【7日目】恋の落とし穴①「終わりの始まり」(レンアイのトリセツ)
◆恋は『終わる』
『恋愛アピール合戦』という状態はとても心地よく、だから「恋人こそが人生の全てだ」みたいな感覚になります。実際、生活の場面でこんなにモトを他人と増やし合えることって、ほとんどないですもんね。
初級編で見てきたように、生きていると『一番目のモトあつめ』を使って「モトを奪おうとしてくる人」にたくさん出逢います。両親、兄弟、クラスメイト、上司や同僚……全員があらゆる方法であなたのモトを奪おうとしますもんね。
だから恋の状態は、すべての人にとって「貴重」なんです。パートナーとの間で勝手に『二番目のモトあつめ』が行われるからです。
そんな素晴らしい体験である『恋愛アピール合戦』が一生続いたら最高なのですが……やっぱり恋には
終わり
というものがあるもんです。どうして恋は終わるのでしょうか?
◆アルファとベータの「終わりの始まり」
その答えは
「恋愛の気持ちの出どころが『カラダ』だからである」
というものなんですけど、これをわかりやすく説明するために、ちょっと物語仕立てにしてみます。
登場人物は二人、「アルファ」さんと「ベータ」さんです。二人は恋人同士でお付き合いをしています。素敵なカラダの関係もあるとします。性別は問題視しません(ですのでこの名前です)。
恋の始まりはどちらかの恋愛スイッチがONになることです。そして片方が恋愛アピールを始めて、見事相手のハートを射止めたら(恋愛スイッチをONにできたら)お付き合いが始まります。
◆恋心が「冷める」とき
かくして、現在お付き合いをしているアルファとベータ。今のところは関係は順調。会うたびに嬉しくて、一緒にいるだけで安心できる、カラダを重ねているときも幸せに満たされる、そういう時期です。
この時、これまで書いてきたような『恋愛アピール合戦』が行われています……二人が二人とも、ココロで自動的にモトをドンドン生み出して、それを相手に渡して、また相手からも返ってきて……ということを繰り返しています(もちろん、無意識に、です)。
こういう時というのは
「この気持ちこそが愛だ! この気持ちは一生続くはずだ!」
くらいに思っています(そういう経験、ないですか……?)。
ところが……『この気持ち』には終わる時がきます。きっかけはどちらかがどちらかに「冷めた」時です。今回は「アルファが冷めた」としましょう。
ほんの些細なことで、恋の気持ちが一気に消える瞬間、というのを経験したことがありますか? 例えば「よく見たら鼻毛が出ていた」とか、「小銭にケチだった」とか、「下着の趣味が悪かった」とか……まぁ、実は暴力的だとかド貧乏だったとか、そういう大きなのもありますけど、ともかくそういうことで、
『恋の気持ちがスーッっと消えてしまう経験』
をしたことがある人もいるのではないでしょうか?
『百年の恋が一気に冷める』という現象です。
こういう冷め方に限らず、じわじわ嫌なことが積み重なって、ガマンできなくなって、ということもあるでしょう。ともかく、そうやって
恋の気持ちが終わる瞬間
というものがあるものです。なぜ終わるのかというとさっき書いた通り
「カラダからの信号が止まるから」
なんです。恋というのは「カラダからの信号」によって起こる気持ちなんでしたね。
◆恋の終わりにも「メカニズム」がある
それまでアルファのカラダがONにしていた「恋愛スイッチ」が何らかのきっかけでOFFになってしまったため、アルファは「冷めてしまった」んです。OFFになるとどうなるのでしょう。
アルファがベータに『恋愛アピール』をしていたのは、ココロが恋愛スイッチによって勝手にモトを増やしていたから、でしたね。スイッチがOFFになると、この恋愛アピールができなくなります。モトが足りなくなるからです。そう、今まで無尽蔵に湧いていたモトが、フツーの状態に戻ってしまうんです。
するとどうなるか……ベータの
恋愛アピールが「うっとうしくなってくる」
んです。なぜなら、ベータの恋愛アピールによって、アルファのモトが「減り始める」からなんです……。
「ニンゲンのトリセツ」著者、リリジャス・クリエイター。京都でちまちま生きているぶよんぶよんのオジサンです。新作の原稿を転載中、長編小説連載中。みんなの投げ銭まってるぜ!(笑)