後は駿府に帰国報告に行く篤太夫。フランスで一万両の余り金が生じたことを大久保一翁(木場勝己)に報告。その後、宝代院で慶喜と再会する。大久保はこの時の篤太夫の報告を聞き、駿府藩の財政建て直しのために篤太夫を商法会所(いわゆるカンパニー)を抜擢することになるのだが、その話は次回に続く、である。