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【豪華一万字】オマケ付きあとがき

 みゅんひはうぜん短編集にお付き合いくださいまして、誠にありがとうございました。こちらはオマケ付きのマガジンあとがきになります。オマケは豪華・note未発表短編です。お楽しみに♪

 これらの短編は、わしがまだ20代だった頃から書きためていたもので、mixiというSNSサービスを使って、主に友人向けに公開していたものです。

 久しぶりに読み返してみたら、手前味噌で恐縮ながら、面白かったので(笑)、なんとかもうちょっと広めてみようかなぁと思って、こちらのサービスに再連載することにしました。お楽しみいただけましたら幸いです。

 再連載するにあたって、ずいぶんと手直しをしました。

 特に、書きはじめの頃の作品は、今読むとやっぱり舌足らずだったり、改行や句読点の使い方が荒かったりと、色々とボロがでてきまして、それに、ウェブページに掲載するにはちょっと読みづらいな、とかいう点も考えながら、できるだけ読みやすく、かつ、元の雰囲気を壊さないように気をつけながら、修正を入れていきました。

 このノートは、全編公開ですが、形式的に有料にしています。もしわしのしょーもない作品群を気に入っていただけましたら、こちらをオヒネリだと思ってご購入下さいませ。わしがめちゃめちゃ喜びます(笑)。
(^~^ )

 あと、noteのサービスに乗っかって、お写真やイラストをたくさんの方にご提供いただきました。おかげさまで、非常に作品が締まって、ワンランク上の読み応えになりました。絵がついてるって、すごいんですね。本当にありがとうございました。厚く御礼申し上げます。

 では、あとがき代わりに、以下に作品ごとの解説的なものと、初出年月日を書いていきますね。初出不明のは、探してるのですが所在がよくわからないものです。分かり次第書き直す予定です。


1「空を飛ぶ少年」
(初出:2005年11月7日)
 この頃は、2本目の長編を書き終わった頃で、自分の文章力のなさに打ちひしがれていた頃ですね。
(^~^; )

 なので、練習がてら短いのを沢山書こう、色んなジャンルで書こうと思って、いろいろネタを練っていました。

 先に『メロスよ止まれ』を書いたのですが、どうしても長くなってしまったので、もうちょっと短くまとめようと思って、このくらいの作品になりました。

 とにかく、青と白と、それだけを書こうと思って書いた作品です。

 少年の心の動きと、少年の体の動きをどう表現しようか、ずいぶん試行錯誤したのを覚えています。

2「時間の缶詰」
(初出不明)
 なんかのコンテストに、友人と一緒に応募しようと思って書いた作品。なんのコンテストだったかは忘れたし、肝心の誘ってくれた友人が応募しなかったので、結局お流れになってしまった。

 構成・形式はモロに、星新一の『セキストラ』だと思う。多分意識して似せたんだと思う。こういうのをパクリというのかもしれない(笑)。いや、リスペクトです!!
(^~^; )

 オチをどうするか、ずいぶん悩んで、いくつかのパターンを考えて、一番イジワルなものにしました。この辺が本当にわしらしくて良いですな。
(^~^ )

3「イ・バ・ラ・ヒ・メ」
(初出:2005年12月15日)
 ギブスンがやりたかったんです。『ニューロマンサー』の意味不明さを、もっとすごい感じにしようと思って。

 もちろんジャンルはサイバーパンクで。最近はVRとかARとかって、もうギブスンの世界が間近に迫ってる感じがありますけど、やっぱりテクノロジーと意識の融合ってのは、今でも憧れのジャンルの一つではありますね。

 なので、とにかく「読んでも意味がわからない、でもちゃんと意味のある文章」を書こうと意識しました。主人公が女性なのは、当時ガッツリ読んでいた『銃夢』(木城ゆきと)の影響かなぁ。

4「おじいさんの神隠(かみかく)し」
(初出:2006年2月21日)
 ほんわか昔話を書こうとしたんです。ホントです(笑)。
(^~^; )

 龍神様の池に行くところまで書いたんですよ。そしたら、龍神様が

『ギャオオオオオオ!グルルルルルルル!』

とか言うもんだから(笑)、そっからもうめちゃくちゃになってしまいました。後悔はしていません。
d(^~゜ )

 これが「キャラが勝手に動く」ってやつですかね?違う?

