
2024年に読んだ本など(3)
画像は台湾の北投温泉にある臺北市立圖書館北投分館の閲覧スペース。外観もとても素敵な図書館。
基本、電子書籍はあまり買わないのだが、マンガはシリーズになるとスペースを取るので電子版を買うことがある。たとえば、能條純一、半藤一利 『昭和天皇物語』(1〜15巻、刊行中)。今年は14巻と15巻が出た。いよいよ対米英開戦へ……。多分、真珠湾を描く16巻は間もなく発売だと思う。同じ戦争物では武田一義、平塚柾緒(太平洋戦争研究会) 『ペリリュー 楽園のゲルニカ』(全14巻)が秀逸。すでに本編は完結しているが、現在も外伝が年一冊ペースで出ていて楽しみにしている。今年は『ペリリュー ―外伝― 3』が出たので即買い。彼らの「戦後」も描いているのがとても良い。
電子書籍ではないマンガとしては、佐々大河『ふしぎの国のバード』の11巻、12巻を購入。いよいよ蝦夷地編でこれまで以上に面白くなってきた。開拓時代の北海道を描いた作品だとあの『ゴールデンカムイ』があるのだが、漫画版は31巻あってなかなか手が出せない。大人買いするかどうか思案中。
ちょっと変わったところでは、ドリヤス工場『昭和怪事件案内』(文春e-book、2024年)が面白かった。タイトル通りの内容で昭和の怪事件をコンパクトに面白く描いているのだが、30の事件のチョイスがなかなか良い。知っている事件がほとんどだったが、記憶が曖昧だったものもあって勉強にもなった。本作品、水木しげるをリスペクトして水木風タッチなのも面白いが、ヤマザキマリ編『水木しげる厳選集 異』と佐野史郎編『水木しげる厳選集 虚』が出たのも今年夏のことであった。やはり水木しげるは良い。
(次回、最後)