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「真っ白なキャンバス」というアイドルの動画を250本撮ってみて

2023年は書籍用の原稿を1年で28万字書いた。稲葉浩志さんの著書『シアン』のインタビュー10万字、私の著書『72年間のTOKYO、鈴木慶一の記憶』の17万字、『大森靖子ライブクロニクル』の新規インタビュー1万字。『72年間のTOKYO、鈴木慶一の記憶』の本編16万字は、2023年9月から10月までの2か月で書き切った。『大森靖子ライブクロニクル』のあとがきを書き終えたのは、2023年の大晦日の夜だった。

すべて脱稿して2024年を迎え、再び白キャンこと真っ白なキャンバスの現場に戻ったのだが、あるタイミングで解散するという話を耳にした。いつ解散が決まったのかは私も知らない。

白キャンのライヴを撮りはじめたのは2019年3月25日だった。そこから現段階(2024年8月11日)までに撮影した動画は261本。この撮影は完全な私の趣味で、何の金銭も発生していない。私のYouTubeチャンネル自体は収益化しているが、白キャンの楽曲はごく一部を除き著作権で守られているので収益化の対象ではなく、また視聴者からStickerで300円ほどもらったこともあるが、深く感謝しながら、その機能を丁重にオフにした。なお、このnoteも投げ銭が一切できない設定にしてある。というわけで、金銭目的とは完全に乖離した発症、発作のようなものとして、私は白キャンを撮り続けてきた。

並行して書き続けてきた、この「『真っ白なキャンバス』というアイドルの動画を○○○本撮ってみて」シリーズも、解散前のこのタイミングで書くのは中途半端かと思ったが、2024年11月4日に白キャンが解散した後、私がどういう心理状態になるかはまったく想像ができないため、一応261本目までについて書き記しておく。

No.201 真っ白なキャンバス 2022/11/18 TOKYO DOME CITY HALL

今見ると、この頃は未来への希望がある。

No.204 【4K/色・明るさ修正版】小野寺梓(真っ白なキャンバス)「小野寺梓1st写真集 偶像に生きる」発売記念記者会見 2022/12/18 書泉グランデ

この記者会見は、私が動画を撮っておかないと記録が残らない可能性があり、SONY FDR-AX60を三脚に固定して回しておいて正解だった事例。集まった10媒体ほどに個別に小野寺梓がポーズを取っていき、それを3パターンほど繰り返したので、全編は30分近くあった。

No.216 【小野寺梓生誕祭2023】真っ白なキャンバス 2023/08/08 恵比寿LIQUIDROOM

この日は志村さんたちがオフィシャルの動画撮影をしていたので、私は遠慮して小野寺梓の「アイドル」を切り出してアップロードしなかったのだが、2023年10月になっても公開されないので、私がYOASOBIにインタビューした記事が公開されたタイミングで、小野寺梓の「アイドル」も公開した。

No.217 【三浦菜々子生誕祭2023】真っ白なキャンバス 2023/09/16 渋谷duo MUSIC EXCHANGE

「世界犯」で始まり、「らしさとidol」「モノクローム」もセットリストに入れられた、これぞ三浦菜々子という選曲。

No.219 真っ白なキャンバス 2023/12/02 日比谷野外大音楽堂

寒かった。新しい野音には焚火コーナーを設置してほしい。

No.220 真っ白なキャンバス 2024/01/07 豊洲PIT

この日は5人だったので全員とチェキを撮ったら、麦田ひかるに「なんで来たんですか?」と言われた。

No.222 真っ白なキャンバス「ちゅ、多様性。」(2024/01/18)

これは撮っていいのかきわどい判断を求められる局面だったが、この段階でDJ KOOさんに取材をすることも決まっており、「日和るべきではない」と腹を括って撮影した。

No.225 【鈴木えま生誕祭2024】真っ白なキャンバス 2024/02/11 渋谷Spotify O-WEST

鈴木えま、小野寺梓、浜辺ゆりなでPerfumeの「チョコレイト・ディスコ」をカヴァーしているが、それを収録した2007年の『Fan Service[sweet]』のリリース・イヴェントに私が行っていたことは、怨念じみていて鈴木えまにまだ言えていない。

No.226 【浜辺ゆりな生誕祭2024】真っ白なキャンバス 2024/02/25 渋谷Spotify O-WEST

浜辺ゆりなのお母様に会うたびに、2020年に浜辺ゆりなが加入してくれたことが、どれだけ5人時代の白キャンにとって重要だったかを話してしまうのだが、冷静に考えると老人の独り言っぽい。

No.231 真っ白なキャンバス 2024/05/04 お台場青海地区P区画

新しく買ったSONY α7CIIに、TAMRON 70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXD (A047)をセットして撮影したので、4K60pという高画質。α7CIIの瞳フォーカスの精度の高さは圧倒的なので、写真撮影の面でもおすすめしたい。

No.239 真っ白なキャンバス 2024/05/20 渋谷Spotify O-WEST

解散発表2日前の白キャン。「Heroine hour」の終盤で小野寺梓が泣いていることに私はまったく気づかず、終演後にメンバーに「気づかなかったんですか?」と言われた。また、多くは語らないが、この日は「ルーザーガール」がセットリストにある。