 なんかその、昔話なんだし、難しい漢字はひらがなにしたら雰囲気出るかなーとか、その辺を気をつけたような気がしますが、あまりうまくいってないですね・・・

5「ティシュがない」
(初出不明)
 スラップスティック・コメディをやりたかったんだろうなぁと思いますが、なんというか、全然覚えてないんですよ、コレをいつ書いたか、なぜ書いたか、そのへんを。

 多分失業してその後だと思うんですけど、そもそもわしは2009年に失業して、それっきり就職が全く叶わなかったので、それ以降はもう生活苦と肩を組んで生きてきたようなものなので、そこから記憶の順番が曖昧だったりするんですよね・・・
(^~^; )

 再掲載にあたって「ティシュ」という表記に統一しました。口語では「ティッシュ」とよく言うけれど、箱をよく見て下さい・・・必ず「ティシュ」て書いてあるはず。ぼくはこの字面が好きなんです。雅でしょ?(笑)

6「エイリアン・ブルー」
(初出不明)
 もうほんと全然覚えてないんですねコレも。いや、作品自体は、再掲載してる間にうすらぼんやり思い出してきたんですけど、書いた頃のこととかほとんど忘れてしまってて。
(^~^; )

 巨大都市の廃墟だとか、そういうの好きなんやなーと自分でも思います。弐瓶勉(漫画家)の影響かもしれません。

 この頃はもう小説というか文章そのものをほとんど書いてなかった時期で、今読み返すとボロボロだったので、半分近く書き直しました。筆が荒れる、っていうのはこういうことなのかなーと思いました。けど、多分当時のいっぱいいっぱいだったんだろうなと思います。

7「K君ちの花瓶」
(初出:2006年7月25日)
 ケータイ全盛期。わしは最新テクノロジーとITの未来を見せてくれる、ちっぽけな端末が大好きだったんですよ。でも、当自主流だった二つ折りのケータイはどうも性に合わなくて、かといってストレート端末はかさばるし、どうしようかなーと思ってたら、スライド式という画期的な機構を備えた端末が現れて、わしは熱狂したんです。そんな時代。

 わしはケータイの最新情報が知りたくて、来る日も来る日も、IT系のサイトをいくつも巡回して、新型の情報や、現行機種の型番や特徴を一生懸命勉強していました。そんで、次自分が持つ端末やら、ツレに持たせたい端末やら、そういうのをガッツリ調べていたんですね。

 ただ、ケータイはネットとアプリ専門だったので、もう通話機能いらないよなぁと思ってたんです(笑)。今でも時々思うし、だから当時iPadとかあったらもうアタマがおかしくなっていたのではないかと思います。

 そんな事を考えながら書いたのがコレ。K君に、特にモデルはいません。

8「夜を駆ける」
(初出:2006年5月26日)
 わしの音楽の趣味は偏っていていて、当時はほぼほぼスピッツしか聞いてませんでして。ただ、アルバム「隼」でわしのスピッツ熱が一旦落ち着いて、けど後で聴き直すと、これまたとんでもなく素晴らしいアルバムで、でも当時はちょっと「これはわしが愛したスピッツなのか?」という疑問とともに、ちょっと敬遠しがちになったり。そういう事ってありません?
(^~^; )

 で、スピッツの「隼」の次のアルバム「三日月ロック」に収録の曲が「夜を駆ける」でして。これがもう幻想的でかつロックで、素晴らしいんですよ。

 この頃、いつかスピッツの曲をテーマに一本書きたいと思っていて、この曲を久しぶりに聞いたときに、ポコッとプロットが生まれたのがこの作品。一気に書きました。

 欄干にもたれた二人が何と叫ぶか、少しだけ悩みましたけど、最終的にあれで良かったんじゃないかと思います。ああ叫びたくなるとき、ありますよね?(笑)

9「梅の花を探しに」
(初出:2005年12月16日)
 なんのプロットもなくダラダラと書いて、そんでどうにもならなかった思い出の作品。

 それまで、プロットとかなんにも考えず、アドリブで書くっていうスタイルをずっと貫いていたんですけど(それで長編を2本書いた、馬鹿だなぁ(笑))、やっぱりそれだけではイカンのだなぁと思い知りました。今更感たっぷりですが。
(^~^; )

 最終的にギャグになりましたが、なんというか、今ひとつ消化不良ですね・・・

9.5「待つ男」
(初出不明)
 マガジンに入れ忘れてました。急きょ追加したのでこの番号です。ごめーんね♪
【かわいくしてごまかせ】

 これも何のプロットもなしに、ただごちゃごちゃと思い付きで書いたもの。自分でも意味が全然分からない内容になってしまったのだが、これを一番気に入ってくださる方もいて、世の中何がウケるのか分からないなーと思った。

