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北海道ー新潟自転車旅 1日目

発車時刻1分前に滑り込むようにして乗り込んだ。
品川始発勝田行き上野東京ライン。
デッキに輪行袋に入れた自転車を括り付け、平屋のグリーン車で無事に目当ての自転車に乗りこめたことに安堵する。
休日の昼間というのに、同じ車両には2人か3人くらいしか乗っていない。
これがコロナ禍なのか。

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グリーン車の女性のアテンダントさんが来たので緑茶を注文。
コーヒーが好きな私であるが、鉄道に乗っているときは緑茶に限る。
それか酒だ。

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我孫子を過ぎたあたりだろうか。車両にはとうとう私一人になった。
そんな社内においても、アテンダントさんはかいがいしく車内販売に回ってくる。
私一人のために働いているようなものである彼女を見て、若干の優越感と申し訳なさを感じながら、どんよりとした曇天の車窓を眺めていた。

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約2時間ほどE531に揺られ、水戸駅で下車。
水戸に降りたのは初めてだったが、思った以上に駅は賑やかであった。

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長い駅前広場を歩き切り、輪行解除。
薄暗い天気の中、大洗まで自走を始める。

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途中でラーメンを食べたいという衝動が止められず、「中華そば 浜田屋本店」へ。

ラーメンと半チャーハンのセットを注文。ラーメンライスは常識である。


初めは「伊勢屋」というラーメン屋に行きたかったが、あいにくラストオーダーを過ぎてしまった。
そこで話しかけられた地元のおじさんに教えてもらったスタミナラーメン屋も営業時間外。致し方なし。

懐かしの中華そばという感じだが、動物系のダシが強く効いており、深いコクが感じられるスープだった。
チャーハンはガタイの良い兄ちゃんが激しく中華鍋を振って作っていた。
無論、美味しかったことは言うまでもない。
チャーハンだけでも食べに行きたいレベルだ。
ゆっくり味わいたいところであったが、フェリーの時間があるゆえ急いで腹に詰め込む。

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ラーメンとチャーハンで満たされた腹を抱えて自転車を漕ぐのは少々苦しいものがあった。
ただ、新調したばかりで空気入れたてのタイヤは軽快に私を大洗まで導いてくれた。
そして何とか時間内に「さんふらわあ ふらの」に乗船。
実に2年ぶりだ。

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座席はもちろんツーリストだ。
ロッカーは別にあるゆえ、不便を感じたことは1度もない。

荷物を置いた後に大浴場へ。
海を眺めながら熱めの風呂につかるのは実に気持ちがいい。
もっとも、真っ暗闇で何も見えないが。

風呂を出た後、横で着替えていた人の背中に鯉の和彫りが入っていたことが非常に印象的であった。
龍が如く1に出てくる錦山彰の刺青にそっくりであったためだ。
興奮したが、さすがに話しかける勇気は持ち合わせていない。

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水戸のマックスバリューで購入したオム焼きそばとレンチンご飯を発泡酒で流し込む。麺とライスは常識である。

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その後は船内を散策したり、甲板に出てカメラで遊んでいたり、悠々自適にフェリーの生活を楽しんだ。

途中で個室に入れなくて困っていた小さな女の子を助けたり、船内に売っていないと思っていたビールが販売しているのを見て狂喜乱舞したり。

北海道は向こう1週間天気が悪いようだ。
私の旅の始まりはいつもこうだ。

でも旅の終わりは決まって晴れてくれるのだ。

どうなることやら。

酩酊したままに床についた。

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