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【連載小説】聖ポトロの巡礼・お礼とあとがき・資料集付き
処女長編『聖ポトロの巡礼』いかがでしたでしょうか? お楽しみいただけましたら幸いです。
(^~^ )
この小説は、わしが2004年頃に書いたものです。当時流行り始めていたmixiというSNSサービスにて、主に友人に見せる目的で書いていました。
このページでは、あとがきを兼ねて、その時の資料集(サバラバ語辞典付)をお見せしようと思っています。全編公開ですが、投げ銭代わりに有料にもなっております。もしお気に召しましたら、宜しくお願い申し上げまする。
m(_ _)m
先に書いてしまいますが、この小説の執筆で変な自信をつけたわしは、その後2本の長編を、同じくmixiで書いております。一本は、日記小説に手応えを得たわしが、次に書いた手紙風小説『マジカル戦隊M.O.G.』というファンタジー戦記、その次は、『聖ポトロの巡礼』の続編に当たる作品『聖ポトロの彷徨』です。これらも、随時noteにて無料連載する予定です。どうぞお楽しみに!
d(^~゜ )
また、今回の再連載に当たり、システムにおんぶ抱っこで、たくさんの画像やイラストを使わせていただきました。おかげさまで当初想像していた以上に、作品がぐっとリアルになりました。ご協力いただき、本当にありがとうございました。
ではひとまず、『聖ポトロの巡礼』あとがきと参りましょう・・・
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そもそも、この作品を書こうと思ったきっかけなんですが、わしは当時別のサイトで、プライベートな日記を友人向けに公開していました。そんな中、当時は目新しかったサービスである「SNS」というのが始まりまして、そこも要するに、日記とブログを合わせたようなサービスだったわけです。
んで、日記のサイトは別に持ってるし、だったら、こっちは架空の日記を書いたら面白いんじゃないか? という動機で書き始めたのがこの『聖ポトロの巡礼』でした。
なので、1話目を書いた辺りでは、まだなんにも決まってなくて、完全にハッタリで書いてました(笑)
(^~^; )
王国とかロヌーヌとかポトロとか、そのへんはもう自分でもなんにも知らなくて、だから、わしも主人公と一緒に、知らない世界を旅しよう、という思いでポトロの連載を始めました。
世界の全体像とか、ポトロの旅の目的とか、最終的な結末とか、そういうのがだんだん自分でも見えてきたのが、たしか要塞都市ゼビルの辺りだったと思います。
最初は、わしも要塞都市ゼビルが「王国」だと信じていました。けど、ここがもし「王国」だったら、どうなるだろう・・・いや、もしかしたら、ここは本当は「王国」じゃなかったらどうなる?・・・なんて想像していたら、ポトロの旅はもうちょっと続けてもいいのかな? なんて思い始めて。
結局、もっと遠くまで歩いてもらうことにしました。過酷だ・・・主人公には申し訳ないです(笑)
(^~^; )
ちなみに、主人公のモデルは、当時の自分自身でした。ちょっと小太りでメガネで運動不足の、ネットの住人でオタク属性の貧乏人という設定です。実際には100キロ超えのぶよんぶよん人間でしたけどねわし・・・そこらへんはまぁ、ファンタジーということで・・・
ファンタジーついでに、主人公が元いた世界は、(当時の)現代よりちょっとテクノロジーが進んだ近未来、という感じで作りました。ちょいちょい出てくるコムログは、後で用語集にも出てきますが、まだスマホが無かった頃の、二つ折りのケータイがモチーフになっています。
余談だけど、アップルがiPhoneを発表したとき、わしは思わず「コムログ!」と、画面のジョブズに向かって叫んでしまいました(笑)。あのアイテムがコムログって名前だったら良かったのに・・・コムログ、という名称は、シモンズの有名なSF『ハイペリオン』シリーズにでてくる、似たような道具から拝借しています。ハイペリオン、映画化しないかな・・・めちゃくちゃおもしろいんだけどな・・・
続編の『聖ポトロの彷徨』では、このコムログが大活躍する予定です。お楽しみに♪
d(^~゜ )
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思い出話はこのくらいにして、初出当時に書いた、作品の資料集をお見せしましょう。連載では明かされなかった謎が、解き明かされるかもしれませんよ?