 モデルは特にいません。文中に出てくる「スマホ」は、初出時はすべて「ケータイ」でした。時代を感じますねぇ・・・


10「トイレット・ロケンロール」
(初出:2006年2月8日)
 当時わしはオフィスワークをしていたのだが、そこでトイレにまつわる色々な体験をすることになった。それをまとめたのがこちら。半分は実話である。

 いかに「うんこ」という言葉を使わないかにこだわり抜いた跡が見て取れて面白い。

 とある調査によると、日本人の83.5%がおサルなんだそうだ。わしもきっとおサルだ。自戒を込めて。
(^~^; )

 最初、タイトルを「トイレットジプシー」としたのだが、ジプシーは気に障る方がいるかも知れないと思って直した。パッと見で「トイレットロール」に見えなくもない、洒落たタイトルになったので満足。

11「自転車に乗って」
(初出:2006年3月22日)
 さわやか青春モノをやりたかったんだけど、青春にさわやかな思い出が一個もないので(笑)、なんとかひねり出してみたらこうなった作品。

 実話というわけではないが、自転車であのへんをウロウロして、淀川に出会ってびっくりしたことをベースに、若い頃フラれた思い出とかそういうのを詰め込んでみました(笑)
(T~T )

 歌詞とか書いて大丈夫だったろうか・・・最悪掲載取りやめになるかも。

12「鼻から牛乳」
(初出:2010年2月2日)
 わしが最後に書いた作品。これ以降、書いてないはず。確かそう(笑)。

 就職活動と生活が危機的状況になって、なにか気晴らしに短編でも書こうと夜道を歩いていて、鼻からなにか出たら面白いなぁというところから始まった作品。

 その前にエチュードを書いてたんだけど、あの経験が役に立った気がする。鼻毛、万国旗、透明人間、といった感じでスルッとアイデアがまとまった。

 鼻から牛乳、というのは嘉門達夫の曲で、たしかすごくびっくりすることを意味するんじゃなかったかな?

13~15「メロスよ止まれ」
(初出:2005年10月27日)
 仕事の休憩中に、ロッテリアでハンバーガーを食いながら、ふっと構想が浮かんできて、その日の午後、仕事をサボって書き始めた作品。そんなことをしているからクビになるのである(笑)。
(^~^; )

 バックグラウンドについては考えてないのだけど、宇宙人の侵略かなんかだと思う。どうせなら、現地の人間にやらせてしまって、罪の意識を感じずに侵略しよう的な。

 短編にしようと思ったんだけど、全然収まらなくて、結局3話構成になった。当時のクセで、文章をドロ団子みたいにガッチガチに固めてしまって、句読点も改行も全然ないのが原文で、掲載時に読み返してみて自分でも驚いた。

 よくこんなもん発表して、みんなに読ませたな・・・(笑)
(^~^; )

 再掲載にあたって、ほぼ全文を改行した。俄然読みやすくなって、自分でもまた驚いた。一粒で二度美味しいアーモンドグリコのような作品である。

16「【エチュード01】ガム・瓶・クリップ」
(初出:2007年4月17日)
 ポトロの二作目(!)を書き終えて、性も根も尽き果てたわしは、かる~くペロペロっと駄文を書こうと思っていた。けど、ネタを考えるのが面倒だったので、この3つの単語で一本ショートショートを書く、というのを思いついた。最初にやってみたのがこれ。

 読み返すと、雰囲気ものですな。内容はたいしてない。けど、まぁ悪くないんじゃないかなぁ。

 主人公は人間で、後ろにいるのは巨人という設定で考えたんだけど、書いたあと、主人公が虫で、後ろにいるのは普通の人間、という視点にもできるなーと思いついた。読み手に解釈を委ねるのも、雰囲気ものの醍醐味なのかもしれない。

17「【エチュード02】自動車・ラーメン・酒」
(初出:2007年4月20日)
 わしの家族は、意味わかんない父親 VS 常識人の母親と兄と(意味わかんない)わし、という感じで成り立っていたので、正直父親にいい思い出がない。あいつは遊びに連れて行ってくれたこともないし、飯を食わせてくれたこともないし、楽しく雑談したこともない。母親はいつも泣かされていたし(最後の方は母親のほうが強くて父親が引きこもりになった)、暴力を振るうこともあった。息子として、どうしてこの二人が結婚したのか、非常に不思議だった。

