【6日目】『恋愛アピール合戦』と「恋の無敵感」(レンアイのトリセツ)
◆『恋愛スイッチ』とモトあつめ
前回までお話ししてきたように、恋をするとカラダが『恋愛スイッチ』をONにしてしまうので、その影響でココロが勝手にモトをドボドボ生産し始めます。そうすると勝手にココロがモトで満たされてしまって、増えて余ったモトを相手に送り込みたくなって【恋愛アピール】をやってしまうんでしたね。
この恋愛アピールが成功して、相手の恋愛スイッチをONにすることができたら、相手もこちらに向かって恋愛アピールを始めるんです。これが
【恋愛アピール合戦】
という状態です……ご経験、ありますか?
このキュンキュンする話を始める前に、ひとつ思い出して欲しいことがあります。それは
『モトあつめ』
という概念です。
人のココロというものは、常に
「モトを集めたい!」
ということだけを思っています。その命令として「感情」というものを出してきます。つまり、感情というのはココロが「モトあつめ」するための命令なんでしたね。
恋愛スイッチONになると、色々な気持ちが出てきますが、気持ち=感情ですよね。これらもつまり、ココロが「モトを集めなさい」と命じて出してくるものなんです。
普段なら、何かに注目するとモトは相手に向かって飛んでいき、ココロから出ていきます。そしてココロはモトを失うのですが、恋愛の時だけは別なんです。なぜなら、恋愛スイッチによって勝手に増えているからです。
こういう「尽きせず増えていくモト」を使って、相手のココロにどんどんモトを送り込んで、そして「恋する相手の気を引きなさい」というココロとカラダの命令こそが【恋愛アピール】なんですね。
この恋愛アピールを互いにやり合いこする状態が【恋愛アピール合戦】なんです。この恋愛アピール合戦が始まると、トータルで自分のモトがプラスになるはずです……だからココロが恋愛アピールを「やりなさい」と命じてくるんです。
◆『恋愛アピール合戦』と「無敵の二人」感
このように、恋をしている時って相手のためなら何でも、いくらでもできますよね? それは尽きせずモトが生み出されているからでした。
うまいこと相手の恋愛スイッチがONになると、相手も同じ状態になります。そして、こちらに対してモトをどんどん与えてくれるようになります。つまりお互いの余剰モトを、送り合いこするようになるんです。
この状態を
【恋愛アピール合戦】
と呼びます。
こうなると、ただ相手のそばにいるだけでお互いのモトがどんどん、ドンドン増えていくので、一緒にいるだけて信じられないくらいの安心感や心地よさに包まれるようになります。
こんなだから、恋愛には「中毒性」があるんだ、という話もしましたね……。それはともかく、この状態……前に話した
『二番目のモトあつめ』
に似ていませんか?
二番目のモトあつめ、というのは「自分のココロで増やす」モトあつめでしたね。友だちとお茶を飲みながら楽しく会話しているときは、相手の話を聞いてモトを送っているにも関わらず、自分のココロがモトを「増やしている」から、モト不足にならないんでした。
前にも話した通り、この「二番目のモトあつめ」というのは、本来ならとても高度なアタマとココロの活動なんです。だから「二番目のモトあつめをやろう」と意識してやらないと維持できないものなんです(モトについて知らない人も「楽しい雰囲気を壊さないでおこう」とか「人に優しくして、自分も気持ちよくなろう」とか、そういうことを【考えて】いるものなんです)。
ですが、恋の状態の時だけは勝手に始まるんです。恋仲になると、その二人の間では、お互いのそばにいるだけで自動的にこの「二番目のモトあつめ」が始まってしまうんですね。これが【恋愛アピール合戦】の特徴です。
お互いがお互いに【恋愛アピール】をやりあうので「その場のモトの量」がドボドボ増えていくんです……そりゃ「愛があれば大丈夫!!」みたいな状態になるはずです。実際に、ココロにモトがたくさんある状態になるので、自信に満ちあふれるはずです。
◆『恋愛アピール合戦』の気持ちよさが途絶えるとき
このように、【恋愛アピール合戦】が始まると、二人でいる間はずっと「二番目のモトあつめ」が行われ続けます(それでもイラッとしたり悲しくなったりする瞬間はあるものですが)。
だから、本当に二人は人類最強のラブラブカップルにでもなったような気分になっちゃうんですよね。
ところが……ここに
【恋の落とし穴】
が潜んでいるんです。何って、こういう「無敵な気分」っていうのは、恋をしている間しか、続かないんですよね……
恋というのは「恋愛スイッチ」によるもので、このスイッチを入れているのは「カラダ」でしたよね。
つまり、カラダがスイッチをOFFにしてしまったら……どうなると思います?
では次回からこの【恋愛の落とし穴】を見ていきましょう。
「ニンゲンのトリセツ」著者、リリジャス・クリエイター。京都でちまちま生きているぶよんぶよんのオジサンです。新作の原稿を転載中、長編小説連載中。みんなの投げ銭まってるぜ!(笑)