No.242 【西野千明生誕祭2024】真っ白なキャンバス 2024/05/26 渋谷Spotify O-WEST

54分過ぎのMCがとても西野千明らしくて良いので文字起こしをした。

なんか解散が決まってすぐのイベント、立て続けにあるじゃん。なんか自分、コメントでさ、「最後が増えるかもしれないけど」って言ってた矢先に「最後」が来てしまって、ひとつ。寂しさがあふれてるんですけど……だけどちあき生きてるから。生きてるから、みんな、寂しがらないで。一緒に歳重ねましょう。

この「西野千明生誕祭2024」は個人的には撮影面で大きな転換点で、これ以降の自分の動画の撮り方に関してはほぼ満足している。解散が決まってからでは遅い、と言えばそうだが。

No.245 真っ白なキャンバス 2024/06/03 渋谷Spotify O-EAST

「Heroism」での麦田ひかるのダンスのソロは、ズームしたのがやや遅いこと以外はうまう撮れたのではないかと思う。

No.249 【麦田ひかる生誕祭2024】真っ白なキャンバス 2024/06/15 白金高輪SELENE b2

麦田ひかるがひとりで中島美嘉の「僕が死のうと思ったのは」を歌ったのでとても驚いた。「セルフエスティーム」の1番のサビ前の橋本美桜の歌もとても好きだ。この日は、麦田ひかるの誕生日プレゼントとして、1メートルのオレンジ色のチンアナゴを抱えて運んだ。

No.252 【ホウラクさん撮影】真っ白なキャンバス 2024/06/16 福岡DRUM Be-1

私が撮影したのではなく、鹿児島在住のホウラクさんに、最後かもしれない全国ツアーの福岡公演の撮影を依頼したもの。ホウラクさんならではの機動的にして勘の鋭いカメラワーク。ホウラクさんのこの日の機材は1.5キロあったそうだ。

No.253 真っ白なキャンバス 2024/06/20 川崎CLUB CITTA’

GCOさんに「カメラワークが神がかっている」という高い評価を受けた動画であるものの、それほど再生されていない不遇の1本。

No.255 真っ白なキャンバス 2024/06/28 EX THEATER ROPPONGI

このツアーファイナル公演で、解散ライヴの場所が幕張メッセ幕張イベントホールであることが発表された。2時間を越える映像だが、集中力が切れず、個人的にかなり気に入っている。

Intermission:2024年7月8日の新宿歌舞伎町

7月8日に白キャンは新宿BLAZEで「真っ白なキャンバス フリーライブ 2024 夏」を開催したが、同じ日の同じ時間帯に、第1期BiSの再結成ライヴが新宿BLAZEの真横の歌舞伎町シネシティ広場で開催された。私は第1期BiS再結成のライヴレポートを依頼されたので、仕事を優先した。私は勢い余って写真まで自分で撮っている。この再結成ライヴでは、脳の奥底に封印してあった10年前の第1期BiS現場での興奮が蘇り、脳のなかで煮えたぎるような体験をした。今、白キャン現場のフロアに対して苛立ちもあるが、自分自身にずっと課している「現場不介入」のルールに沿って一切踏みこんでいない。第1期BiSの頃の自分が、今の私を見たら、あまりにも守りに入っていることに呆れ果てるだろう。ひどくつまらない大人になってしまった。ひどくくだらない大人になってしまった。

No.260 【橋本美桜生誕祭2024】真っ白なキャンバス 2024/07/18 渋谷duo MUSIC EXCHANGE

橋本美桜の白キャン最後の生誕祭のステージに飾られたのは満開の桜。ここまで特に書いていなかったが、生誕祭ではその日の主役を常に画面の中に入れるように撮影している。生誕祭の動画としても気に入っているので、小野寺梓と三浦菜々子の生誕祭もこの調子で撮りたい。

No.261 真っ白なキャンバス 2024/07/26 品川インターシティホール

SONY α7CII+TAMRON 70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXD (A047)で屋内での撮影を試みたところ、ステージが低くて何が何だかわからない映像になってしまった動画。こういうこともある。

ここまでNo.201からNo.261までを駆け足で振り返ったが、私は最近の白キャンのステージに対してかなり満足している。最後かもしれない全国ツアー「私とわたし」では、大阪、仙台、東京での公演を見たが、毎回いいものを見せてもらった感覚だ。一方で、メンバーは必ずしも満足していないかもしれないし、運営的にはどうなのかもわからない。ただ、白キャンの理想形が現在の7人であることは間違いないだろう。ならば、この7人で解散するのが一番良い結末だと思う。私は歳も歳なので、真夏の野外イベントはすべてスルーしているが、これ以降のライヴでは、人が多くなさそうな現場を重点的に記録していきたい。

言い残すことがあるとすれば、すでに解散まで3か月を切り、幕張イベントホールの動員面だけは非常に心配なので、何か役に立てることがあれば声をかけてほしい、という程度だ。