 そんな家庭で育ったので、友人が父親について語る話が信じられなかった。キャンプに連れて行ってくれたり、お小遣いやお年玉をくれたり、母親とデートしたり、とにかくわしが知っている父親像とはかけ離れている話ばかりだった。

 そんなわしの父親像を、すこし薄めて書いたのがこれ。アイツから学んだことが一つあるとすれば、人は死んでしまったら、もう成長できないということくらいか。

18「【エチュード03】DJ・洗濯・エレベーター」
(初出:2007年4月26日)
 メロスのときもそうだったけど、二人称の文章をわしはよく書く。当時は珍しいと言われたもんだけど、今でもそうなんだろうか。

 小学生の頃にゲームブックにハマって、SジャクソンとかJHブレナンとかを読み漁った。特にブレナンの作品はめちゃくちゃわしに大きな爪痕を残したと思う。ラスボスに対抗できる一番の防具が「ちくちくする指輪」だったり、スタート地点で手にした石鹸をずっと使わずに持っていたら、エンディングですごく役に立ったり、とにかくぶっ飛んでいた。日本人作家では、鈴木直人のドルアーガ三部作にドハマリした。ノート一冊使って、攻略本を自作したりした。

 そのへんの影響もあって、自分の中では二人称の文章は、ごくごく自然なのだが、世間的には珍しいと聞いて、逆に驚いたものだった。

19「【エチュード04】桜・信号機・建設会社」
(初出:2007年5月1日)
 とある春の日、桜の下をバイクで走りながら、桜をテーマに書こう、けど、春の話を書くのはやめよう、というコンセプトができて、ちょうどいい機会だったので、そういうテーマで書きました。

 どSFにしようと思ったので、以前見た夢ににた内容で書きました。こんな夢を見たことがあるんですな(笑)。
(^~^;)

 いまこのあとがきを読み返してみると、ですます調とである調がごちゃごちゃになってるけどキニシナーイ(笑)。

20「【エチュード05】カミナリ・電車・老人」
(初出:2007年5月7日)
 はじめからホラーモチーフで書き始めて、オチまで決めてた。んで、書いてる途中で「あ、これ電車じゃない! 汽車だ!」と気づいて(笑)、自動車事故にする予定だったオチを、急遽列車事故に振り替えた。我ながらアホだ。
(T~T )

 この作品も二人称だ。当時読ませた友人には、そこに違和感があると言われてしまった。でもキニシナーイ。

21「【エチュード06】ハト・海・ドライヤー」
(初出:2007年5月10日)
 女性視点の一人称で書いたのは、多分これが最初で最後。もう書かないと思う。
(^~^;)

 けど、やっぱり女性ウケが一番いいという手応えを得ている。ほのぼのエピソードでもあるし、こういうのがみんな好きなんだなぁと。ウケるものを書くことも大事だと思うし、こういう実験は参考になる。

22「【エチュード07】携帯電話、経営者、殺人事件」
(初出:2007年05月15日)
 前半部分の緊張感と、後半のギャグパートとの対比がしっかり出るように気をつけて書いた。うまくいっているだろうか?

 やっぱり、ギャグをやるのに見た目は大事だし、それに一生懸命練ったネタが、天然のおじさんに勝てなかったりとか、そういうこともよくあるよなぁと思う。世の中は不思議なことがたくさんある。

23「【エチュード08】酸素・ネクタイ・漫画」
(初出:2007年9月21日)
 このあたりから、ネタに困ってきていて、書くペースがガクンと落ちてしまった。前と違うものを作らないと、というプレッシャーみたいなものを感じていたのかもしれない。ジャンルが同じになると、どうしても似たような作品になってしまうのが嫌だったんだと思う。

 今読むとめちゃめちゃアホな内容だが、インチキ健康食品などの広告のパロディだったりする。そんなんええからタンパク質をたくさん摂れ、とか思う。

24「【エチュード09】コンビニ・人工衛星・味噌」
(初出:2007年10月5日)
 これは割とすんなり書けた。二つの物語が交錯して、終盤で融合する短編を書きたいとずっと思ってて、ちょうどいいから練習も兼ねて書き始めた。

