再び良きディズニーに ディズニーを愛する元SVがお伝えしたいこと
ここまで10回に渡り「私にしか書けないこと」をnoteしてきました。それでも書き足りないことは多くありますが、本日のnoteから「どうすればリピーター率97%を誇った東京ディズニーランドに戻せるのか」について記していきます。
東京ディズニーシー及び東京ディズニーリゾートに関しては情報不足であり、オリエンタルランドの元役員の方などによる東京ディズニーリゾート全体についての論評が出てくるのを待ちたいと思います。
1-①から④のなぜ書くか、ではサービスの品質低下を如実に表すゲストからの苦情内容が変わったことや、ディズニーランドは「子供も大人も」共に楽しめる夢の国ではなくなってしまったことなどについて書きました。
2-①から⑥の何を書くか、では「一強」加賀見俊夫元社長が1996年の「OLC 2010 Vision」発表以降、運営部とスーパーバイザーの弱体化を図ったことがパーク運営の混乱を招いた、ということを中心に書いてきました。
そして3のどうすれば、ではワンパークで1700万人ほどの入園者と97%のリピーター率を維持しつつ、そして適正なパーク内滞留者数に管理できるパーク運営による「良き東京ディズニーランドに戻す」ことは可能か、について述べますが、結論は不可能であるとしか言えません。
2001年からの小泉内閣の聖域なき構造改革 - Wikipediaと2012年からの安倍内閣の「アベノミクス」、SNS時代の到来、そして2020年からの新型コロナウイルスパンデミックにより、1983年開園から2001年の東京ディズニーシー開業までの東京ディズニーランドの顧客満足度の高さを話題にすること自体がアナクロニズム時代錯誤 - Wikipedia と言われるのかもしれません。
確かに社会は非正規社員化やアベノミクスなどの経済的要因により貧富の格差が拡大し、少子高齢化、「人手不足」も社会問題化しており、私企業である(株)オリエンタルランドも変革していかざるを得ない背景も理解できます。
しかしながら、ディズニーランドはここまで書いてきた新自由主義的思想、自己中心主義的思想とは異なる思想である「普遍的価値観」のもとで成り立っていたのであり、普遍性なく変化していくディズニーランドに大いなる未来はない、と私に限らずウォルト・ディズニーの「DNA」を引き継いだ人たちは皆、警鐘を鳴らしていることでしょう。
以下のnoteのタイトルだけご覧ください。
「今だけ、金だけ、自分だけ」|Markover 50〜人生後半戦を愉しむ (note.com)
『今だけ、金だけ、自分だけ』は、農業経済が専門の東京大学大学院・鈴木宣弘教授の言葉と聞いていますが、深い意味ではなく、「共助」、つまりに人と人のつながりによる助け合いの大切さを説いた言葉と私は理解しています。
次は「今だけ、金だけ、自分だけ」の典型的な言葉を。
19世紀の英国下町の守銭奴商人スクルージを描いたチャールズ・デイケンズの中編小説を、ディズニーが映画化した『ディズニー・クリスマス・キャロル』のパンフレットにあるスクルージの言葉。
「この世はすべて自己責任。他人の情けや助けに頼るなんて甘ったれは通用しない。人生は他人を押しのけても前へ上へ進む競争だ。目標は成功、出世、具体的に言うと金だ。途中で立ち止まって弱いもの、負け組に情けなんか掛けていたら、絶対に勝ち組になれんぞ。」
<引用終了>
最後にディズニーを愛する上澤昇元オリエンタルランド副社長著『ディズニー・テーマパークの魅力-「魔法の王国」設立・運営の30年-』より
サービスは結局相手に対する「思いやり」である。考えてみれば、これは機械文明の発達と、戦後の物質主義文明に走りすぎて結果、すっかり忘れてしまった日本人の美徳であった。「思いやりの心」をもつ企業は顧客を必ず満足させ、従業員の士気と世間の評判を必ず高めることができる。この精神に支えられた顧客サービスの実際を見て、アメリカのディズニー社のトップが「東京のディズニーランドはロサンゼルスのディズニーランドの水準を超えた」と素直に評価してくれたのだ。
<引用終了>
一人ひとりのゲストとキャストへの「思いやりの心」を忘れた企業に明るい未来はない、ということをオリエンタルランド経営陣に伝えたいと思います。
終了(数か月後に再開予定です)