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ビジネスコンプライアンス検定上級に合格するための勉強法について
2025年2月に受験したビジネスコンプライアンス検定上級に合格しました。
お恥ずかしながら、1回目は落ちてしまい2回目の合格です。
比較的マイナー資格であり、ネットでの受験期もIBT受験になる前の過去のものが多いことから最近の合格記がない。
というわけで皆さんの役に立てればという理由で記事を作成しました。
合格した感覚としては「ビジネス実務法務検定1.5級」という感じ。
ビジネス実務法務検定2級にコンプライアンスのエッセンスが含まれているという印象を持ちました。
ビジネス実務法務検定2級にほぼノー勉で受かった自分でも1回は落ちてしまった試験です。
とはいってもビジ法を受けたのは5年前だったので忘れているところも多かったかもですが…(言い訳)多少なりとも事前に勉強したほうが良いと思います。
過去問題集を回すだけでは不十分と思われ、公式テキストや日経新聞なども読んで時事ネタにも慣れ親しんでおいた方がよいものと感じました。
合格時のスペック
資格試験の合格記事を書くのに際して筆者のスペックを記載しないのは片手落ち。
合格時の自分のスペックを記載しておきます。
学歴・職業
国立大学法学部卒業(会社法ゼミ)
アラサー
3,000名程度の企業の人事部(福利厚生担当)
合格時点の保有資格
宅建士
賃貸不動産経営管理士
FP2級
ビジネス実務法務検定2級
簿記3級
ITパスポート
危険物乙四
その他もろもろ
勉強時間はビジネス実務法務検定2級持っていれば20時間ほどでOK
合格に必要な勉強時間は自分の場合20時間ほどでした。
ビジネス実務法務検定2級に合格しているならば2週間それなりに勉強すればよいかと思います。
1回目の受験はWeb版過去問を2周だけしましたが、ビジネス法(会社法・金商法・労働法等)はともかく、フルセットコンプライアンスについての知識が不十分でした。
その結果成績が伸びず不合格。
2回目については公式テキスト「企業法とコンプライアンス」を2回読んだうえで過去問集を2回廻したうえで取り組みました。
このテキストは法学部の学部生向けの教科書のようなテキストですが、ビジネスシーンにおけるコンプライアンスへの考え方やいわゆるビジネス法についてわかりやすくまとまった本です。
単純に試験に受かるためだけでなく総務・法務部署の場合実務にも役立つため購入・読んでおくといいものと感じました。
過去問集はWeb版を利用しましたが問題数が多くないため微妙な印象です。
とはいえ他に問題集もないんですが…。
論述問題は難しくはないが新聞やニュースは見ておくべき
論述問題については直近の企業不祥事を題材にコンプライアンス上の問題点や、問題とならないための事前策を考えるものが一般的です。
自分が受けた2025年2月試験はジャニーズ事務所の性加害問題についてのケーススタディ。
普段から事務仕事等で文章を書いている人間であればそこまで困難なものではないと思います。
しかしながら実際のニュースを素にした問題が多いことから前提となる知識を得るという点で日経新聞やNHKのニュースなどを見て、問題意識を持っておくのが良いかと思いました。
(過去にはダイハツの燃費不正や商工中金の不正融資等が出題されているようです)
IBT試験はスマホスタンドを用意するのが面倒
試験についてですが、自宅で受けられるIBT試験。
以前ビジ法2級でもIBT試験を受けましたが、ビジネスコンプライアンス検定の方が色々と面倒。(ビジ法は2019年受験なので形式が変わっていると思いますが…)
ビジネスコンプライアンス検定上級の場合、Webカメラとスマホカメラを併用する方式。
スマホカメラをスタンドで自分の左斜め後ろに設置し、手元が映るようにすることで不正受験を防ぐものでした。
これは自分のように自宅にはデスクトップPCしかないタイプでは非常に困りました。
また、スマホスタンドも所有していない場合別途購入する必要があります。
全てがオンラインで完結するので出かけなくていいのはメリットです。
総評:資格難易度が比較的高いわりには知名度が低いという難点
ビジネスコンプライアンス検定上級はビジネス実務法務検定1.5級ぐらいに相当する難易度があります。
差異を言うのであればビジ法とは異なり国際法関係が出題されない一方、ビジネス法とそのコンプライアンス、企業不祥事における当事者としての対応能力を問う実践的な試験だと思います。このため、ビジ法より多少は楽しく勉強できるのではないかと思います。
法学部卒の大学生ならばビジ法2級を合格した後に一緒に受けてしまうのも悪くない資格です。
一方で資格難易度が比較的高い代わりに知名度はビジ法に比べると低いです。
私は人事担当者であり、法学部を卒業していますが、ビジネスコンプライアンス検定は会社から受験を勧められるまで知りませんでした。
このため、転職に直接的に役立つ資格ではないといえるでしょう。
企業でコンプライアンス担当や総務課に配属される等なければ社会人で特段取得するメリットが存在しません。あくまで上記部署の担当者・管理職が自己啓発的に取得すべき資格と言っていいかもしれません。
しかしながら、営業畑・技術畑から取締役に抜擢された方はぜひとも受験するべき資格ではあると思います。
取締役は会社法第423条で「その任務を怠ったときは、株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う」と定められており、責任がありますので…