 だけど、いざ始めてみると、二つの物語がぜんぜん交錯しなくて困った(笑)。どう考えても2DKの二人が、宇宙に進出しないのである。そりゃそうだ(笑)。

 いろいろこねくり回してもだめだったので、しょうがないので、キャラクターに任せて動かしてみたら、案外面白いオチになった。こういう創作もあるのだなぁと学んだ。

25「【エチュード10】サタン・砂場・プリンタ」
(初出:2008年2月19日)
 サタンをどこに入れるかで、ずいぶんと悩んだ。結局こじつけ感が否めない場所に入れてしまったが、まぁこれはこれで。
(^~^;)

 前半を日常系にすることで、後半で無理やりホラーに巻き込む構造にしたら、読んでくれた友人がまんまと引っかかってくれて、書き手冥利に尽きる。

26「【エチュード11】キムチ・浮き袋・障子」
(初出:2008年4月8日)
 プチ解説にも書いたけど、ひどく難産だった作品。この3つを使って思いつくストーリーが一個もなくて、ジャンルから入ろうとしたり、3つのストーリーを絡める構造にしようとしたり、色々実験しようとして、結局失敗して全然筆が進まなかった。

 ある日、友人に誘われて、初めてサッカーの試合を観に行って、その帰り道に駅まで歩くの面倒だなぁと思っているときに、急にアイデアが降りてきた。

 正直、この形式にするのは「逃げ」だなぁと思っていたのだが、実際に作品にしてみると、まぁこれはこれで(笑)。自分が大好きなので、自分が出した答えはオールオーケーなんですな・・・

27「【エチュード12】アバター・バスタオル・グルメ雑誌」
(初出:2008年06月03日)
 最後のお題がなかなか頂けなかったので、ツレに無理言って出させたお題がこれだった。当時、廃墟の写真を見るのにハマっていたので(笑)、単語を聞いた瞬間に、廃墟探検もの、秘境温泉ものにしようと決めた。

 前半のドキドキ探検感と、後半のほっこり温泉レポートをうまくミックスできた気がしている。やっぱり自分大好きなんやなわし(笑)。

28「サンタが街にやってくる」
(初出:2008年12月19日)
 このあとがきを書いているときに、初出不明の作品の初出を探そうとして、たまたま見つけた作品がこちら。読み返して、バカすぎて悶絶した。結構好き。自分大好き!
(^~^ )

 当時のコメント欄によると、とにかく効果音がいっぱい書きたかった、と書いてある。そのとおりの作品になっている。内容を完全に忘れてしまっていた今になって読み返すと、まるでちびっこがプラモで遊んでいるような作品になってて、非常に心温まるクリスマスストーリーである(笑)。

 同じくコメント欄にあった注釈も噴飯ものだったので、本文に掲載した。ドールってお前・・・(笑)

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 え?「28」なんてあったの? とお思いのあなた!
 おまたせしました! これこそが、おまけの短編になります。
(^~^ )

 せっかく課金していただいたので、そのお礼も兼ねて、ここでしか読めない作品をひとつだけ掲載します。お楽しみいただけたら幸いです。

 最後になりましたが、ここまで読んでくださった皆様、本当にありがとうございます。短編の連載はここで一旦終わりにしますが、またなにか書いたときは、別のマガジンなどで発表できたらと思っております。その際はぜひよろしくお願いいたします。

 また、もう一方の処女長編「聖ポトロの巡礼」も完結しましたが、その続編や、もう一本の長編も発表していく予定です。そちらも基本無料でお読みいただけるようにする予定ですので、ぜひお楽しみください。
(^~^ )

 では、またお会いしましょう!
d(^~゜ )

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

【短編小説】サンタが街にやってくる

シャンシャンシャンシャンシャンシャン…

「3時の方向より、未確認飛行物体接近中! 距離2万、速度1200モルド(※1)!」
「・・・来たな、サンタめ。総員、戦闘配置!!」

ヴゥーヴ! ヴゥーヴ! ヴゥーヴ!
『サンタ接近、総員戦闘配置、繰り返す、総員戦闘配置』

「サンタ、距離1万2千まで接近、間もなく領域に侵入します。」
「よし、第一地上対空部隊、ならびに第一戦闘機部隊、作戦開始!!」

ゴゴゴゴゴ、バシャッ!! バシュシュシュシュシュ・・・
パラタタタタタ! トタタタタタタタ!!

ギゥーーン! ギゥーーン! ギゥーーン! ギゥーーン!

「第一戦闘機部隊、目標補足、交戦に入り・・・目標に高エネルギー反応!!」
「いかんっっ!!!」

シカッ・・・ドドドドドドドオオオオオオ!!!