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あとがきにかえて1
(初出:2004年11月04日)
あとがきを書くのもなんか説明臭くなりそうなので、ここでは主人公が旅の途中で書き残したメモを公開しようと思います。
彼の日記をまだ読んでない人は、これを先に読んでしまうと面白さ半減なので、気をつけてください。
(暦について)
太陽が昇ってから、沈んで、次の太陽が昇るまでが「ガイン」
7ガイン=1カーマ
7カーマ=1ヶ月(1ロイロ)
一年は7ロイロ+1ガイン=344ガイン
最初の1ガイン目は「聖ポトロの日」
※この日はカーマにもロイロにも含まない。
(月(ロイロ)の名前)
1月…始まりの月(ロイロ・ポーラ)春
2月…鳥の月(ロイロ・サパ)春
3月…蝶の月(ロイロ・ポ)夏
4月…船の月(ロイロ・スースー)夏
5月…人間の月(ロイロ・ピタラ)夏
6月…貝の月(ロイロ・パクワ)春
7月…おしまいの月(ロイロ・ドンラ)春
季節は春か夏。
サバラバには海がないのに、船の月があるのは不思議としか言いようがない。
(政治について)
はっきり言って無統治。でも、集落ごとに簡単な掟のようなものがある。それもまた、特に決めることでもないようなことで、要は他人にあまり迷惑をかけるな、ということだ。
ただ、もう一つこの世界には大きな掟があり、それは他人に迷惑をかけられてもできるだけ許してやろう、というものである。この2つの掟によって、この世界は実にスムーズに機能している。
城塞都市ゼビルにおいてもそれは同じで、大きな都市であるが、城塞の中に単純に300ほどの集落が集まっているに過ぎない。そして中央の行政局では主に道路の整備や都市環境の維持などといった仕事が中心に行われている。この行政局は完全に寄付によってまかなわれており、よってサバラバには税が存在しない。
(地勢について)
おそらくサバラバの総面積は四国ぐらい。周囲は高い山に囲まれていて、外界と完全に隔離されている。その山を越えると多分広大な海が広がっているんだが、その地域には人が住んでいない。水分の確保が難しいからだろう。
山に囲まれているせいか、気候は非常に穏やかで、季節も夏か春しかない。やや乾燥した気候で、夏でも蒸し暑くなることはあまりない。雨季や乾季もなく、年間を通じて平均した降雨量。
地形はバラエティーに富み、草原、森、山地、荒野、砂漠などさまざまな環境が存在する。こうしたことから考えて、もしかしたら、サバラバの気候は人工的に管理されているのかもしれない。
(経済について)
すべての場所であらゆることができるわけではないことは、彼らもちゃんと知っている。森でないと木は取れないし、畑でないと作物はできない。これらの品物の物々交換を代替する手段として、貨幣が造られた。
貨幣は行政局員がひとつずつ手で作る。金属を細い棒状にする。それらに刻印を施し、お金が完成する。これらのお金はゼビルから世界中に流通している。
サバラバの人々は、これがたくさんあるから幸せになれるわけではないことを、ちゃんと知っていて、これを求めて何かをする、という行為を普通しない。ただ、便利だから使っているだけだ。商品の価格は行政局が決めており、それに従って、規定の本数の通貨がやり取りされる。
(元の世界について)
ARA=アルカイックレコードアクセス。インターネット百科事典のようなもの。コムログで誰でもアクセスできる。月額300円で、コムログ利用者は自動入会。アルカイック・エンサイクロペディア社提供。アルカイックは古風なという意味。
VNet=インターネットをより生活に密着させるべく、あらゆる機器に接続機器を組み込んだ結果、それらはある意味バーチャルな別世界を構築するに至った。現実世界に対して、この別世界を「VNet世界」と呼び、職業や趣味によっては、ほとんどこちらの世界で暮らす人も多い。なおVNetで生活するためには、現実世界における肉体を維持する生命維持装置「VLife」が必須である。
