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大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」(2)「吉原細見『嗚呼大江戸』」(2025年1月12日放送総合20:00-20:45)
画像はWikipediaより引用。
国を閉ざすという頓知気をしたおかげでオランダに金も銀も吸い上げられた日本。田沼意次は銅を盛んに輸出し、銀を買い戻し、さらには天領の銀山開発に力を入れていると「貧家銭内」(平賀源内:安田顕)は言う。実際、17世紀後半から18世紀前半までは、日本が世界1位の銅生産国であったと言われており、「日本における銅の価格は、ヨーロッパの銅鉱山におけるその価格に、一定の影響を及ぼすに違いない」と指摘されるほどだった(アダム・スミス『国富論』」第1篇第11章第2節、訳は高哲男)。
「貧家銭内」が鋭く指摘したように、田沼は良質の銀(南鐐)で「二朱」という金貨の単位をもつ貨幣(=南鐐二朱銀)を流通させようとしたことが、「とてつもない優れもの」。田沼は新しい貨幣で金融の手綱を握りたかった。老中松平康福(相島一之、銀山で潤う浜田藩主)の「それは良い……」という発言を遮ったのは、松平武元(石坂浩二)。この爺さんが今後どうなっていくかはお楽しみである。