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【8日目】モトを奪う「困った人」と出会ったら(カンジョウのトリセツ)

 イジワルや暴力など、困ったモトあつめを「してくる人」は世の中たくさんいますし、もしかしたら「自分自身」がそれをやってしまっているかもしれない、という話の続きです。

◆一番目のモトあつめを「仕掛けられたら」

 ではまず、周囲の人々があなたに向けてやってくる「ネガティブなモトあつめ」をどうするか? という話をしましょう。

 前回で例に出したように、やたらおせっかいを焼きたがる人、常に怒鳴ってケンカ腰て話しかけてくる人、嫌味やイジワルを常に浴びせてくる人……こういう人はどこの世界にも一定数いるもんです。

 そういう人に出会ってしまったら、どうするか? 周りの人がすでにそういう人だったら、どうするか?

 そんなとき、あなたが一番に考えなければならないのは、次のことです。

『あなたは相手の「モト貯蔵庫」じゃない』

 相手がどうしてあなたに「イジワル」や「ケンカ腰」なのかというと、それは『モトあつめの習慣』なのでしたね。相手は「コイツをこういうふうに扱ったら、なんかスッキリするぜハハハ!」くらいに考えています(無意識に、です)。それにあなたが付き合う理由なんて一つもないんですよ。

 確かに、お金のためにそれを我慢する必要があるときもあるかもしれません(お仕事の上司だったり取引先だったり、親だったり)。お金はやっぱり大事なものなので、そういうこともあるかもしれません。ですが、限界を超えてモトを分け与える必要なんてないし、そもそもできません(モトには量があるからです)。

◆モトと「自分ファースト」

 モトの考え方をもう少し学ぶと、この世界で一番大事にしないといけないものは「自分自身」だとはっきりと分かります。自分自身を大事にして、自分のモトの量をキープできない人は、他人にモトを分け与えられないからです。モトの量が足りないと「二番目のモトあつめ」も発動しません。あなたのココロにとっていちばん大事なものは、あなたのモトの量なんです。

 ですから、相手が「仕事相手だから」「親だから」とアタマで考えてガマンしていても、ココロとカラダはちゃんと「もう限界だ!」というサインを出してきます。
 僕たちは「アタマ・ココロ・カラダ」の三つのパーツの集合体で、それらは対等な立場で「あなた」を作っているんでしたね。だから、アタマが考えたことだけを優先的にやろうとすることを『大いなる勘違い』というんでした(入門編参照)。アタマが考えたことをココロとカラダにやらせるのが人生だ、というのは「勘違い」なんです。
 この勘違いに気づいて、自分の意志で「ココロのケア」「カラダのケア」をしてやらないと、ココロもカラダも壊れてしまうんです。

 ココロやカラダが壊れてしまったら、もう相手に優しく接することができなくなります。なぜなら「モトには量がある」からでしたね。
 ココロが十分なモトを持っているから、人に分け与えても自分が「壊れない」わけです。逆に、少ない状態をキープしているときは、人に優しくするのは難しいものです。
 こういったことも「モトに量がある」ことと、「モトの量がやり取りされている」ことを意識していれば、すんなり受け入れられます。

 この「モトの量」「モトのやり取り」は、お金に少し似ています。持っていないお金を寄付することはできませんし、お金を取られすぎて足りなくなっても困ります。それに、いわれない理由で勝手にあなたのお財布からお金を抜き取っていくことなんて、許してはいけませんよね。
 モトも同じなんです。あなたのモトは『相手の財布の中身』ではないんです。あなたのモトは、あなたのモトです。相手の気分次第で勝手に奪わせていいものでは、ないんです。

(お金とモトについては、中級編でお話します。お金とモトには共通点が多いんです……お金はあまり勝手に増えたりしませんが……)

◆モトから得られる最適解は『逃げる』ことだ

 だから、結論としてはまず

「逃げて下さい!」

 あなたは相手の『モトの財布』じゃないんです。あなたのモトを勝手に吸い取ろうとしてくる相手とは、できるだけ距離をおいて下さい。これは感覚的な距離感もそうですが、危害を加えてくる相手からは物理的に距離をとって遠くに逃げて下さい。

 そして、どうしてもその人と接しないといけないなら、その前に自分のモトあつめをたっぷりしておいて下さい。吸われても大丈夫な程度に、あらかじめモトあつめをしておくんです。

 あそこで失ったモトと、こちらで得たモト、どちらも「モト」なんです。叱られて減ったモトと、マンガを読んで笑ったときに増えたモトは、同じモトなんですよ。モトに質なんてないので、とにかく「量」を集めるようにして下さい

 集めるときはできるだけ「二番目のモトあつめ」を意識して下さい。あなたが嫌いな人と同じやり方で、誰かに当たり散らすとか、怒鳴り散らすとか、嫌がらせをするとか……そういうのは相手のモトを減らすだけです。せっかくモトは「生み出せる」んだから、どうせなら「全体量を増やす」工夫をして、その場のモトがどんどん増えるようなモトあつめをしましょう。そのほうが、最終的にあなた自身が幸せになれます
 友達に愚痴を聞いてもらうのもいいでしょう。聞いてもらったらちゃんと「ありがとう」と言いましょう。それで相手の「聞いて減ったモト」もポンと戻ります(感謝された喜びがモトを増やすから)。

 とにかく、一番に意識するべきことは「自分のモトあつめをしっかりやる、相手に対応するのはその後」ということです。相手をするにはモトが少ない、と感じたら、すぐ逃げましょう

 では次回は、自分自身の「ネガティブなモトあつめ」について考えてみましょう。

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日南本倶生(みゅんひはうぜん)
「ニンゲンのトリセツ」著者、リリジャス・クリエイター。京都でちまちま生きているぶよんぶよんのオジサンです。新作の原稿を転載中、長編小説連載中。みんなの投げ銭まってるぜ!(笑)