「第一地上対空部隊及び第一戦闘機部隊、ともに全機の反応消滅・・・目標は依然進行中です。」

ゴウン ゴウン ゴウン ゴウン ゴウン ゴウン・・・
シャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャン・・・

「こしゃくなっ・・・第二戦闘機部隊、作戦Bを実行!!」

「・・・第二戦闘機部隊、サンタの誘導に成功。サンタ、予定地点に到着まであと20。」
「よしっ!! イオン爆雷(※2)起爆!!」

カ!!

・・・・・・ォォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオ !!

「衝撃波、来ます。」
「総員、対ショック防御だ!!」

ズズズズズズ・・・ビリビリビリ・・・パン! パリン! ・・・グググググ・・・

「プラズマ除去装置作動。レーダー、回復します。」
「サンタは? やったか!?」

ボフッ・・・ゴウン ゴウン ゴウン ゴウン ゴウン・・・
シャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャン・・・

「サンタ健在!! 現在、距離8千。」
「おのれサンタめ・・・白兵戦だ!! ドール(※3)部隊を出せっ」

『こちらドール隊、発進準備完了。』
「各機、カタパルトへ移動してください。」
『ランチオーケー、ドール隊、出るっ!』

バッショ! バッショ! バッショ!
ギーン、ギーン、ギーン・・・

「ドール隊、交戦を開始・・・サンタ、そり左舷から爆炎です!」
「よし! 叩き落せ!!」

ビィーーン! ビィーーン!

バギン! バシュシュシュシュシュ!

ガギギギギギギ! ショバッ! ゴン!!

ガッキ、ドドドドドオオオ!

「サンタから再び高エネルギー反応!!」
「いかん! 全機遮蔽フィールド展開!!」

パキンッ!
ゴン!ゴン!ゴン!・・・ゴン! ゴン!

「ドール隊、7機が消滅。2機が大破ののち地上に不時着。隊長機のみ、小破で戦闘可能です。」
「くっ、戻れ隊長!」
『バカ言っちゃいけませんぜ長官・・・コイツを街に入れるわけには、いかんのです!!』
「やめろ隊長!早まるんじゃない!!」
『どおおおおおっ!!』

ガッシ! ボカッ!

バリバリバリ・・・ズゴオオオオオオォォォン

「・・・隊長機、反応消滅。」
「なんてことだ・・・」
「サンタ、右舷を中破のもよう、速度600モルドに低下、依然進行中です。」

シャンシャンシャンシャンシャンシャンシャン・・・

「・・・わたしが出る。BANA-4Aを用意しろ。」
「長官!!」
「なんとしてもドールで食い止める! 残った地上対空部隊に援護させろ!!」
「・・・了解。」

キュイン、キキキ、ピルルルル、チキチキチキ・・・

『こちらデッキ、ドールBANA-4A、発進準備よろし。』
「よし、射出と同時に要塞の遮蔽フィールドをレベル8で展開。サンタが堕ちるまで、わたしの帰還については考えなくていい。」
『カタパルト、射出します!』

ガギィイイイ! ドン!!!

シャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャン・・・

『長官、まもなくサンタの射程に入ります。ご武運を!』
「サンタなんぞに、街は渡さん!!!」

ジャコッ! ギン! ドドオオオオオオォォォォォォ…

(長官、サンタに突っ込んでいくところで第一部完)

【注釈】
(※1)モルド
 モルダー(Xファイルの人)が1年かけて歩く距離を1時間で移動する速度が1モルド。1200モルドは、計算してないけどたぶんかなり速い。
(※2)イオン爆雷
 ショッピングセンターで売っている爆雷。自社ブランド商品なので、高品質でもお手頃な価格で、お値打ち感がある。もちろん威力は抜群。
(※3)ドール
 汎用人型兵器。あらゆる局面に対応でき、白兵戦も可能。ドールはもともとフルーツのブランドだったが、多角的な経営により、ついに兵器産業でもトップシェアに。ウォークマン、iPod、バンドエイドなどに続き、商標がそのまま名詞として定着した例としてよく挙げられる。ちなみにBANAー4Aは、4をローマ数字(IV)にしてくっつけると・・・?

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「ニンゲンのトリセツ」著者、リリジャス・クリエイター。京都でちまちま生きているぶよんぶよんのオジサンです。新作の原稿を転載中、長編小説連載中。みんなの投げ銭まってるぜ!(笑)