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りゅうちぇるさん自殺の理由 5/8 沖縄と育った環境


 りゅうちぇるさんの痛ましい自殺の背景にあるのが育った環境です。ご家庭と母校の環境問題に対し、他人である私が「分析」めいたことを書くことに対して、お怒りの気持ちを持たれるのは当然です。
 
 それでも、りゅうちぇるさんの自殺の最大の理由は今なお続く沖縄問題にある、つまり、日本国民一人ひとりが共有しなくてはいけない日本社会の問題が自殺の背景にある、ということを、ここまで読んでいただいたあなたに知って欲しいのです。
 
悪の葉っぱに斧を向ける人は千人いても、根っこに斧を向ける人はひとりしかいない 
H・D・ソロー
 
 りゅうちぇるさん自殺の「葉っぱ」は誹謗中傷や女性ホルモンなのかもしれませんが、「根っこ」にあるのは、荒れる成人式が当たり前であった沖縄の「少年少女問題」です。
 
 朝日新聞社刊『夜を彷徨う 貧困と暴力 沖縄の少年・少女たちのいま』の紹介があります。中学校時代のりゅうちぇるさんが「こういう環境の中で自分を押し殺していた」と思いながら、以下の紹文に目を通してください。
 
沖縄の成人式が荒れる理由がわかった! 『夜を彷徨う』 | BOOKウォッチ (j-cast.com)
 
 りゅうちぇるさんは中学校3年間を「ヤンキーがトップに君臨するカースト社会で、本当の自分を隠した」と語っていたそうですが、アエラドットの同記事によると育った家庭も複雑であったことが記載されています。
 
 「人は6歳までの幼児期が最も心へのダメージを受けやすいので、幼児期に深く傷ついた人はその時から感情面では成長できていない」という内容の文を読んだことがあります。
 
 もちろん、「夫」らしく、正真正銘の「男」でいないといけない、ということにつらさを感じてしまった、とも語ったりゅうちぇるさんに当てはまるのかは誰にも分かりません。
 
 以下は、あくまでも「一般論(多くの人の見方)」です。
 
「子どもの頃からの多感な時期に、家族や周囲の人たちから受ける愛が十分でなかったり、感情を適切に表現できる言葉を教えてもらわなかったりした人は、自分の本当の思いを伝えることが出来ず、結果的に心の奥底にある感情の変化を伝える言葉を持たないで育つことになるようです。」
 
 学校や家庭での、怒りの感情を適切な言葉で伝える教育が重要な理由はここにあると言えるのです。
 
 ここで、ストロークという言葉を紹介します。あなたは知っていましたか。
 
 ストロークとは「心の愛撫」「心の食べもの」であり、このストロークを得るために人は生きている、といっても過言ではありません。日本人の多くは欧米人と比べ握手やハグなどのタッチストロークが苦手です。
 
 子どもの頃、してもらえなかったことは、大人になって子どもにしてあげられません。たとえば、クリスマスにプレゼント」を親からもらえなかった子供は、自分が親になっても、クリスマスプレゼントを子どもにあげることは難しいのだそうです。
 
 家庭内でのストロークや周りの人たちも同じです。
 
 あいさつから始まり、あいさつで終わる会話であったり、「たった一言が人の心を温める」の意味する言葉を日ごろから意識して使ったりするなど、言葉によるストロークコミュニケーションが子どもにとっていかに重要かの認識が、スマホ社会の今を生きるすべての大人たちに求められているのではないでしょうか。
 
 このストロークコミュニケーションについても、いつの日かこのnoteに書きたいと思っています。
 

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