洋上人工都市=陸の覇者となった人類は、新たな居住地を求め、ついに海上に人工都市を建設するに至った。孤島改造型、浮島型、海底円筒型、ピラミッド型などさまざまな形態があるが、どのタイプであれ、そこに住めるのはいわゆるセレブ階級のみである。
コムログ=携帯電話がPDAや音楽プレイヤー、電卓にボールペンに扇風機にアイロンといったあらゆる電子機器の機能を取り込んだことで、それらすべてを統合するその機器の呼び名が新たに必要となった。いつしか、BBS利用者たちの間で俗称となっていた「コムログ」という単語が、その機器を指す単語として一般化したようだ。語源は不明だが、「コンピュータ」+「ログ」という単純な解釈が一般的。
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あとがきにかえて2
(初出:2004年11月05日)
今日は、旅の途中で主人公が書き残したサバラバ語についてのメモを紹介します。簡単な日常会話くらいならできるようになるかも? いや、それには語数が足りないか…orz
<サバラバ語辞典>
あ
新しい=ネコ
あなた=イー
ありがとう=アイチャイ
歩く=トクト
行く=カイト
一日=ガイン
一週間=カーマ
一ヶ月=ロイロ
一年=マール
いる=ペタン
いいえ=ンナ
埋める=ドム
嬉しい=チャイ
王冠=クッタ
大きい=ドドン
お金=リン
置く=ポコン
同じ=トントン
お願いする=ペコリ
終わり=ドンラ
か
貝=パクワ
かもしれない=シーマロ
木=ジュモ
着物=ノタ
距離=ズーン
草=ズモー
来る=ロー
これ=コン
こんにちは=ローゾーガイン(ローは省略可)
さ
仕事=ヨシュ
しなさい=ギ
神聖な=ムーン
すべて=ゼン
そして=アンナ
た
食べる=アモグ
種=ポトロ
小さい=アホ
蝶=ポ
疲れる=ガクン
つくる=ウォン
です=シー
ですか=シーラ
とても=インギン
鳥=サパ
取る=クーン
な
長い=ウワ
何=ワタ
人間=ピタラ
~の=~ナ
飲む=アモグ
は
船=スースー
始まり=ポーラ
はい=オト
場所=ポッタ
古い=イヌ
ま
短い=チョ
水=プン
見る=ムーム
持つ=ヌーモ
持ち物=ヌーモ
や
よい=ゾー
ら
わ
私=アー
数字
0=ンナリー
1=ポロ
2=フツ
3=ミョン
4=パタ
5=リブ
6=パク
7=ドン
8=エベ
9=クム
10=リー
11=リーポロ
…
20=フツリー
21=フツリーポロ
…
100=ドーサ
<文法>
大まかなことしか分かっていないが、
(主語)(助動詞)(動詞・形容詞)(目的語)(副詞)
という語順らしい。例外もあるようだが。
しかし、並んでいる単語の意味で大体の意味が分かればいいと思う。
肯定・否定・疑問・命令は助動詞の種類を聞き分ければいいみたい。
<例文集>
「服を全部脱いでください。」
=「イー ギ クーン イーナ ノタ ゼン」
「聖ポトロの日」
=「ムーン ポトロナ ガイン」
「この種をまいてください」
=「イー ギ ドム コンナ ポトロ」
「私を埋めるのですか?」
=「アー シーラ ドム アー?」
「あなたはポトロです、そしてこれもポトロです。」
=「イー シー ポトロ アンナ コン シー ポトロ トントン」
「ここにあなたの荷物をすべて置きなさい」
=「コン ポッタ イー ギ ポコン イーナ ヌーモ ゼン」
「聖ポトロの巡礼」
=「ムーン ポトロナ トクト ウワ」
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謎は解けましたか? 君もサバラバ語をマスターして、今日からポトロの巡礼に参加しよう!!
d(^~゜ )
『聖ポトロの巡礼』全部読んでくれて、本当にありがとうございました。今作の主人公は、実は続編の『聖ポトロの彷徨』にもちょろっと顔を出します。お楽しみにね♪
では、次回作でお会いしましょう!
みゅんひはうぜん
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「ニンゲンのトリセツ」著者、リリジャス・クリエイター。京都でちまちま生きているぶよんぶよんのオジサンです。新作の原稿を転載中、長編小説連載中。みんなの投げ銭まってるぜ!(笑)